すべてのおすすめ
ある日僕は、偽善をした。
ちらほらと雪のぱらつく、浅草で。
*
ふたりの女を、愛しそうになっていた。
ふたつのあげまんを、雷門の近くで買った。
*
地下 ....
大学のころ
ニュージーランドにひとり旅をした
レンタカーに寝泊まりし
ほんとテキトーに島を巡った
ときどき安宿にはいりシャワーを浴びた
クジラを見つめているとかいう
....
まんべんなく塗り潰された
午後からの狂想はふたなりだ
気分次第で
どんな快楽にも飛べる
吐き出すも飲み込むもお手のもの
トップレスの神官はすでに出来上がっていて
....
いつもの帰り道を
いつものように歩いていると
知らない道を歩いている
どこかから寝息が聞こえるので
誰かの夢の中だとわかる
寝息を頼りに知らない道を歩いていくと
知らない家にた ....
伯父は
酒に酔うといつも僕を責めたて
僕も内心で怒りながらそれらを無視し続けた
伯父は僕の生き方が気に食わなかったし
僕が内気で口数の少ないことが更に腹を立てた
あるとき伯父は
....
ハレヤカな日は
ハレルヤ
アレルヤ
金も地位も無くし
しょんぼりしていた
マイダーリン
人間性同様
みるみる
ちっちゃくなった
うなだれた彼を
洗濯バサミでつまんで
....
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君はどこに行っていたのと
神話が問いかける
ここまで
ずいぶんと時間をかけて
きたのに
ほんのちょっとの不在で
だいなしにしたね、と
....
水は重く、水は重く
地に深く沈みこんでいる
岩陰に臍のように窪んだ一角
降り井戸の底の暗がりに残された一匹の
赤い鎧を着た魚
地の底よりふたたび湧き出してくるものを
みつめる黒 ....
明るい心臓の奥深くに
私のかたちに似た木が一本
ひっそりと佇んでいる
その木は、
常緑と呼ぶにはいささか
難解で
落葉と呼ぶにはいささか
陽気である
そし ....
埃っぽいよね
埃っぽいよね
埃っぽいよね 埃っぽいよね
埃っぽいよね
....
ブヨブヨな意気地を腐った体とギガだせー服で包み
指先大の仮想世界で王様やってるチンカス野郎と違って
原寸大の実社会で膂力を持て余す益荒男にとっちゃ
徴兵制もねえユルユルまんこみてーな日本は窮屈極 ....
青いじゅうたんにひかりをあてると
そこに虹があらわれることを
さりげなく発見したのはヌーピィだ
どうやってまもろうか
ぼくらはヌーピィをどうやってまもろうか
ぼくらは ....
風のなかを
風になれない音がすぎる
到かない光が
夜を見ている
凍った川のむこう
動かない夜
音のいちばん熱いところ
炎の奥に鳴り響くもの
姿のうし ....
殺されたくまへ
くまなく
さがされ
さらされ
うらやま
やましくなしに
かき
消され
くま
アイス
人またいで
またおいで
雨に流された街は、
洗礼を受け
軽妙なステップを踏む猫が
聞き覚えのある昔の歌を
口ずさんでいる
秋はもう病んでしまっていたのです
倒れたショウカセンは、
( どんな英語の綴り ....
私は死んだ
不死鳥は灰の中で
生まれ変わる
肉体を失われた
魂だけの灰色の世界
この灰は藁か 炭か…
私の灰かもしれない
軟らかな 温か ....
天国にいってしまったら
天国から手紙は来ないから
せめてできることだけを
おぼえないとなあ
せいかつは強弱のヴォリュームでいきること
ときには手をぬく
つんのめるほど減り込まないよ ....
中古カメラ屋の
ジャンクボックスの
古い壊れた写真機は
壊れても
そう安々とは死なない
数え切れないほど
フィルムを通した自負がある
シャッターが落ちる瞬間の
記憶が
擦り込まれ ....
ふんべつは
ふんどうににてるから
まぎらわしくって
きらいだ
遠く時空を超えると
幼い君がいた
「おとーたん、どうじょ」
ぷつんと もいだ野紺菊を
ぷるぷるふるえる手で差し出す
薄紫の舌状花をつけた花
稲藁のにおいがする午後の柔らかい日差しの中
君 ....
砂鯨はありふれている
都市の外周壁は、理性を囲う
その外で、私は妄想を追う
天体の運行が、おもむろに歪む
歩みに夜が混じる
廃棄された夜景を拾う
触れた先から崩れていく
風景は一刻を ....
頭で理解しても心がわかってくれない
心が理解しないと命と繋がらない
3つが一つになった時に初めて大切な事が響くんだ
そして拡がっていくの
眼で見えるもの
鼻で匂うもの
....
蜂に刺された事はある
蛇に咬まれた事はない
犬に噛まれた事はあっても
狂犬病を伝染された事はない
ライオンの檻には近づかない
骨折はあるが、頸椎や脊髄の損傷はない
指は切ったが切断に至った ....
女は
出会ったときから
過去の女だった
偶然が偶然をよび
不思議なリンクが
リンクをよび
過去を現在と錯覚させ
未来まで見せようとした
それ・・・
女の脳は過去し ....
街が滅ぶ前に
草原へ移動した
光を失う前に
海を見た
右目だけで出会う世界に
違和感は覚えなかった
走り出すときに半身を
庇うことを除けば
音楽が鳴り止まない
バランス以前に ....
星の粉に
流星二粒
月の半欠片
夜空に混ぜ
虫の音少々
半透明の道化師が
差し出す秋の静けさは
手足に
そっ ....
{引用=
照準を定められて
打ち出されていく……
日々
同じ筒に入れられ
あの遠い高台へと
打ち込まれていく
体中に砂が詰まっている
目が見えない
視界が充血している
人魚たち ....
真っ直ぐな道は歩きづらい
かと言って迷路みたいでも困るのだけど
適度に曲がりくねっていて
ちょうど昔ながらの畦道のように
赤い帽子によだれかけしたお地蔵さんが祀られているとか
時には肥だめみ ....
私は夜の中で
自然の残らない音楽にさせられた
言葉も無くさせられた無であろう
浜辺の 存在ですらもなくなった
絵画が吹かれているだけだ
群青色の路上の浜辺であろう そこに ....
顎のところで
きっちりと
切りそろえた
ショート・ボブは
髪ゴムで結わける
までに
伸びていた
そろそろ
美容室へ行く
サイクルだ
なのに
何故か
髪を切るのが ....
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