すべてのおすすめ
女の人の持っている鞄が気になってしょうがなかった
遠くへ行けば行くほど 鞄を欲しがる様になっていった
ピンクのショルダー
黒のハードな合成革に金の鎖のアクセントの物
軽量ダウン地のブ ....
例年にない大雪で
なれない除雪に悩む市民をよそに
ひたすらアパートの除雪に精を出す
あいつ
――大丈夫 おれ 雪国育ちだから
観測史上初を連日更新する中
近所の家々をまわり除雪 ....
友といさかい冷えた心で乗った電車
開いたドアからはいりこんだ冬の風が
通り抜けていく
二・三歳の男の子を連れた若い女が
隣にすわり 子を膝に乗せる
子の足がずれて
座席のあかいビロ ....
いいえおじさん心の
じゃなく
心は闇なんですおばさん
そこに光は射すでしょう
頭蓋骨の中
風さえ入って来るでしょう
明るい気分が領します
色彩がこぼれ温度がながれ
音声がはずみ意味がお ....
冬空のした
光と遊ぶ子供たち
ベンチには杖をついた老婆がひとり咳払い
あどけなさの残る主婦が
砂場の縁で公園デビュー
この場所はもう古い
ブランコは規則正しくきしみ
ジャングルジ ....
凍って開かない窓を
ぬるま湯で拭く
掃除機が編み針を吸い込んだ
冬眠を急ぐ熊のように
予定通りにしないと気の済まない姉たちが
雪の中で車を洗い
居間にツリーを飾りつけてる
....
種を蒔け
たくさんの葉や花や
実をつける種を
種を蒔け
君の愛した人に
君を忘れさせないように
種を蒔け
君の生きた証を
残す旅に出た時に
種を蒔け
いつか ....
病魔というやつは
いつも不意打ちで
宿す者の人生を蹂躙する
誰も悪くない
だからこそやり場のない怒りを生み
理不尽さに苦しめられ
それは時に病気自体の苦しみを凌駕する
180度変 ....
とんとんとんとん
すり鉢で
ぐるぐるぐるぐる
潰して
がしがしがしがし
裏ごしまでする
上手にごっくん出来るように
私はこの愛情を楽しんでいる
食事と愛情
....
ガラスの葉っぱに滴る雨水が甘い匂いを放っている。
この街の横顔が、夜明け前の薄青い静寂に包まれている。
店を閉めたジャズバーの管理人が、暗い色のコートを着込み、
メインストリートの奥へと消えてゆ ....
堆く積まれた 書物は昔のままに
午後の斜光に 照らされた埃の層は
舞い上がることもない 部屋は死んでいる
窓ガラスは乾いた風に ことこと揺れる
紙魚が食べた詩集には 空洞になった ....
見よ 夕焼けを照り返すほの暗い進化の井戸に化石した都市はうずくまり
たわわな花火をしげらせ枝はしなだれて
反転する視界に渦巻く積乱雲のふもとの石の階段
奈落の淵にさえずる木の実の色のように君の思 ....
そうして物語の行間
壊れた時計から逃げ出せない二人は
互いの体臭を帯びた愛の上澄みのやるせなさが
ゆっくりと肺を満たし魚に変わるまでの昼と夜を
ナイフのような耳で削りながら冷たく灯していた
....
ヤケドしそうな体温も全部私が選んだ君
空から雫が降ってくる
そんな日がすきだ
同じものがからだのなかにある
こわれた玩具の痛みをしらない街に棲む
風に翻って反転する記憶の陰翳を編む
この電話も壊れてるんだ
だから意味を ....
春を待つサフィニアに水をやりながら鼻歌を歌う君がカスミソウに見えたので
僕はささやかな幸せが壊れないように
そっと玄関のドアを開けた
哀しく広がる空と冷たい空気は
春を迎える頃
君たちを ....
陽の当たらない玄関の
下駄箱の上に置かれたガラスの水槽
その中に金魚が一匹
夏の宵
太鼓の音や提灯に囲まれた広場の
入り口で掬い取られて
運ばれてきた
たくさんの兄弟と泳 ....
もうずっと遠い昔に
絶望から一歩を踏み出して
歩いてきた僕だから
これ以上裏切られることもないし
やけのやんぱちにもならない
光りあふれ
花咲く道の途切れる先に
真っ暗な口を開け
....
過去というのは時々取り出して
いろんな気持ちで見つめるもので
それはけっして変わらない物でもなく
案外に不確かなあやふやな物
省みて幸せな様に
省みて強くな ....
喉はがらがら
飽くなき渇望
砂漠の真ん中
見通しのない
手探りの日常
旅をしている
目的のない旅をしている
目標のない旅をしている
目次のない物語の中
悪 ....
ブルー・ライト・ヨコハマをききながら、飲めないのに酔いつぶれる真似をしてみる
毛布をかけてくれる相方
感謝、かんしゃ、かん。。。Zzz
*YouTube ブルーライト・ ....
コンビニを出ると
タクシーに ひかれそうになる
青い光だ
熱のない
遠い大地で
祝福されたその光に
私は
音もなく追われてる
ふと
私はあなたを想う
強い光だ
だけど
....
私の一票には見えない血が滲んでいて
そのまま死んでしまうのかもしれない
それでも私は貴方の名前を書いて
見向きされない片想いにも似た
愛の告白をする
貴方は私の名前すら知らない
....
頭が痛いと君は言う。
私が死んだらという話はしない約束だが、つい君は口にする。その度に僕の手に握られている砂粒が少しづつ隙間からこぼれ落ち、風に吹かれて飛ばされてゆく。
そのあと、僕の心は痙攣 ....
毎年恒例となりつつある
甥のいる楽団の定期演奏会に行く
残業を断って 実家の母を乗せて行く
年に一度の演奏会だ
最初から見せたい 見たかった
クラッシックなどよくわからないけど
歌謡曲 ....
否応なしに冬に抱かれ
吐く息
ひんやり
あたたかく
生業の向こう
透かし見る
見知らぬ男が 女が
子どもたちが厚着して
光片の海を泳いで往く
わたしはもういない
....
荒涼と風吹きすさぶ丘に立ち
肌打つ風さえ気付かずにいた
冷たい寒いとふるえを感じつ
次第に惹き込まれていく吾身
次第に何も感じなくなった時
雲はムーアを覆い私を覆った
荒涼 ....
狸の死骸を突いている鴉は
国道の真ん中で ダンプに踏み潰される
黒い羽は飛び散って
自分も狸と同じように 一塊の肉になる.
通り過ぎる助手席の婦人は 眼を背ける
汚らしい物を見て ....
蒼く青く人・人・人無数の人青く碧く
蒼く青く見物人・紳士・恋人・貴婦人青く碧く
蒼く青く丸い輪郭・二本の線・
形状の違う輪郭・二本の太い線・青く碧く
蒼い青い空一つ空青く碧い静止し ....
水溶性キネマ
記憶の階段を一段一段昇るたびに
潮のように満ちてくる
おじぃちゃんの机のうえには
馬の毛
たぬきの毛
頬にやわらかいリスの毛
お米にも描けそな ....
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