すべてのおすすめ
街が饒舌な無意味で錯乱しているように
天使たちの尻尾がつかまらないままに浮遊している
あり得ないものを対比することに慣れてしまわないように
日々を煮詰めて抽出する
自分の組み立ての順序 ....
取り忘れたのだろう
束ねられた
豊かであった髪を
解体しながら
(舞踏会は終わったわ)
ていねいに
抜き取ったつもりでも
女の指から
逃げおおせた
小さな
黒いそれが
おそら ....
上手になりたいわけじゃない
練習なんかしたりしない
だけど、
いいわけしなきゃ
守れない暮らしがある
逃れる
技術のなさが
致命傷になることもある
上手にな ....
青臭い茎を裂いて
心地良さげに破綻の痛みを噛み潰す
細道だらけの旅が古着のように似合っていた
友よ
ただただ蠱惑な蛤の歌声が
あの括れた坂道から
忘れ物の顏でそぞろ出でる
ああ無明のチ ....
グリルの中の
魚のように
何度も
何度も
裏返され
生焼けのまま
今夜も
薄明かりの下を
彷徨う
行けど
行けど
見つからない
百目の案山子が
跳んで追いついてくる
ぬか ....
知恵の輪にペンチをそっと
届かないかもしれない
それでも、届けようとして止まない姿
あまりにも眩くて 言葉が追いつかない
すべてが叶うほど 世界は生ぬるくない
すべてが叶うほど 人生は甘ったるくない
....
壁に掛かった能面たちは
電灯に照らし出されると
生き返る
幼い子には
能面たちの話す声が聞こえるのか
じっと見つめ後ずさりする
激しい風雨の夜は
般若面が半開きの口の奥で
歯を ....
陽が沈むころ
コウノトリのコウちゃんは鉄塔に帰ってくる
ねぇ、コウちゃんいてないわ……。
洗濯物を抱えて二階から降りてきた妻がいう
鉄塔のてっぺんで夜をすごすコウちゃんは、まだ三才
個体 ....
床下の部屋は半地下で
物置代わりに使っているのだ
辺りが畑のせいなのだから
野鼠が床下の部屋に入り込むことは
仕方ないと諦めることこそ
当たり前のことのはずが
夜中にガザゴソと音が ....
激しい飢えがある
研ぎ澄まされた刀に
腹をえぐられるような
鋭い痛みがある
確かに俺は致命傷を受けた
でもこんなんじゃ終わらない
終われないんだ
運命が俺に挑戦するなら
俺が運命に復讐 ....
月を呑み込んだ僕らの影ひとつバターのように溶ける
歯ぎしりしないよりは
するごまめでありたいと思う
井戸の底から出られなくても
空を見上げる蛙がいい
賢い猿になれずとも
見て聞いてものを言い
出ないより
出る杭でありたい
....
風景を壊しながら
ゆっくり歩いていたら
感傷が45度に傾いた、
存在が比喩のような君が
新しい名詞を
街にばらまくから
リリカルに死んだ思い出が
一瞬で
胸の中にひろがる、
....
今、空の底にいます
屈折した光に包まれて
案外うまく歩けています
地図を読むことは
相変わらず苦手だけれど
磁石を温めて
風を読むことが出来れば
目的地にはいずれ
たどりつくかもしれま ....
心が凍えそうな夜
カレーなんだな
みすかしたように、カレーなんだな
君のいないリビング
殺風景でアウェイで時間しか癒しきれない悟り
時折涙の理由を問いたいくらいに溢れ出す
寂しいよ とても
君のいないリビング 心にぽっかりとあいた穴
寂し ....
葬式の日まで筋トレするのか
ごシュウギ目当ての
全国オセロ大会が始まる
以前は俄然合戦
セイトウ的陣取りゲームの囲碁だったが
近頃では多くのイシが
「我らシロにもクロにも決めかねまする」
投じ ....
デジタル信号に変換された
音色の濁流から
そのUTAをすくい上げたのは
ただの気紛れだった
はけ口を求めて迷走する魂を
水先案内するように
君のUTAは胸の裏地に棲みついて
僕の ....
どうして
次の日と
もう一日だけ
ライン
会いたいと
ああそうか
そういうことか
嫌だけれど
気づく
彼の主張
彼のやり方
わかってるよ
でも 暖簾じゃない
....
ブラックボディの
ノートパソコンを開け
キーボードに伸ばす手
を追い越し
パネルに伸びた指
夜明け前の画面に触れる指先
から泡立ち溢れる渦
胸の傷口が割れて
大輪の洋蘭
隠 ....
見合結婚した母に聞いた
結婚した本当の理由なんてない
自分がどうなるか解らないから
冒険気分で結婚したの
解っていたら結婚しなかった
恋愛結婚した妻に聞いた
結婚した本当の理由なんてな ....
人の背中をみる
いろいろききたくてみる
なんにも言えないでみる
ふりむいてくれないからみる
それをみているひとがいる
不思議そうな顔でそれをみる
そんな風にだれもが
だれかの ....
あなたの
努力のおかげで
わたしたちは
あたたかい場所にいられる
つぎに
何を成せばいいのか
頭が痛いけれど
話しかけられたら
うれしい
緊張もするけど
でも
だからといって ....
コンクリートの直方体に
鉄の芯が入り
表面がガラスで覆われた
無機質で重い建造物
その林の中にいると
美しい灰色の空気によって
吐き気がする
夜になると
別の世界が顔を出す ....
メールや電話って便利
どんなに遠くにいても
相手に自分の声や言葉を伝えられる
その時だけ相手の事が誰よりも
近くに感じるから寝る事も忘れて
文字を打ったりたわいのない話をするんだろうか
メ ....
労働を知らない手が赤のリード線を切る
男は詩を書いていた。
たくさんの詩を読み
感動したり影響を受けたり
時には幻滅したりしながらも
毎日のように詩を書いていた。
そして、
男は自分の作品を一冊にまとめ
ついに詩集を出版した ....
名前のないものにかこまれて生きている
見たもの感じたこと
言い表せないもどかしさ
伝えようとするものには
名前がないし
きみの良いところも
うまく表現できない馬鹿者だが
そういっ ....
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