すべてのおすすめ
三寒四温の山と谷を
喘ぎながら
自律神経と前髪を
弄ばれるまま
季節のせめぎ合いを
掻い潜り
遊歩道をふうわり漂うのも
それほど悪くない
視界の端に色を感じて
振り仰 ....
あの中学生の頃の
なめくじみたいな女は
弱い男を好きなふりをする
そして存分に楽しんだら
良い男と付き合う
弱い男は良い男にからかわれる
俺はあいつと付きあってるぞと
それを ....
かつて幼い女の子の髪を結んだリボン
うすももいろでつるりとしたサテンの手触り
持ち主をなくして
しょげかえっているかといえば
案外そうでもなくて
虹へ続く路を
しゅるっしゅるるる
先頭で ....
○「地球温暖化」
人間がいくら偉くなったといっても
雨が降るのをやめさせることはできない
風が吹くのをやめさせることはできない
相変わらず
ヒデリノナツハナミダヲナガシ
サムサノナツハ ....
母は とっても母である
家に虫がでれば 騒ぎながらも冷静で
しかしスプレーが見つからないと慌てていた
ある時
アシダカグモが 卵を抱えて現れた
「ぎゃ」といいつつ 母 ....
橋は爆破された
ただの子競り合いだと
ささいなことだと言う
生まれてきて生きて
そして死ぬ
やせ細るまで続くはずの
一本の糸が
ふいに断ち切られる
何本 ....
今日もいい天気だが
銃声が煩い
早く来過ぎた春に
冬眠していた生き物も目覚めが悪い
あたりまえと思っていたことはもう古い
アスファルトの下に歴史が埋まっている
ぼくは小走りに通り過ぎる
花言葉は骨董品の、
作者不明の〝まだき〟にあるらしく
水平線のたまり場で
流行らないアドリブを繰り返す
やさしさレモンシトロンと
素材の文庫本をひらいた
『またね、けなげな ....
お気に入りのコンバース
とうとう底が抜けちゃったな
くるぶしがぬるりとつめたくて
出来たての靴擦れを二月の風が撫でて過ぎる
お気に入りのスニーカー
ぼろぼろになっても一緒に歩いて行きたかった ....
あちこちでびん笛がはじまる
うち幾人かは胴をうまく叩いている 薄暮
目は子ども時分からよくない
たくさん撲たれてきたからさ
と、隣のじいさんが笑った
にごった水晶の弛みや
かわるが ....
○「生きるってこと」
生きるってことは
死へ向かうということである
人間は
死に向かって生きているのだ
○「妬み」
妬みは
知らない間に買うから
こわい!
健康自慢
孫自慢
....
一日中、降っては止みを繰り返した雨に濡れた街が、僅かな街灯の明かりに照らされて終末のようだ、新しい靴のソールは穴だらけの歩道の水溜りを完全に拒んだ、俺はそれをいい兆候だと感じていたんだ、風が弄るみ ....
真実は近付かず
近付き表せば嘘になり
無力感に打ちのめされ
諦念と哀しみ抱き
ながら
魂の塔を昇る、登り続ける
ふぅと息つき聴き入れば
仄白き声のヒビキ無限
内なる祭壇を打 ....
うつろ灰色の翳に高尚なまん月がまろびでる
象牙すすけた草原のときは、まだまだ みちなかば
いっそう留めた錯覚を立ちのぼらせつつ嫌がりました
ふとあなたは、という穏やかさだけで
ただ顔を曇ら ....
○「体の病気」
病気になると
心も折れてしまいそう
病気の力はハリケーン以上
パラリンピックの選手のように
体は不自由でも心は闘志満々ならよいが
病気になると
心も折れてしまいそう
心 ....
首の後ろ辺りから
広がっていく空白と
瞼の裏を掠め過ぎる
拳の記憶
喜びを道連れにして
悲しみが死んでいく
心が死を擬態するのは、宿主へのいたわり
仕組まれた機構に過ぎないと ....
帆布を揚げて
ヨーソロー!
船長は高らかに叫んだ
目指す宝の島は
オレの背中の地図に描かれている
酔えば赤く浮き出て航路を示す
ラム酒を飲み放題という条件で
航海に行く契約書を交 ....
どうして
こんなに平穏なのか
冥土へと導く と信じられたホトトギスも
いまは五月の鳥
森を抜け
砂の砦みたいな監的哨跡にのぼって
海のまえに出ると
もう詩に出会った気がした
壁 ....
きみに死んだ弟をあげるよ。
もうじき死ぬんだ。
そしたら{ルビ暴=ほたえ}たりしないからね。
もう駄々をこねたりなんかしないからね。
手間のかかんない
とってもいい子になるんだ。
....
陽が昇るのを待って 僕らはあてもなく電車に乗った
まだ人気はなく静かで ただやわらかい朝陽だけが車内を包み込んでいた
僕らは互いに黙って 流れていく景色を呆然と眺めていた
この景色の ....
100年後の未来
親にひどい目に遭わされてる子どもはいなくなっているだろうか
あいつ気に入らないからと ひどいいじめを受けてる子どもはいなくなっているだろうか
子どもにひどいことをしているこ ....
追究1
何をそんなに人の事を攻撃するのか?
性欲、または本人は気づいておらず欲求不満
上層部へ密告、
追究2
なぜ自分ばかりみんな攻撃するのか?
股間がだらしない奴が一方的な恨み
上層部 ....
早春、きみは少女、
入学式を前に、いちはやく試着して、
歓びまわっている、
三月のセーラー服の少女、
早春、きみはあるいは、その少女の制服の下で、
日に日に成長してゆくような、
ま ....
これから星めぐりのしらべはもっとよくなることだろう、
それよりもすばらしいのはわたしのなきがらが蟻にはこばれること
そこでながされる血は路ぼうのおくちをたびするだろう、
はじめて ....
心が折れても
身体はまっすぐに
涙が枯れても
想いは残る
今日が終わっても
明日がある
私が死んでも
この峠の一部になれたら
きっと、深く眠れる
死んだことも忘れるくらい
安らかに
四季に逆らわず
空を巡る風
淀みに濁らず
海に還る水
峠の道を私は歩く
積んでは崩すを
....
句読点をつけずに
日々を綴る
嘘をトリミングして
真を気取る
可愛い思い込みを
行間に吹き込む
縦に横に伸びていく
この文字列を何て呼んだらいいんですか?
私は
....
飲み会に出るために
クルマを置いて地元のバス亭に向かった
停留所まであと2分という所で
バスが発車時間2分前に出て行った
バスはフライングした
地元民は律儀なので
時間前に並んでいるか ....
あ
い
す
る
私
・
闇は 冴えかえり
きれいな
真っ黒をしていて
小鬼が小さく ぁ
と鳴いた
・
しん
と
闇に光は
ともる
私のこころ
・
....
天空の彼方から銅鑼の音が響き
東の風とともに
青い龍が螺旋を描き
舞い飛んできた
干からびた大地に
人々は飢え
龍を待ち望んでいた
鉛色の厚い雲が湧き立ち
雷鳴は轟き
銀の雨が降る
....
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