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昼間なのに薄暗い
秋なのに寒すぎる

勝手だね
だれに言うでもなくつぶやいた
少し後ろめたいから
そっとふたをする
私の過去に
宇宙にある
一つの場所、一つの時間

流星は覚えている
巨視の瞳孔を開き
微視に解体される運動と感情を

私はあなたの記憶
機能化された一つの個体
朝、目覚め
夜、眠るまで

 ....
魂の境を越えた交わりだった
わたしたちは一羽の大きな鳥になって
暁に輝く大河の遥か上空を
風を切り 大きく弧を描きながら
深く埋もれたまま錆びて膨れた散弾
思考に敷かれた玩具の電車の閉鎖回路 ....
少年は決意した
高校生になったら
皆の前で
自分の言葉でしゃべると
そのために
今の学校からは誰も受けない高校を
選ぶのだと
例え面接があろうとも
はっきりものを言うと
緘黙していた ....
肉体だけが失われた
魂だけになった人々のすむ世界は
遠くて
案外近い、のではないか

たとえば
風の吹いてくる方角に向かい立ち
乾いてゆく眼球の映す景色が
そのまばたきのたびに
一枚 ....
夜眠る
じっとして目を瞑る
夜はこれから
しんとする
自動車の音も消えていき
ゆっくりとなだらかな
長い坂を下っていくような
細長いストローで息を吹きかけて
手のひらがくすぐったいよう ....
流れ星を数える夜は
一人寂しく冷たい黒

おやすみのあとの秘め事は
誰にも気付かれない
空の星を金平糖にして
食べていることも
誰も気付かない
約束したのだ
海のクラゲと
星がいな ....
府中の霊園の芝生に、僕は坐る
目の前の ✝遠藤家 の墓前に
炎と燃えるポインセチアの植木鉢と
グラスに日の射すワインを、置いて

初めて訪れた十五年前の夕暮れ
左右に生けた紅白の薔薇は
 ....
なんの肥料にもなれず
ただの炭酸カルシウムと化す
ヒト

水に溶けは
すこしは土壌改良剤にでもなるのか

死してなお
何も残さなかったと言われるのは
嫌だ

せめて
何かの爪痕 ....
沈潜

水流から飛び立つ鳥達
冷えて透明に波打つ大気に
勢いよく流れ込み同化して
鳴いては耳を澄まし
耳を澄ましては鳴く

大気のコトバ、律動しながら響き
鳥達は従う、向かうべき方角 ....
例えば、それは記念日の夕食の
テーブルにある蝋燭が照らす淡い瞬間
ワインで少し赤くなった顔が綻ぶ瞬間
例えば、それは久しぶりに家族で行く海外旅行の
澄み渡る天の青を仰ぎみる瞬間
遠くに見える ....
墓地と背
鎖を手に
見えない声
遠い灰の音


雨が
雨のための径を通り
去ってゆく
傘の無い街を
照らす幻日


呑まれゆくものに
小さなものらに ....
狡猾であり
幼稚でもある
すべては悲しく美しい
そう
狡猾であり
幼稚なのだ

幾日も 
幾年もかけて
日が沈む
その終末の真っ赤な空を
眺めては小さな飴を頬張るように
感慨に ....
きみの右目から1センチ
ちょこんと座るちいさなほくろ

きみの瞳はまぶしすぎて
見つめ合うことなんてできそうにない

いつも逸らした視線の先で
そっと目が合うちいさなほくろ

ぼくを ....
ラッキーワン
ラッキーツー
ラッキースリー
ラッキーフォー
ラッキーファイブ
ラッキーシックス
ラッキーセブン
ラッキーエイト
ラッキーナイン
ラッキーテン
ラッキーイレブン
ラ ....
ヨラさんは小児麻痺だった
ヨラさんはよく笑った
ヨラさんはそのたび涎を机に垂らした
ヨラさんは頭が良くてクラスでいつも1番だった

僕はヨラさんを笑わせるのが好きだった
僕はヨラさんの涎を ....
冬庭は音符を奏でる

花の終わった残骸は
案外気難しく
やっと植木鉢から引き抜けば
無数にめぐらせた白い根は
持てるかぎりの土をかかえこんでいる
ああ うたはここからも
うまれてきてい ....
臨界に旅立った母は、すこし痩せたみたいだ

もう、帰りたい。という
ここには団欒がない。という

距てるものは何もないのに
働きすぎたのだろうか
午後十時二分の、電動歯ブラシは
 ....
母から聞いた遠い日の思い出話です

貧しい農家だった父と母は
農耕馬に馬橇を引かせ
町の市場へ暮れの買い物に行きました

正月のための食材を買い
家族の冬のビタミン源として
おそらく当 ....
存在の不安を癒すはずの
名も知れず 闇から生まれ闇に去る運命の
生者よりも はるかに数多い死者を看取った
神が それを許したのか?


大好きな町が 罪のない血に染まった  
夜が真 ....
秋と冬の境目の
限りなく冬に寄り添う秋だから
ならべてみたくもなる
あったかいものをしこたまに
{ルビ炬燵=こたつ} 湯たんぽ 綿入れ{ルビ袢纏=はんてん}
焼き芋 甘酒 鍋料理
{ルビ熱 ....
 天の慟哭か大地の怒りか人間が驚愕するのは決まって夜だ。
 神秘の詰まった夜を私は愛する。
 それはロマンに満ちた星空だけによるものではない。
 何とも言えぬ甘美な恐怖とそこはかとない漂いが ....
古びたティーポットの、口先から
白いゆげはしゅるるるる…
ぼくの唇からも
凍える誰かを暖める言葉が、たち昇るといい  
あなた方の死骸を埋めると 私が芽を出して育っていく
アイ、の呪いはコトバと声を包んで あなた方を肥やしにどんどん伸びる

声が子守歌に変わる夜 
初めて骸の種となったあなた方に 向き合う ....
あなたはゼラチン体質
脳みそが半透明
よくわからない言葉を発する

あなたはゼラチン体質
全体的に粘着質
ねちゃねちゃ音を立てて動く

ゼラチン状態のあなたは
なにを言ってもすまし顔 ....
精神科で診察を待っていると
世界の涯てまで来ちまったなぁと思う
しゃがんで煙草を吸う少女
無気力な眼で空を見つめるおばさん
この風景の中に私もいる

悲しんでも悲しんでも
時間はもとに戻 ....
換気扇がぶっ壊れて
機関車みたいな音がする

台所であなたと目を合わせたら
困ったような笑顔がどこかへ旅立つ

暮らした年月を
思い出させるすべての劣化

年をとったわね


 ....
真夏の鳥取砂丘には
ただ一本の樹さえなく
にぎわう人と数頭のらくだの黒い影を
その茶色の肌にゆらしていた

運動靴を履いてきたけれど
砂に足をとられて歩きにくい
切れる息
額から滴る汗 ....
「自分に味方しないものは敵だ」
という考え方と

「自分に敵対しないものは味方だ」
という考え方は

同じようでいて ずいぶん違う

生まれつきの敵も味方もいやしない

パレスチナ ....
渇いた落ち葉を踏んで歩いた
湿ったアスファルトに
暗い空から
時折雪がこぼれてきた

かじかんだ手で傘の柄を握り
歩いたことのない道を選んで
なるべく迷子になるように
帰る方角 ....
夏美かをるさんの自由詩おすすめリスト(7322)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
身勝手- 朧月自由詩415-11-26
記憶- 鷲田自由詩315-11-25
一瞬確かにわたしたちは- ただのみ ...自由詩14*15-11-25
少年は決意した- イナエ自由詩6*15-11-25
薄暮の街で- そらの珊 ...自由詩17*15-11-25
夜のはじまり- 灰泥軽茶自由詩515-11-25
おやすみがなくなったら- 瑞海自由詩7*15-11-24
日溜りの墓___- 服部 剛自由詩715-11-24
死してなお- 天竺葵自由詩115-11-24
沈潜- たけし自由詩6*15-11-24
瞬間- 鷲田自由詩915-11-23
石を歩く- 木立 悟自由詩615-11-23
笹船に乗った自己愛- ただのみ ...自由詩11*15-11-23
ほくろ- 泉 鳴巳自由詩415-11-23
ラッキーナンバー- 北大路京 ...自由詩815-11-22
ヨラさん- たけし自由詩9*15-11-22
冬庭の音符- そらの珊 ...自由詩16*15-11-22
もんじゅ- たま自由詩14*15-11-21
林檎の思い出- Lucy自由詩13+*15-11-21
虚構の大義- 藤原絵理 ...自由詩5*15-11-21
扉の隙間から- ただのみ ...自由詩19*15-11-21
夜への想い- ヒヤシン ...自由詩5*15-11-21
言葉のゆげ___- 服部 剛自由詩315-11-21
- 為平 澪自由詩1015-11-20
ゼラチン体質- wakaba自由詩4*15-11-19
世界の涯て- 渡辺亘自由詩915-11-19
夜汽車- ガト自由詩13*15-11-19
すなやま- そらの珊 ...自由詩15*15-11-19
どっちにもなる気はない- ただのみ ...自由詩17*15-11-18
散歩《2015年11月18日》- Lucy自由詩13*15-11-18

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