すべてのおすすめ
次元のない町を 不特定多数のキャベツが行き交う
少しずつフォントが違う それが個性だと思っている
のっぺりした集団が 通り過ぎたあとに
数え切れない#が散乱する 通路に階段に
....
つばめはどうして
にんげんのうちなんかに巣をつくるのだろう
だれも住んでいない家にはつくらないんだってよ
わたしはひとりがすきだけど
つばめがいるからひとりじゃない
えさをはこん ....
うそみたいなほんとの世界には
油っこい湯気が立ってて
空ばっかりは複雑なうそみたいで
みあげる余裕なく午後五時半
いつものあきらめがまた
かならずあしたも東京の夏です
と念を押されて泣 ....
嘘を重ねるたび丘の雲は地表を露わにする。
それはどうにもならないくらい現実で
自分の歴史の中の恥を上塗りしてゆく。
自責の念は何の解決にもなりはしない。
穏やかな音楽も今は音 ....
「世界中が雨だね」って
きみが言うから
手相占いみたいに
てのひらを差し出して
白いサンダルを気にして
ひとつの傘でふたりで濡れながら
「世界中が雨だね」って
きみが言うから
....
生あるかぎりです
だれしも遮れない旅をしているとおもうのです
たぶん滅びるのもちかいのかもしれません
ちょっとなにかを選択するのもめんどうくさいのですが
いつも可能性と不可能のコードの端を ....
黄色いシーソーが二つ
同じ方を下げて
ならんで寝ころぶ恋人同士みたい
ブランコも二つ
風にほんの少しだけこぎ出して
仲睦まじそう
のっぽの滑り台はひとり
空を見上げている 雨が ....
願いが叶ったかどうか
わからないまま
一年が過ぎて
今年も七夕は雨だった
短冊を結んだ笹は
燃やされて
煙になる
煙になったあと
願いはどこへ行くのだろう
いくら目を凝ら ....
パソコンに向って
キーボードを打っていたら
ブ~~~ン
という音が聴こえてきた
蚊か?
気づいた時にはもう遅い
手と足と三ヶ所 刺された後だった
痒い 痒いと掻きむしりながら
蚊の気配 ....
赤く透き通った
血の様なワインを飲んでいる
酔っているので
詩は
書いてはいけない
酔っているので
なおさら書きたい
自制心が効かない時ほど
熟成しないまま
今すぐ
投 ....
小指姫
清水のはじまりを
そっと草をひろげて
ゆびさきで たしかめるとき
七夕の日の心の岸部から
あなたの冒険が 始まります
笹船に乙女がのることができるとしたら
親指姫 ....
リビングにおいた
鉢植えのシクラメン
水だけやって
かれこれもう2年
元気なんです
これがまた
冬の花だと思っていたら
去年の夏
狂ったように咲いていた
意地か
誇りか
はた ....
重ねすぎたら崩れてしまう
だから無口でいるの?
それとも私とだから?
黙っていても会話していると
おもいたい日常
空はどこまでが空?
だれも知らない問いを
心で想いながら
おな ....
扉を開けると
眩しい光が飛び込んで来た
どよめく喧騒に包まれれば
異国に迷い込んだ気がした
*
時計の針がふいに
真夜中を知らせる
堂々巡りの物思いに
いたたまれず朝が来る
....
四季の巡り会わせに机上の万年筆は時を刻む。
古びたノートから溢れてくる言葉達は
オルゴールの音色と共に空間に放たれる。
胸躍らせた他人の言葉に思い出が宿る。
雨に濡れた紫陽花 ....
神様が作った骨の成り立ちを考えれば
猫背であることはとても自然な成り行きであるのだけど
猫背である自分をウインドウ越しにうっかり見てしまえば
あんまり素敵じゃなくて
ちょっとだけ無理をして背中 ....
はい 間違いございません
わたしが〝ラッキーストライク〟です
本家本元
「首相投卵事件」以来
多くの有名著名人ばかりを狙った
スロウアンエッグテロリスト
今や多くの模倣犯が現れて
巷で ....
人が笑っている
マユミが笑っている
マユミは母
オサムは父
オサムは死んでいる
首を洗って待ていろ、と
テルヒコに言われ
二十年、首を洗って待ち続けた
首だけがただ
....
閉じ込められていた扉が開いて 一斉に流れ出す
群集に紛れる 安心感に包まれて
たくさんの孤独は 水族館の鰯になって
同じ水槽の中を 泳ぎ続ける 死ぬときまで
独り暗闇に潜んだ金魚の ....
毎日が当たり前でうめつくされているから
あらがうこともしないでいた
それをひとは逃げというだろう
水分をとらないでいたら
いけませんよ おじいさん
何度いってもとろうとしない
おじいさ ....
言葉はなぜあなたにつたわるのだろう
あなたの脳内で維持されている
概念に呼応する音声あるいは文字列を
話し手と聞き手が相互にいれかわりながら
違和もさしてなく理解できる不思議
中国の ....
6月、7月は雨降りばかりで
こころまで カビが 生えてしまえそうだから
せめて 陽気に 笑ってしまおう
たまには ワインなんかも いいんじゃないか
こころが酔えば たやすく 陽気に な ....
つぎはぎだらけの毎日の そんな単調な繰り返しに
あなたは 耐えてゆけますか?
ざらざらとした風が 喉にからみつき
そんな空気を 吸っては 咳き込んで
あなたは それでも生きてゆけますか ....
故郷の水産加工場で働き始めて二年になる
腹を裂いて 卵を取り出す
完全な流れ作業
嫌な仕事 本当に
だけどこんな田舎ではまだましな方
特に何ができるでもなく
コネがあるわけでもない
男相 ....
五段の醤油団子と七段のあんこの団子の
櫛が五本並んであって
隠れた山葵入り団子を探してみる
こころにもないものは
不味いものだと教えてくれた先生は
いまはいない
和紙に乗っかって
上 ....
溢れても 溢れても
忘れても 忘れても
足りなくなることはない ありがとう
溢れても 溢れても
流れても 流れても
尽きてしまうことはない あいしてる
いつか ....
身籠って 産み落として
遠のいていった 円の扇子
縹色に染めた夜空を次元のフィルターに通して
オパールが形を整えてゆく 円から欠け円へ満ちる
側面と円柱と竹のよう
東へ西へ梯子に ....
みずから の
からだを つかいきった ら
今日は、からだぜんぶで 床を かんじてみよう か
床の飴色は頬に ひんやり
水飴にもなれないまま
わたしの良からぬ電気を逃がすように アース ....
双子だった祖母方のまたいとこはすこし胸が大きい
潤んだ神秘的な瞳は深くて
同い年なのに
大人に見える
意味深な暗号のように念仏がくりかえされるなか
むかし いっしょに あそんだはず ....
冷たい窓ガラスに
一匹のヤモリがいた
わたしとヤモリは
互いの存在を
ほんの一瞬で認め合う
空気がほんの少しだけ
動いた気がした
目が合ったのだよ
確かに
あの時
人間と虫
....
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