夕闇が水面を眠らせる

山頂に並ぶ鉄塔が月輪を支えて

溜池の柵に突き刺さった雲影

何処へつづくのか知らない獣道を

あなたの手を引いて走った

互いの体温は確かなものだったけど ....
 焼死体が三つある
 引き出しの奥に腐ったオレンジが
 わたし
 湿り気のガラス窓で
 手を切る
 切ない気分でいる
 洗濯機の中
 誰も知らない命が
 無邪気に
 ....
ある日見た空に
飛行機雲が白くひかれていて
それが矢印のように思えました

きっとそんなところにもきっかけはあって
感じたままを力の向きに
見上げるその
角度にも
だから


  ....
醜いものを見てしまったので
わたしも醜くなるところだった
気がついてよかった

間違っていなかった
わたしは

帰り道
見えていたのは
あの現場
聞こえていたのは
あの言葉
何 ....
一歩一歩沈む
沈む
さ迷う森のあなたに
黒く湿った土が香り
白日夢の欠けた月が
まあるく青ざめて眠る

白む指先で
鼓動にふれる声が
ふるえて腐蝕へ沈む

をんなは
なぜか黙り ....
待ち合わせに遅れそうな時
メールひとつで済ませてしまう
嘘っぱちの言い訳も
おたがいの顔が見えないから
罪の意識を感じずに誤魔化せる


どこへ行ったか
寂しがり屋の待ちぼうけ

 ....
朝起きたと思ったら
(何かの声がしたような)
外は真ッ暗で
時刻を確かめる為に
(何か物音がしたような)
真ッ暗闇の階下へと

少年は降りていきました
夜闇の波に揺れて
わたしの海は広さをなくす


いったい何が不安なのかと
ひとつひとつ問いかけてくる波に
ひとつも答えることもなく


わたしはひとり揺れている


「あ」から ....
わたしのお腹
別の生き物

だって
鳴くから


わたしの意思を無視して
勝手に鳴く

泣きたいのは
こっちだ


静かな場所で鳴くな

情けない声で鳴くな

好き ....
お酒を飲むと
むかしは
食道から火がついたように流れ込み
身体じゅう燃えたようになったのに
いまは
まるで水のよう

そうやって
何杯もやっていると
目が回ってくる
すまし顔じゃい ....
   
   冬の空に
   オリオンが南中する頃
   ベテルギウスは涙を零して
   名前が呼ばれるのを待っている


   冬の空の、暗い、
   まるで何も存在しないかのように ....
たとえば
あなた宛てにメールを出して
それが
行方不明にならない
しあわせ

届ける
ことはできるんだ

つながってはいなくても
 

時折
いたずらな風 ....
彼らのこの一瞬は 灯火は
わたしたちの何年分なのだろうなど
小難しいことは皆かんがえるふり


わたしはわたしで
手をはなさぬよう 
刹那を噛み締めるよう
必死でした



ひ ....
ろうそくがゆれた
消えそうだったから
両手で壁をつくる
やっぱりあつくて
ひとみのかたちで
すこしはなすと
ろうそくがゆれた
消えそうだったから
両手で壁をつくる
やっぱりあつくて
 ....
こぼれなかった 涙のあと

かすれた声

裂けた音色

歪んだ夜から


この雑踏に似せた 朝にまぎれ
指を絡めてしまおう
駄々をこね泣き叫ぶ子どもの声に
不思議な感慨

そんなに大きな声で
我の欲求を叫べるなんて
呆れるような羨ましいような

私の幼い頃は
母の要求の声のほうが
大きくて強かったから
 ....
何時ものように口ずさんだ歌は
受けとめてくれるはずの
君の笑顔をすり抜け
秋の日の溜め息となる


少し言い過ぎたのかな
でも一度口にした言葉は
もう取り消せなくて
気まずい思いを残 ....
なつかしげに からまった
毛糸玉をほどけば
ふわふわと 手触り柔らかに
つながっている糸

すべてほどいてしまったら
もう一度 からまりあった玉に
丸めてゆきましょう

もう一度 ....
わたしの空より
青い青いその先に
あなたの見ている空がある


夏から二ヵ月毎のカレンダーを剥がして
こころの奥まで秋が染みた日


それぞれの手に触れる温もりは
少し哀しい距離感 ....
失恋の傷に追い討ち栗の毬


秋風の所為と言い張る君の嘘


秋ついりポチはハウスに引篭もり


月観れば腹を叩くか遠吠えか


天晴れと誉めてつかわす秋の空



 ....
薄暗い軒先で
植えてもいないのに咲いている
高貴とは程遠い
紫の嫌な匂いを放つ花を
じっと 見ていた



「毒に彩られた花やね。」と教えてくれた
少女の丸くかがんだ背中から
 ....
http://www.accuradio.com/

無料のネットラジオです。
ジャンルごとに分かれていて好きなジャンルを聴くことができます。
大ジャンルを選んだ後、小ジャンルを選びます。
 ....
金木犀の小花が
打ち明ける秘密を
直ちに忘れてしまってこそ空は
どこまでもひとつの
どこまでも青く澄み切った隙間です


衣服を自らほどいたわたしたち ....
(ここでは宇宙をスプと言います)
最前列右の左のスプを見た見たもの全て衛星で死亡



(ここでは宇宙をンと言います)
ンの声がロケット破壊しつくしてβ・γ線上の{ルビAir=アリア}
 ....
どういう
ことかしら
丸い物を転がすなんて
何も転がさなくっても
わたしは、ひとりよ
自転する内臓が
閃いて

新陳代謝している
ぷふ
それも
わたしの限界を

諦めず
つ ....
あなたが愛と呼ぶものの
正体がわからない
愛がなくても
たぶん
抱きあったりできる
でも
抱きあったりできない
場合もある
だからといって
愛していたり
することだってある

 ....
玄関のドアを開けたら
鈴虫がいた

小さい頃の歌 思い出す

リンリンリンリン リィンリン

鳴くのを待って
じっと見つめる

鳴かない
睨み合う

僕が負けて
歩き出す
 ....
光る携帯のディスプレイに突然
あたしは眩しい{ルビ太陽=ひ}の{ルビ下=した}にトリップ
懐かしい{ルビ声援=こえ}
 、と蝉の{ルビ音=ね}は

 何時だったろうか?
 何処だったろうか ....
太った男の人が
日向で陽の光を浴びて
まだ少しずつ
太っている
やがて坂道経由の犬がやって来て
すべてを食べてしまった

+

お座り、が得意な子でした
お手、もしたし
 ....
月と太陽


 
 どこで生まれたのとむすめに聞くと
 ここ、
 と指さすのは居間の床


 その居間で月見をする
 高窓から見える月を
 まっさきに見つける子どもたち
 私の ....
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