すべてのおすすめ
タマネギスープの
味覚の渦巻いて
巨きな花咲く
匂い在る物、
水の絹の凍結した滝流れ
切迫する無機の浮き立つ
(鉱物、植物、動物、人間
貫通する線ひたすら伸び)
タマネ ....
帰宅途中の
夕雲の群れに
滴るように
求めながら
どこにも空きは
現れない
千切れそうな
心持のなかで
言葉だって
ひとつもない
汚れた指で、
鳥を折って飛ばしていました。
虚ろな指輪を覗き込むと、
切り口は鮮やか、琺瑯質の真っ白な雲が
撓みたわみながら流れてゆきました。
飛ばした鳥を拾っては棄て、拾っては棄て ....
土砂降りを浴びて
雷さまが落ちた夕暮れに
雲と蒲焼きの匂いが過ぎてゆく
汗とガリガリ君も遠ざかる
そして何処からともなく
幽かな松茸の馨りがやってくる
定番は土瓶蒸しに焼き松茸、
そ ....
ウンコ糞のコエダメの
芳しき腐臭辺り一面に
漂い鼻腔に流れ込んで
嫌でも包み込まれ俺は
玉川上水への未知の道
切り開き歩き続けてる
にゅうどうぐも、
せいいっぱいの、
わかさ、
おおきく、
りょううでをひろげて、
しろいけむりのように崩れながらも、
なお、
秋にぶりかえした、
みずいろの夏空を占拠する、
牧草地の ....
トイレに入っても
なかなかお通じがない時には
深呼吸したり
お腹をさすったり
している
そういう時にかぎって
ワイフがいきなり戸を開ける
戸を開けるなり
「あら!入っていたの!」という ....
空のかなたで消し忘れたファンのように独楽がまわっている
地上から見れば小さな欠片のチカチカする煌めきでしかない
花嫁の消えたぬけがらの白い衣装が独楽の近くをたゆたって
さまよえるその ....
街路樹として植えられた夾竹桃の花が咲いている
車通りの多い道
排気ガスで煙る景色
花びらは桃色
街に溶け込み人と共存する
この街は空気が淀んでいて
たまに離れたくなる
お昼も過ぎ ....
アオギリの葉を鳴らして
秋がゆく
時雨ている空にさえ
時折 輝いている空しい灰色の雲
風、強かったショーウインドウの前に
私を待っていた人
月並みな愛の言葉
優しげに ....
いないいない ばあ
いない いない
そこにはいないよ
いない いない
ここにもいません
私がいるのは太陽
いつもさんさんかがやいている
私がいるのは月
ひとりぼっちの ....
日がな一日、
謎は謎として在り続け
私は五感という限定携え
逃れる的に魅惑され続ける
光溢れ裂ける瞬間に、
現象する本質を
本質する現象を
掴みかけては取り逃し、
流れ ....
足音が聴こえる
どこから来たのか分からない
⚪︎
鉱石と風の関係について
そう聴こえる。
猫ならいる。
一匹の、小さな 猫が
存在しているのは
{引用=
....
風呂上がりに
お腹の肉をつまみ反省していたら
目の前を蚊が飛んで行った
虫には太ったのとかやせたのがいないのか
そう思いスマホで調べる
太った奴がいない理由は
栄養価が高そうだと狙 ....
情報に味や匂いを感じさせる
わたしはわたしという一つの牢獄を手にとった
わがままな肢体を結んだり解いたり
憂鬱な楽園では狩るものもなく
自他の見分けのつかない愛の残滓が
ネズミの群れとなり這 ....
ぐしゃぐしゃの梵我の作品護摩にくべ/ともらいの煙遠くから見ゆ
らどみ
悪貨にすらなれないのは他人の信念のうんこログに汚染された環境に
毒されているのも知らずにあたかも自分が見つけた起点だ ....
寂しい鳥がススキに乗り垂れる
頭を捧げる一生涯の祈りが
こうして虚しさばかり産む
くちなわが巻きついて
孤独の印をつける
何にもなれないままだ
何にもならないまま
詞が死んでいくのを見る ....
五反田へは品川まわりの方が早いけど、君を
思いだすために、久しぶりの家並みを見なが
ら。今の僕には、池上線がちょうどいい速度
で。君と出かけた日、洗足池で降りだした雨
は五反田で本降 ....
丸い朝が
四角いビルにやってきて
直角三角形の僕は
平行四辺形に駅で出会って
無数の三角錐をごみ箱に捨てた
朝からブラックホールだ
*
なんだかんだと言って
あれやこれやと言い返さ ....
おびえる人がいる
何にというわけでもなく
ただ怖がっている
その人は不老不死なので
ずっとおびえ続けなくてはならない
村人はその人を
なぜか大切にした
働きもせずおびえているその人に
....
laughing moon
soft moon
crazy moon
candy moon
windy moon
talking moon
....
暗闇の中で働く
囁く
声と指は一定の距離が保たれている
そのために肉体がある
肉体のために空港がある
滑走路に置かれたピアノは
調律が三時の方向にずれたまま
夜明けの離陸を待っている ....
ユウコ、かつてのぼくはきみが好きだった
ぼくがきみを好きになったのはたぶんきみの気怠さやつらそうなまなざしがぼくの、
ぼくの琴線に触れてやまなかったからだと有馬高等学校定時制課程 ....
道端でキツネが目の前を通り過ぎて行った
少しうつむいておびえもせずに
化かされるのかと怖かったがそんなことはなかった
暑くても懸命に生きているのだろう
少し勇気をもらった
愛しい動物だ
....
いなくなった人へは
何も書けないから
妻へ
前略
草々
としたため
渡した手紙は
洗濯されて
入道雲の下に干してあった
立ち上がる
背伸びをした
その、もっと上に ....
○「正常異常」
正常って
正しいという意味かなあ?
異常って
ふつうじゃないという意味かなあ?
○「シルバー登山」
僕よりも年配に見える夫婦が
テントをかついで頂上から降りてくる
....
角の本屋さんの奥で万年筆を売っている
仕事帰りの女がそっとのぞきこんだ
くもりひとつない飾り棚は
そんな町が好きだった
ゆっくりと溶け始めるアスファルトが
蟻や落ち葉を運んで ....
悪人である私善人である私
どちらでもない私
これらみんなが私
いかがかしら?
とんぼが負ける
ひとすじのつむじかぜが
ひとりの短距離走ランナーとなる
そのように秋が
いちまいの枯れかけの葉となって
もうコーナーを曲がってゆく
いつのまにか 私が秋である秋、
こえは たましい
漂っ ている
こえは
森の
乾けない
空
ひきずられる 影
あ
....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208