すべてのおすすめ
杉の花粉が飛ぶ頃に
人も鞄をぶら下げて
何処へいくのか 東へ西へ
人混みを通過していく
訛りや方言を
マスクで覆って
笑って ハクション
新人の 媚びた上目使いに ....
革命なのだ
武器を捨てろ
旅に出て
よく見ろ
旗印は平和
広島の悲惨
再度せざるべき
革命は君の心で起きるのだ
さあ
たて
君は男だろう
かなしみはいつだって
握りつぶされた
缶コーヒー
むけられた怒りは
やり切れなさと
くやしさの色をにじませ ....
その瞳をみていたら
どうしようもなく
嬉しくて
どうしても
忘れたくない
君たちのその瞳
滲んだり潤んだり
それが笑顔に
かわる瞬間
教室は
手を繋ぐように
一つになった ....
咳すれば砂の味
うぐいすが
空の窓をひらいていく
小さな口で
ホーっと息を吸って
ホケキョっと息を吐いて
春はため息ばかり
風を明るくする
――M.S.へ
あなたは私という小さなひずんだ円形を、余すことなく包みこむ大きな完璧な円形だった。ふたつの円の中心は、二人の性格の針によって異なる点を指していたが、私が囲っていな ....
あなたがわたしの中から消えてくれない
きっと、愛の言葉より 後悔が多かったから
きっと、愛の言葉より 口づけが多かったから
わたしと彼は
必要以上に
相手を干渉しないことで
バランスを保っている
言いたいことを言わない
訊きたいことも訊かない
分かっていても黙っている
そんな風に
相手に対して深入りしな ....
雪月花を
あつめましても
わかれし人に
逢うことはできず
花時が嶺を越えても
朋(ともがら)は
儚い影
つたう涙は如月
それでも
石をしるべに
郷をいのり
健気に
心の襟を ....
一人の人間の中には収まらない
大きな悲しみがある
あるいは地球の地表を覆い
あるいは宇宙をすべて満たす
大きな悲しみがある
だがこの悲しみは
僕という一人の人間から生まれたのだ ....
私を旅へと誘う郷愁が運河沿いの私の星空へ舞い戻ってきた。
存在価値などをぶら下げているそいつは
ひどく私を非難した。
旅に出ろよ、こうもりが私の頭上を飛んでいる。
マイルスの ....
【めばえ】
優しい言葉ではなく
優しさって何だろう
おとなっぽさではなく
おとなって何だろう
それが貴女にわかるのは
長々と月日が寝そべって
太陽と月が寄り添った後
少 ....
一羽の鷺が
ふわり 弧を描き
降り立った 見えない川辺
出来事との距離は
程良く 霞となり
コンマ何秒か遅れ
波紋は伝う
記憶の水面を
現実よりも
純白 ....
優れているということ
それは一つの棘であるということ
鋭く探し当てどんどん前進していき
多くの人の自尊心を刺してしまう危険な棘であるということ
優れているということ
それは自 ....
異能の血液たちが
沸騰をはじめて
正常な皮質がひび割れる
構成する様々な体液たちが
色を変えながら
肌を染めながら―
グラスウール敷き詰めた壁の中
行 ....
おだやかな光のふりそそぐ
菜の花の河原で
また、見つけたらしい。
散らばっているものたちの中から
きまって、
青いガラスを咥え取るのは
心のなかに住みついている
あの鴉だ。
あ ....
輝くものと輝かないものが出会って
互いに氷として融け合った一年だった
ほんとうのことはすべて
偉大な虚構から滑り落ちた一年だった
どこまで伸びていくか分からない
指先を丁 ....
言葉は
人を幸福にもし
人を傷つけもします
たったそれだけの
かんたんな文法です
詩は
幸福、不幸、そのどちらか
ひとつではなりたちません
両方そろって、は ....
菜の花の堤防を
あのころが
歩いてくる
とびかかり
叢に引き込んで──
おもいを秘めて
今は近づく
じっと瞳を見つめ
....
わたしたちはそれを知っている
わたしたちはそれについて知らない
刈り入れたものを幸と不幸に仕分け
四角四面の境界で善悪のチェスをする
しかも恣意的に
晴れた日に傘と長靴で出歩く者への嘲笑 ....
※
えぇ、ご指摘の通り、これはシベリアンステップの凍土に眠る名もなき独逸の冒険家が手首に巻いていたスカァフです。それはさておき私の話をまずお聞きなさい。
※
一小節、まだ ....
わたしらしいわたしがいるらしい
わたしらしくないわたしもいるらしい
わたしは、どちらも知らないけれど
爽やかな朝が座禅を組んでいるのを遠巻きに見て、
賑やかに客が行き交う池のある庭に面した廊下に立っていたおまえは
鼻を垂らし、
昼も夜もなく透明な凍りついた顔で笑っている
やがて厳しい冬が過 ....
紙の実が地に落ち
音にまみれる
土ぼこり
鳥の声
水の庭
鳴りつづける標
海へ 海へ
蒼は岩をすぎる
百合の耳の子
息つく間もなく染まる羽
何も ....
結露した窓から
こっちを覗き見て
耳の上の辺りが特にひどいまるで
死に損いの四月の残雪のよう
そう言って笑った
冬の魔性は
死と均衡のとれた美貌を冷たい時間に包み
去り際には何度か振り返 ....
余白だらけの夜に
私の存在は余白だらけ
余白を埋めるように侵入してくる街並みは
全て雨のように回避される
夜空の闇はひたすら淡く
道行く人もひたすら遠く
私は過去の袋小路に迷い ....
雪が降る、雪が降る、
赤いハートに降り積もる
春はまだか、春はまだかと、まるくなる
紙をこする
チャコールの音が響く部屋
モデルに雇われた猫は
ねむたそうに欠伸をしながら
裸体をテーブルの上に広げている
デイバックから化粧道具をとりだし
バスタオルを巻いた ....
タラップが外れて
四基のエンジンの
高音と共に
涙する風切り羽
揚力のうまれるままに
生活の足場を
芥子粒ほどにちいさく
後ろへと
吹 ....
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