すべてのおすすめ
全てのものから逃げ出したくて
自分の住んでいる街を抜け出し
私は走り続け自分自身からも逃げていた
逃げた先には何もなく
心もなく自分だけがここにいる
心は遠くに行けるのに
体だけどこへも行 ....
あの頃筆先に染み込ませていた色は
朽ちて色褪せて
もう何色だったのか
全く思いだせない
でも筆先に染み込ませたという記憶は鮮明にある
その行為は
十数年後の私を救ってくれる
くちばしを失くした鳥が
空を叩かなくなったから
こんなにも暗い世界なんだ
会いたい人はもういない
欲しいものはきっと売っていない
あの街ではぐれた心と
似たような色の
ミルクティ ....
When swimming, though crying but nobody notice of it
{引用=泳いでいるときは泣いていても誰もわからない}
That's the same ....
{引用=二人の旅行}
迷い込んだ蝶が鍵盤にとまった
ゆっくり開いて
ゆっくり閉じて
あなたは水へと変わり
音楽は彫像となって影を落とす
わたしは感覚と記憶
去るものと共に流れていった
....
新型コロナ感染で
亡くなった方が
昨日までで14315人いらっしゃる
首相や知事の記者会見などでは
まず黙祷から始めるべきではないだろうか
国民の命を軽視しているような気がしてならない
オ ....
枕投げをやっていると
時折弓が返って来る
ジニーの世界だ
ビルがハーモニーを奏でていた
ルビーの指輪を歌ってから
再び枕を投げると
今度は虚無が返って来た
壁にビールを塗っていると
風 ....
多かれ少なかれ 理解されないのは相手のせいだと思ってる
それでもいいよ そんな言葉を待っている
私はいつもたいしたことなくて
根拠なくお呼びがかかるのを待っている
さよならヤーヤボール ....
月並みな幸福も
月並みな不幸も
みんなは興味がないから
今日も話を盛る
月並みな嘘なら
誰にもばれないからいいさ
みんなは会釈して
わたしを見守ってくれている
そのうちに味 ....
目的地が設定されました
音声案内を開始します
目的地まで真っ直ぐ伸びるこの道
ニ番目の交差点
その手前にある空き地に入ります
空き地の裏には森が広がっているので
標のない獣道を
....
サカガミが猶予はないと言うのだった
彼はいつも唐突な喋り方をした
そして黙るので沈黙を料理しそこねた我々はつらい気持ちになるのだった
サカガミの母親は彼を随分と気に入っていて
息子なのにさ ....
信じてほしいなら
君から私を信じて
いくら利用されたって
私を信じ抜いて
まずはそこから
まことしやかな雑念も
ふざけたニュースも
アンテナが避けて行くから
気づい ....
テレワークの推進で、
在宅が増え、残業が全くなくなり、
水曜日と金曜日が定時退社日なので、
帰りに映画館に行く。
本末転倒なのかもしれないが、
政権のやってることだって全て本末転倒な ....
驚いた!
ただただ驚いた
半世紀も前のレンズたちが
突然に
狂ったように
値上がりしていた
久しぶりに
中古市場をのぞいてみたら
値段のケタが
1つ違っている ....
離島に夏がくる
隣の猫は人間になりかかってきた
この忌まわしい季節には
神経節細胞の痛みだけが秩序ある情報なのだ
ぼくの離島は温存されて
真夜中に大陸とひそかに交信する
部屋のAI ....
自分も離婚歴のある40過ぎの知人から
相談を受けた
親が熟年離婚を決意しているという
特に母親の決意が固いとのこと
父親が大分落ち込んでいるという
田舎でも熟年離婚かあ!と思った
父親は僕 ....
二〇一六年九月一日 「断酒」
FBで、しじゅう poke される方がいらっしゃるのだけれど、正直、返事が面倒。すてきな方なので、「poke やめて」と言えないから言わないけど。
9 ....
回転体のオブジェの間を潜り抜けて、濃紺の闇の中で和音の乱れた子守唄を聞いた、心の中に忍び込んだそいつらの感触は夕暮れに似ていて、ノスタルジーは現在と比べられた途端に苛立ちへと変わる、犬のように牙を剥き ....
50年ぶりの高校の学年同窓会に出かけた
お互いの顔を見て
「老けたねえ!」
と言い合っていた
見たことあるけど名前を思い出さない男の同級生が
近づいてきて
「久しぶりだねえー奥さん元気?」 ....
防災倉庫が物憂げに佇んでいる
足元には雑草、お前はだれだ
晴れやかな青空が枠にちいさく
囚われた
お前はだれだ、苔むした
ブロック屏は四面四角だ
囚われた、とり忘れた箱
囚わ ....
死んでいても良いよ
でもそれに飽きたら生きてみれば良い
なんで裸足で水溜りの路を歩くの
気持ち良いからだろ
馬鹿
○「今の世の中に足りないもの」
今の世の中に足りないものは
「話し合い」ではないだろうか
家庭での話し合い 足りない
学校での話し合い 足りない
地域での話し合い 足りない
職場での話 ....
優しく意識が広がるから
道行く人の顔は微笑む
光の夏が近づいて
揺れる青空は遥か霞み
優しく意識が溶けるから
見慣れた街は異郷となる
○「生きる意味」
生きる意味は
あるものではなく
各自自分で創りだすもの
あらかじめ答えが用意されている
学校のテストとは違う
○「学校」
学校というところは
知識や技術は教えるが ....
その夜私は心地良さに誘われ近くの公園をぶらついた
二十歳になったばかりだった
奥まった先のベンチには品の良い老人がひとり
横に立つ街灯の光に暗闇からほんのり浮かんでいる
よく見ると少し ....
最近の扇風機は
とても安い
もう一台あってもいいかな
と思って買った
電源を入れてみて
風量が少ないと感じ
3段階あるなかの
最高にしても
音がうるさい割に
風量はそ ....
だれにだって好もしいものはある
それをつまんでちっちゃな卓に載せ
しげしげと眺めてみればいい
むこうだっておんなじことをするだろう
そのとき
好もしいものをえらぶとき
虚飾は無しだ
....
機械に使われる時代が来ている
スーパーの自動精算機の
「お金を投入してください」の声は
何度聞いてもいい気はしない
言葉は若い女性の丁寧な声だが
どこか突き放したような強制的な響きがする
....
医者よりもベテラン看護婦の方が
よく説明してくれる
足の裏のタコを削りながら
いろいろ教えてくれた
市販薬はやわらかくなるだけだから
削らないとよくなりませんよ
自分ではなかなか削れないと ....
六畳の寝室
手を伸ばせば届くはずなのに
銀河の端と端ほど
離れてしまったかのようだ
そうなると手を伸ばすことも億劫で
無言の背中を眺めるだけ
産まれた意味だとか生きる意味だとか
....
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