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日光を反射した光は
触れようにも
手の中に収まりはしない。
触れようとした途端に
手の甲に滑って流れてしまうから
私が触れようとしてることさえ
太陽の子どもは
気付いていないよう ....
甘利も絵音もSMAPも
ベッキーひとりに何やられてんだ
ひとの切実を許すほど
みんなお人好しじゃなかった
三度の飯のひとつでも抜けば
哀しいことに腹が減るのだよ
....
言葉はいつも裏切るから
唇をあわせて
せめて、ぬくもりをちょうだい
あなたが笑っている
あの頃とちっとも変わらない笑顔で
透明な手が拍手している
わたしの胸が温かくなる
あなたが俯いている
心無い言葉の礫に打ちひしがれて
透明な手が拒んでいる
わ ....
吐く息で散り
舞う 雪の朝に
傷口のファスナーは下ろしたまま
眼差す問いが鷲づかみにした
瞑る心臓 跳ねる魚
口いっぱいに頬張って
ダシテ マタ クリカエシテ
僕は確実にろうそくより青 ....
呼ぶ声の向こう側には
私はいない。
呼ぶ声の内側に私がいる。
声の内側は、
鮮やかな肉で、
血を吹きながら擦りきれている。
擦りきれた肉の隙間に入る風は、
冷たく心地よい。
無関 ....
ドロリ
ケーブルの中 濃密なインクが運ばれてゆく
末端で待ち受ける 退屈なひとたち 忙しいひとたち
虚無となれ合うための儀式
みんなハイになってる
眠れない 闇の一隅
不思議な薬が ....
キラキラの太陽の下 粒粒のサンゴ 咲いた
首飾りにするには ちょっと遅いね 君が言った
首元が 心許ないからなのか
その筋を 隠せるのかと 画策したのに
徒労に終わる
もう一 ....
背の高い男でした
私を食べたのは
盗まれたもの
はありません
私は私の肉体を
返却
します
借用証明書
は
捨てました
今度は
誰を
レンタルしようかしら
プライスカード ....
160128
鬼の豆は大豆である
ダイズを焙烙で炒って
少し焦げ目が出来たかなと
感じた頃合いに火から下ろす
こりこりしてとても美味しい
鬼に食わすなんてもっ ....
勝てない
その勝負には勝てない
自分より劣っているから安らぐ
その気持ちには勝てない
劣っている人に寄り添って
生意気な態度を取られて腹立たしく思っても
やっぱり劣っているから
泣 ....
帰り道
どこもかしこも冬の空気で
しんとした夜のそらに
ぽっかり月が浮かんでいた
北風の冷気が全身を刺す
爪先はもう完全に冷え切っている
死んでしまったのではないか
と思うく ....
いつもくりかえす
ディンディンダンダンディンディンダン
いつもくりかえして
終点はどこにもない
ある日とつぜん断ち切られ
カット・アウト、はい、おしまい、ご愁傷さま
晴れた空をまっぷた ....
希望を乗せて放り上げられた球は
回転しながら
高く 上がり
ゆっ くりと
静・止
落・下 す る
引力に負けてあえなく
抱かれてしまう
理想・思想・夢想
小さな ....
ぶち殺す、ぶち殺す
あっ、吉田さんちのおばさんだ
「こんにちは!」
「あら、清介くん、お久しぶり
元気にして・・・、ウギャー!」
はい、一丁上がり
ぶち殺す、ぶち殺す
あっ、 ....
振り返れば今まで
止めを刺さないできた
いくら憎くても
止めを刺さないできた
その割りには
止めを刺されてきた
自然からも人からも
立ち上がる度に
強くなった俺もいる
で我思う
止 ....
戻りたいかと聞かれれば
大して戻りたくもないが
あの頃の私は
非常に無垢で痛々しく
真っ直ぐに生きていたな、と
ふと思い出した
あの頃は
『好き』という感情に敏感で
勉強そ ....
僕の朝は米研ぎから始まる
米袋から米粒を五握り深鍋に
シャッ シャッ シャッと開けていく
冷蔵庫から前夜冷やしておいたペットボトルの冷水を取り出し
米粒で満たされた深鍋に注ぎ込む
手の平 ....
淀みの中に心臓をふかく落としてしまった
不確実な手放しの感触と
俯角の鈍さに たゆたいながら
海水面ではずっと光が音を奏でていたのだ
遠い太陽には眩しい響きが共鳴していて
届かない明るい ....
160126
キタキツネの缶詰ならいくらでもあるよ!
私は声を張り上げる
新鮮でぴちぴちした若い雌の肉だよ
いつか来た道を馬車で運ぶ
淑やかな女性の胸にも
キタキ ....
冷たい手
あたい、冷え性だから
温めてやるさ、ずっと、ずっと、
指先が触れる。
指先が動く。
私の一日がはじまる。
ことばを書くことは、
身体の一部のようなもの。
私がそっと、
何かの気配や、
匂いを感じただけで、
そこからもう、
物語がはじま ....
風が大河のように重い土地で
腰を落とし 捻じれて育った
樹は 首を傾げ 雲を聞いている
節くれだった片目で
ヒレンジャクたちのお喋りに
口をはさむでもなく
遥かな海や
見渡す限りの黄金の ....
160123
ラジオは浄瑠璃の義太夫節を鳴らしている
声は無いから三味線だけだ
第一放送は「今日の短歌」読者投稿に選者が好意的な評をつけ、相づちを打つコンビを組 ....
器官の短詩(四作)
目
畑に落ちた目は農薬まみれ
瞬きをひとつして
流す涙
バブル経済でも畑には朝露(ほうせき)
ひかりと温もり、太陽が
労働の背中を見つめていた
....
http://golconda.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=5297070#11473220
即興で詩を書くサイト 即興ゴルコンダ仮の今回の御題は【はなして】です。
みな ....
眠れない夜が不気味に笑っている
私は部屋の隅にあった、
鍵穴のような小さな穴を覗く。
ぐりぐりぐりぐり、
視線の針先が穴をまさぐる。
私はその触覚が擦れあう音のような、
快感に歓喜する。
ぐりぐりぐりぐり、 ....
鋳掛屋は大阪付近では昭和40年代まで見かけたのだとネットには書いてある。西暦に直せば1965年から70年くらいの期間、日本国が美しい国から、あまり美しくない、やけに忙しく伝統を捨てて、国土開発の名の破 ....
ぬるいまどろみのなかでみた
せつなの夢の裾の感触が、
この指に絡みついてはなれない。
けれど、
ひとつの、
拭いきれない痛みがある。
痛みはこの胸を貫こうとするが、
せりあがる熱に溶かさ ....
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