すべてのおすすめ
救急車が 走り回る
寝静まった街を 音もたてずに
誰かが 泣いている
悲しい出来事は もうないのよ と
地下街の換気口から ため息
焼かれた鶏の モツになった牛の
生暖かい ....
冬の寒い空
空が澄んでいて
星が輝いている
清らかな気持ちが
コポコポ湧いて
シュワシュワ
浮いて弾けて
飛んで星になる
夜空に浮かんでいる
星々は親しげで
すぐそこまで行 ....
もう二度と子を抱かぬ手で撫でる
金の無い人間を殴りつけ
ときどき金を恵んでやり、
金のある人間には金をせびり
躊躇しないジャンキーで
金のある時は大盤振る舞い
金の無い時はけち臭く
外の乞食に金をせびる
育 ....
もしかしたら
言葉は音になって
空気中を漂い
あなたの耳から侵入する
かもしれない
もしかしたら
言葉は文字になって
どこかに刻まれ
あなたの目から侵入する
かもしれない
....
西の山に陽が近づいて
1日が終わろうとしていた
男は川面すれすれに延ばしていた竿をあげ
帰り支度を始めた
ゴカイを川に返し 椅子をたたむ
通りがかりの人が声を掛ける
「連れましたかね」
....
とりどりの人がいる
顔、瞳、髪の色はもちろん
おそらくは心の中や
境遇までも
透明の涙が私を取り巻く重いものを流してくれる日もある
透明の涙が
さらに粘度を増して醜いゼリイになって ....
まつげの重さに耐えかねて
そっと伏せてはみるけれど
わたしの瞳は夜をみる
散歩の途中の道端で
みつけたちいさな青い花
....
F1のテーマくちずさみながら教習車に乗った
たとえてわかりづらくなった
トントントンと
整理整頓
埃を落として
塵を集めて
汚れを拭き取る
これとこれはこっちで
揃えて並べて
あれとあれはまとめて
しまっておいて
さすがにこれはさようなら
捨ててし ....
海底を歩くシーラカンスの群れが
一斉にでんぐり返しする
脊柱の中の体液が
きゅう
と静かに鳴る
剃り上げた襟足に風を当て
コーヒーをすする
飲み下した熱い液体に
爛れた胃が驚いて
....
青い扉の向こうに
雪原が広がっている
かすかなノイズ
そのなかに紛れるように
一頭の白い馬
あれはあなたが放した淋しい夢だ
指で触れて
夢だと知りながら
その長い首を抱きしめる ....
詩学園は人工惑星にあった
右手に夜で
左手に光があった
脳と繋がれず魂のみで生きていた
詩学園に属していた僕たちは仲良しの友だった
詩薀蓄の授業は必須科目だったから仕方のない潰し時間 ....
賽の河原にて
幼児の地獄 賽の河原で鬼がぼやく
この頃河原に来る幼児の数が減って
たまに来ても 石積み遊びを知らない
石投げばかりしていて危なくて近寄られせん
ケルンつくってみせ ....
参ります、参ります
もうすぐそちらへ参ります
陽の当たらぬ公園で
凍えたブランコ揺れている
さくらの蕾はふくらまず
....
卵と牛乳
砂糖を入れて
シュコシュコかきまぜ
食パン浸す
フライパンにマーガリンを溶かし
焼いたらシンプル出来上がり
小さな頃に初めた食べた
異国の香りは
本物ではないけれど
う ....
ウォーミングアップで力尽きた
かすり傷
痛さも感じない傷
ちょっとばかり痒みを伴い
傷があるという感覚は感じられる傷
中指にできた傷
いつの間にかできていた傷
キーボードを打つ手を止めて
じっくりと見つめ ....
リンゴを木の枝にうまく乗せることができない
その人は寒空に部屋着のまま 油断したのだ
やっと乗せ終えたところを見計らって挨拶すれば
かじかんだ「コンニチワ」と鼻水少々 そそくさと家の ....
花舞う春空のしたで
あの土手にねころんで
言ってだそうな
「とおちゃんが
だるまを買ってくれたから」
卒業だっぺ
青春の一番いい時をさ
絶望と生きぬくつらさで
こんなん長ぐ
よぐ ....
雪はいつの間に
雨に変わったのだろう
目玉とお臀を
ぴかぴか光らせる
鋼鉄のねこたち
灰色の街
道端に
ピンクと黄色の花が咲く
花びらの下
こどもたち
寄り添い合って
雨 ....
光がどんなに早くたって
地球を廻ることはありません
もし一秒に7回半も地球を廻ったら
ぼくの陰はずーっと伸びて
延びて のびて
ぼくに後ろから覆い被さり
また延びて 延びて のびて
....
漢字の書き取りをしながら息子が大粒のなみだをぽろぽろとこぼしている
耳という字を書いていた
どうしたんだ?と聞いたが俺には言わないらしい
その後スマブラをしたんだけど俺の勝ちがちょっと続いたら
....
バースディケーキの上は綺麗に飾られた素敵な世界。いつもはジミィな醤油色に彩られたばあちゃんの食卓が、がぜん夢見がちな乙女色になるから不思議。白いくりいむからは甘い香りがしてきて、苺はまるでお姫様みたい ....
むしゃくしゃくしゅん
気持ちのスイッチパチンと
切り替えられたらいいのにな
どうでもいいことが
どうにもよくないからよくないね
むしゃくしゃくしゅん
花粉の前触れか
誰かが噂している ....
対向車を運転する老婦人が
お辞儀をして直進していった
交差点で
右折待ちのわたしに
丁寧にお辞儀をしてくださった
法律上
直進が優先されるのだから
お辞儀など必要ない
....
オイラおっさん猫2003年生まれだからおっさん猫
同年にあかねちゃんに拾われたから毛食住セレブ猫
時が流れておっさん猫 でもかわいい健在の猫パン チ
最近は赤ちゃんがオイラを ....
めざめは はるかとおく
めざましは なりやまない
汽水域からの 電話の呼び鈴が
あんなに激しく鳴っているというのに
あらたな就職口からの
電話だというのに
めざま ....
私が不治といわれる病気になった時
学校のことや
子供会のことなんか
代わって引き受けてくれたママ友に
「いろいろごめんね」と謝ったら
事情を知っている彼女は言った
「そんなこと、気にし ....
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