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つぎの約束をしよう


どんなに小さなことでもいい
それで明日が約束されるわけでも
約束が約束されるわけでもないけれど


つぎの約束をしよう


約束は絶対ではなくて
約束を ....
ありがとうと
一日に一度は言いたい

ありがとうと
誰かに言ってもらうためでなく

ありがとうと
自然に言える自分でいたい


   ※


きみがいつもと違う顔で教室にきた ....
台風何号かの接近を数えているうちに
夕暮れの窓から入り込んでくる
それはいつの間にかやってきた
秋の気配をはらむ風

誰かが、もう夏も終わりねと呟く前に
静かに後退してゆく日々を
僕は前 ....
建築現場の鉄骨が
空の重さに耐えている

(昼下がり)

子供たちがホースの水で虹をつくる
二階のベランダから身をのりだす猫
視線の先には鳥が羽をやすめている

建築現場では低いうな ....
もう
どうなってもいい
そう思ってすべてを投げ出して
捨てられるだけ捨てたはずなのに
どうしてこうしてまだ
立ち上がろうとする
背中に手をあてると
ごつごつとした
かたい骨の輪郭を
 ....
昨日のわたしを丁寧に埋葬する
それはやはりひとつの儀式として

今のわたしの内側には
そうやって埋葬されたいくつもの棺が
記憶と名付けられて並べられているのだ

さようなら、昨日や、あの ....
ある夜の夢の中
ぼくは一つの素晴らしい言葉を吹いた

それは宝石にたとえるならダイアモンドのようで
気分にたとえるならすがすがしい朝の目覚めで
まだ眠ってるどこかが新しく生まれたようだった
 ....
突然の悲しみに
わたしがあふれてしまうとき
目の前が真っ白になる

本当なら
そんな色の涙が流れてくれるはずなのに
わたしはわたしのわたしから
さずかったものは灰色の
透明とは遠い色の ....
娘が誕生日にプレゼントをくれた
そういえば
最近娘とは会話もしていなかった

細長い化粧箱

包装紙をやぶいて中を見ると
ドライバーが一本入っていた

私がそれを手にするのを確認する ....
風の始まりは
そんな熱の高まりからだと知っている

草笛を吹きながら
その始まりに立っている

(草原は静かに燃える)

気流に運ばれてゆく草の音は
枯れ色の野を赤く染めながら
や ....
言葉にならないものたちが
わたしのわたしをいっぱいにして
あふれるほどにふくらむと
のどの奥をつまらせる

やせ細ったからだみたいに
葉をおとした木の枝がゆれている
春は近いというけれど ....
「どこかにいきたい」と
ふいにあなたはいった

ぼくは
「どこにいきたいの」と
あたりまえのようにきいた

「やさしさのあるところ」と
さびしそうにあなたはいった

ぼくは
「こ ....
冬空の下で花の種をまく
乾燥して凍てついた大地に

ピリッとやぶいた袋の中には
同じように見えても違う一粒ずつの種が
寒さに震えるように寄り添っている

手のひらにひろげると
小さな風 ....
家族といっても母とふたり

小さな箱のような部屋を
小さく切り取ったテーブルに
向かい合うことは少ない

たとえば小さい頃は鍵っ子で
学校から帰っても一人
母は生きるために働くことに懸 ....
やさしさを込めたはずの言葉の前に
氷のように冷たい壁を感じるのは
わたしの中の本当だからです

どうしても感じずにはいられない
わたしの中の冷えきったもの
それが目の前に在るのです

 ....
波打ち際で
寄せ返す白線を
追いかけたり逃げたり

入るつもりもなかったのに
いつの間にか裸足になって冷たくて
まくったズボンが不意の波にずぶ濡れて
そういう夏を何度も繰り返していた
 ....
僕はそのままの姿勢でいたかった
分度器ではかったような角度をたもったまま
もう起き上がらないでいたかった

まっすぐでいることは
まるで奇跡のようです

光は希望のたとえとして瞳の水晶に ....
言葉よ、さようなら
わたしの中に、在ったものが
まったくちがう世界へ、ゆくのです

イメージや感情や
そういった、見えないものが
見えるようになって、現れるのです

意味を持たされても ....
あなたの癖は
テレビのリモコンを
上から順に押し続けること
次から次に変わる画面を見ていても
きっとつまらないだろうに
それでもあなたは
押し続ける

あきらめたように
最後のスイッ ....
陽だまりの光をあつめて
手のひらですくうようにしたら
伝わってくる温もりが
静かにあふれていた

あなたはいつも
そんな仕草を当たり前のように
僕に見せてくれる
見えないものを見えるよ ....
誰もいない教室は
おだやかな海のように静かで

窓から見える空は
泳げそうなほど広がっている

そこにはただ
さんさんと降りそそぐ光が
とっても小さな粒子になって踊り
いたるところで ....
梅雨の晴れ間に猫がひなたぼっこ

じめっとした空気の中で
さらっとした表情で
陽だまりの
あたたかい記憶を抱いて

梅雨の晴れ間に猫がひなたぼっこ

小さく動く前あしで
水のない空 ....
{引用=白と黒の間の色を
あなたは透明だと言う

僕はたぶん
灰色なんじゃないかと
だって透明は色として見えないし
白を透かせば白に見えて
黒を透かせば黒に見えるでしょ?って
言いたい ....
あなたの瞳にうつるものが
どんなにあなたを悲しくしているか
どれほど考えてもわかりません

あなたの背中がいったいなにを
どれだけ背負ってそんなにも
淋しく見えるのかわかりません

け ....
そこにあるものは
あまりに透明だったので
気づくことさえ難しかったのです

たとえば自然を書くことは簡単で
木や空や海を書けば良いのですが
それらをつなぐものを書くのは
たいへん難しいこ ....
姿の無いものの気配がする
ガラス戸が小さくカタカタといって
何処か遠くの出来事を伝えようとしているのか
本当のことは良くわからない

日常の大部分は
そうやって解体されることなく消化される ....
聞かせてください

そうは言っても
何も話さなくていいですから
声に出さなくていいですから
胸の奥で呼吸するみたいに
言葉を浮かべてください

生きていればあたりまえに
辛いことや悲 ....
{引用=姉の子供が遊びにくると
正直こわい

加減を知らない無邪気なキック
ちょうどみぞおちにくる頭突き
誰から教わったのか知らないが
姉の技に良く似ているのは確か

「遊 ....
{引用=何本かの鉛筆と
何本かのペンと
何冊かのノートや
散らかった書籍が在って
散らかった書きかけの物語のような
続き話が転がっているところに
書きたての新鮮な言葉が
跳ね回っているの ....
海のはなしをしよう
とりとめもないことでいい
海の青さや広さや深さ
どんなことでもいい
海のはなしをしよう
難しい言葉でなくていい
海の美しさや眩しさを
波のように繰り返しはなそう

 ....
kauzakさんのベンジャミンさんおすすめリスト(78)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
「つぎの約束をしよう」- ベンジャ ...自由詩10*13-4-2
「朝おきて鏡の前でつぶやくこと」- ベンジャ ...自由詩11*13-2-5
「ヒグラシが鳴いている」- ベンジャ ...自由詩512-8-26
「完成しない、今」- ベンジャ ...自由詩1012-6-21
「背骨」- ベンジャ ...自由詩412-6-12
「埋葬」- ベンジャ ...自由詩812-5-29
「夢落ち」- ベンジャ ...自由詩712-5-21
灰色の涙- ベンジャ ...自由詩211-4-13
娘からのプレゼント- ベンジャ ...自由詩5*11-4-8
「風の始まり」- ベンジャ ...自由詩311-3-19
「ときには鳥のように」- ベンジャ ...自由詩2*11-2-28
やさしさのあるところ- ベンジャ ...自由詩10*11-2-18
「冬空の下で花の種をまく」- ベンジャ ...自由詩3*11-2-3
家族の時間- ベンジャ ...自由詩9*10-11-22
氷のように冷たいもの- ベンジャ ...自由詩4*10-9-3
海へ行こうと思うとき- ベンジャ ...自由詩3*10-8-11
「屈折」- ベンジャ ...自由詩2*10-7-19
「言葉よ、さようなら」- ベンジャ ...自由詩5*10-7-11
スイッチ- ベンジャ ...自由詩5*10-7-6
手のひらの中の午後- ベンジャ ...自由詩8*10-7-3
夏の窓辺- ベンジャ ...自由詩2*10-6-27
梅雨の晴れ間に猫がひなたぼっこ- ベンジャ ...自由詩6*10-6-20
白と黒の調和- ベンジャ ...自由詩3*10-6-15
「湿度」- ベンジャ ...自由詩17*10-6-11
「恋と詩と」- ベンジャ ...自由詩2*10-6-9
「遠雷」- ベンジャ ...自由詩6*10-6-5
聞かせてください- ベンジャ ...自由詩2*10-5-29
いのちのリレー- ベンジャ ...自由詩4*10-5-25
書物の家- ベンジャ ...自由詩4*10-5-19
海のはなしをしよう- ベンジャ ...自由詩5*10-5-18

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