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高層ビルの一角に再現された空中庭園
そこに残ったのはサクラの樹一本
話が違う。
そこの地べたにはかつて公園があった。

今日(いま)
ベンチに腰掛ける老人はもういない。
ラジオ体操をする ....
酷い話だ
身内が横たわっていても
涙一つ出やしない

酷い話だ
悲しくならなければいけない
と自分で言い聞かせても
涙一つ出やしない

酷い話だ
死に顔をじっくり見ても
とて ....
レストランのウィンドウ越しに見える殺風景
横浜根岸の崖の上
そこから見下ろす港の様子
コンテナ船が往き来して、
その陸揚げ作業がのぞき見られる
行き交う大型コンテナトラック
夥しい数のコン ....
ざんどのしょりはすすんでいますか
じょせんのじっしはすすんでいますか

拝啓
最近とんとお話を聞かなくなりましたが、
ざんどさんお元気ですか
ほうしゃせんさんお元気ですか

東日本にば ....
累々とした屍を乗り越えて生還した父親達
遠く鴉が狙う死にかけた子供の抜け殻
栄養不良の子供たちの細い手を握りしめ
彼らは生きて行くことを決意した。
社会の再建、国家の再建を決意した。

国 ....
時報に電話する都会の昔の孤独を
歌った年老いたDylanは

顔も見ずに携帯画面で
交換される文字の羅列に生活する
今の孤独を知らない

声で発ッせられる言葉に
恐怖を感じる人の群れは ....
僕の時間の砂が
指の隙間から零(こぼ)れ落ちる
さらさらさらさらと
零(こぼ)れ落ちる。

そのまま風に吹かれて
失われてゆく
砂の想い出

人生の終わりまで
掴(つか)んでいたい ....
想像してごらん
額に猫を載せて歩いてゆく人を

想像してごらん
通りを横切る犬の大きな糞を

想像してごらん
派手なミニスカートをはいた金持ちの貴婦人を

想像してごらん
パレード ....
おまんま喰わせてあげると
嘘吐いて 漸く手に入れた
幸せの砂

砂の重みは一人分
風に吹かれてさらさらさらさら

綺麗なべべ着せてあげると
嘘吐いて 漸く手に入れた
幸せの砂

 ....
雨の降る隙間に
がんじ搦めの自分の昨日を見ながら
傘を差して歩いてゆく

良いことなど無く稼ぎは
全て税金か家賃
それと借金の返済
食事代など手元には残らず
それでも生きてゆける

 ....
フェンス越しに飛行場が見える道
直線一〇〇〇メートル疾走する車窓から飛行場を望む
さらにはるかかなた男体山と女体山の筑波山
ほかに前を遮る山も無く
秋には飛行場の薄の原
フェンス越しの軍隊が ....
未来世紀ブラジルだって、
物心ついたときから言われていたっけ
映像には黒いオルフェのモノクロ映画とSF映画
未来世紀ブラジルだって
子供の時から言われていたっけ
網膜には怪しげなコ ....
顔を切るような寒風の中、薄目を開け足元を見れば舗装されているが、罅割れの多い凸凹道を
前のめりと言えばかっこ良いが、吹き飛ばされないよう歯を食いしばって風の吹く方向に足を踏み出して歩いている。

 ....
いつまでも泣いたり笑ったり出来るよう
二人で一緒になったはずなのですが
歳月と私の怠惰のため
君の目許には苦労の色が溜まり続け
随分と皺が多くなっているようです。
それでもとても奇麗だと
 ....
金魚鉢に金魚
上から覗き込むと金魚
胸鰭を動かし
尾鰭を動かし
背鰭を動かし
何となく静止する金魚よ。

夏だけ生きている金魚
ほんの数リットルの水に漂う金魚
横から観ると大きく見え ....
風は丘を越えて吹いている
丘を覆い尽くす向日葵は
風に吹かれていくらか首を傾げ
黄色い丸顔を撫ぜる風

道の下は荒れ地
昔昔その昔
そこは大きな畑 だった
広大な綿花畑 だった
コッ ....
ピリピリとした緊張感
ジリジリとした外気圧
タラタラと落ちる
粘度の高い汗
ズブズブ沈み込む
液状化したアスファルト
ユラユラと揺らめく
水蒸気の先の遠景は
妖怪の吐く息 蜃気楼
 ....
うまれたときから もっている
だれでも みんなもっている
おおきなたま になるたねを
きみの ちいさなてのなかに
そっとにぎって あたためる

ほんとうに ちいさなこのたまは
すこしずつ ....
目の前にある一杯のぐい呑みに溢れた
桜政宗の燗酒をぐいと飲み干す

その傍らには酒の肴の赤身のマグロと
今日一日の痼(しこ)り
プルンと小鉢に鎮座して、
それを箸先で舐め
全てを忘れる切 ....
仕事帰りに街を歩けば
赤い灯青い灯夕闇を照らす。

裏通り馴染みの
一杯飲み屋に
そこに
今日を捨てに行く。

そこでぼくは
ひたすら喋りながら
呑み続ける。そしたら
なんだか偉 ....
錦糸町へ行かなくちゃ
錦糸町南口のエイコっていうスナックへね
あの子に逢いに
何!
好きなバーボンアンドソーダを飲みに行くばかりだけど

かわいいな
ほんとにかわいいな
汗に濡れた肌を ....
青空に大きなマルを書いてみた。
その中心に自分がいて
その周辺に家族がいて
ぽっかりとした雲には願いが乗って
ふわりふわりと流れて行く

野原に寝転び
雲を眺めていたら
悲しいことや
 ....
それは突然舞い降りてきた
何の前触れもなく歌もなく
楽しさの全てを食い尽くすため、
僕の身体に入り込んだ。
それは少しの疼痛で
全て揃った腰のパーツの
どこかにスーッと入り込み
きっとど ....
しっかり生きていこうと思ってはいたが、

うっかり長生きしすぎてしまったものだから
がっかりするようなことを沢山見てしまった。

うっかり長生きしすぎてしまったので
しっかりすることなく生 ....
黄色い壁伝い 石畳の路地
幅一メートルほどの狭い路地を歩き続ける。
どこまで行っても路地
何時になったら この路地抜けられるのか
少し、焦りながら歩いて行く

突然視界が開け
突然光が戻 ....
冬の凍てつく青空に
大きな大きな梯子掛け
雲一つ無い寂しい青空に
大きな大きな梯子を掛けて

与太郎 騒ぐは 梯子の終わり
とおく空には届かない。
梯子のてっぺん 高いとこ
それでも真 ....
年が改め 日常の
また、人との関わりで
いやでも心を開いてゆく


改めて心を開き
また心に思うところを語り、
心に暖かな気持ちを抱き
また今年も生きて行く


何度でも心を ....
先の見えないトンネルを抜けると
そこは渓谷に面した崖で
数十段の階段が川辺まで
雨で光り流れ危険な美しさを見せていた。
階段の先には
溶結凝灰岩(ようけつぎょうかいがんWelded tuff ....
冬の寒さに身を委ね
凍れる唇に物を言わせようと
北風の中歩き疲れて
坂道の途中

針の枝振りの銀杏並木を
ゆっくり北風に煽られながら
今年の冬も歩きづらく
また疲れて坂の途中

歩 ....
空に浮かんだ白い雲も
涙を抱えて浮かんでいるのですが
独りぽっちの時はじっとこらえて雲のまま
みんなが泣き出すまでは っと
涙を抱えて ぽっかりと

空を飛び回る鳥たちは
空を見ながら飛 ....
kauzakさんの……とある蛙さんおすすめリスト(104)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
跡地- ……とあ ...自由詩9*13-7-30
酷い話- ……とあ ...自由詩20*13-7-3
山手ドルフィン- ……とあ ...自由詩7*13-4-2
おてがみ- ……とあ ...自由詩10*13-3-11
荒れ地2- ……とあ ...自由詩8*13-2-4
スマ・ホ- ……とあ ...自由詩8*13-1-31
時間の砂- ……とあ ...自由詩18*12-12-19
想像してごらんイマジンをージョンの誕生日によせて- ……とあ ...自由詩18*12-10-10
砂の夢- ……とあ ...自由詩11*12-6-22
雨の憂鬱- ……とあ ...自由詩16*12-6-12
フェンス越しの関東平野二〇一二- ……とあ ...自由詩612-5-25
未来世紀ブラジル- ……とあ ...自由詩8+*12-1-8
道7- ……とあ ...自由詩6*11-10-30
約束- ……とあ ...自由詩19*11-9-5
金魚_パートⅠ- ……とあ ...自由詩14*11-7-25
上を向いて歩く- ……とあ ...自由詩8*11-7-23
外気圧- ……とあ ...自由詩1111-7-16
子守歌- ……とあ ...自由詩11*11-5-18
ぐい呑み- ……とあ ...自由詩17*11-5-10
酒呑み2- ……とあ ...自由詩16*11-4-30
蛙のバーボンブルース- ……とあ ...自由詩811-4-15
深呼吸- ……とあ ...自由詩9*11-4-10
ぎっくり腰- ……とあ ...自由詩8*11-3-3
惚け- ……とあ ...自由詩1311-2-16
路地2- ……とあ ...自由詩9*11-2-11
与太郎の空- ……とあ ...自由詩10*11-1-10
雪だるまの心- ……とあ ...自由詩7*11-1-3
飛沫- ……とあ ...自由詩7*11-1-1
老人と犬- ……とあ ...自由詩7*10-12-20
ぽっかりと- ……とあ ...自由詩9*10-12-19

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