布の風が樹々を伝い
夜の空を見つめている
蜘蛛のかたちをした声が
枝をめぐり すれちがい
会話ではない会話を残し
夜の空を昇りゆく


雲に映る歪んだ輪から
光と言葉の鳥 ....
空のいろには 届くはずもなく
だからこそ
仕方のないほどに
空のいろを 
瞳に宿しながら
きりんは ゆっくり緑を{ルビ咀嚼=そしゃく}している

その
長い長い首の得る高さは
 ....
世界中のさざ波が
私に寄せてくる

さみしいです
さみしいです


私は
この場所からも動けずに

結局
生きることは
さざ波なのだ、と
私は思う

かなしいことも
 ....
駅前の商店街で産まれ育った
近くには八幡神社があって
お祭りの時には店の前の広い道路は
歩行者天国になった
ふだん車の往来が激しい道路を歩くと
何だかくすぐったい気持ちになって
誰 ....
この路地裏の
アスファルトのひび割れは
どこかの埠頭の 
それと 
似ている

相槌を打ってもらえる筈が
ここにあるのは
頬を刺す風



見上げる雲の隙間から
一筋の光が降 ....
いつもこの歌を唄う時
零れ落ちそうな涙をこらえ
腹の底から喉を震わせている

普段どうしようもなく卑屈で
人に気を遣えないだとか
寒い事しか言わないだとか

馬鹿と呼ばれながら生きて
 ....
夜は綻び
朝が死角からやって来る


陽射しが強くなれば
それだけ濃い影は出来て
ありふれた若さのなかに取り残したわたしと
残り時間を失ってゆくわたしが
背中合わせする毎日に
日 ....
いつものように
午後をあらいながら
うつむき加減に 軽く
雲行きを確かめる
それもまた いつもの事だけれど
その
始まりの日を憶えていない


寒暖の差を道として 風は渡る
よ ....
わたしとしては早く終わって欲しいのに
あなたはまるで厳粛な儀式に望む
いんちきくさい司祭のような面持ちで
わたしのかたちを確めてみたり
わたしの知らないかたちで動こうとする
ふだんと違う表情 ....
海鳴りは遥か遠くでさざめいて 
波間に浮かぶ言霊たちは 
いちばん美しい響きを求めて 
たがいに手を伸ばしあう 

砂浜に打ち上げられた巻き貝は 
もはや亡骸となり果てて 
右の耳に ....
舗装された過ぎた道路は西に伸びる
隠された向日葵の種は
次はいつ芽吹けばよいのかと
首をかしげ
夏は立ち尽くしている
都会育ちの猫は
酷い体臭を払い除けながら
夜を寝床として
彼の恋人 ....
さぁ これをあなたに

そういって
わたしにわたしてくれたものは

色のとどかぬキレイナかがみ

あかない闇がすすけてみえる
硝子のまんまのかがみをひとつ

粟立つような言葉と共に ....
空の水がみな注ぐ
水無月ならばこそ
ガクアジサイのぼんぼりに
青色 むらさき
灯りを点けて
こころの内を絵に描いてみる


哀しみ惑う雨模様は
霧雨に溶いた絵の具で
ぼんやり滲んで ....
ついに、越えていかれるのですね。


拝啓、海沿い、立ち並ぶ風車に。ごろんごろんと音をかき混ぜる大きな手に、何でもないことを、挨拶のように振舞うあなたに。ここを、越えていかれるのですね。知ってい ....
深い眼差しを、
赤く朝焼けした巨木におよがして、
動きだすふたりの直きせせらぎが、
ふくよかな森の奥行きを高めて。

始まりは、乾いた無音を燻らせる、
茫々とした朝霧を追い越して、
あさ ....
時間が、かたちになるとしたら
思うよりも綺麗に見えるかもしれない
夕日を右側に受けながら
止まった部屋が揺れた気がする

ほんの少しのリズムを
みんなが取り戻していく
いつかよりも欠けた ....
*翔る*

頭上の
ヘリコプターに向けて
大きく両腕を振る
「おーい」って叫んだ
何度も叫んだ
声だけが
翔けていく



*風*

自転車の
ペダルを漕ぐのも
間に合 ....
遠ざかる青いカンパスの咆哮が、
夜の鋭い視線に切り裂かれて、
街は、暗闇の静脈を流れるひかりのなかで、
厳かに再生されてゆく。
落下し続ける星座の森が、映し出されている、
高層ビルの滑らかな ....
どうやら朝を迎えたような気がする
朝の日差しに目覚める窓ひとつ無い部屋
暗闇に閉ざされたキューブとでも
例えられそうな この狭い部屋のなかで
確かに感じられるのは
未だ眠りから覚めぬあなたの ....
雨を待つ君

明日を待つ私

並んで
風に揺れる午後
雨の部屋に静かに崩れる砂の声に
それでも傘を差せずにいる
いつも狭い夕暮れだった
零れていくものといえば、僕らの影ばかり

当たり前なほどに
当たり前はなくて
二十年後の空の色よりは
 ....
絹のような 抗いがたい量感に
涙さえも濡れてゆく


霧とよぶには 重たく
雨とよぶには 軽く
そこはかとなく
命名を拒むような
その 結界に包まれて
記憶の軸も同様に
遠退い ....
ぐるぐる太陽の下、
ぼくたちは生まれて、
食べて寝て起きて、
また食べて、
生きて、
いる。

まいにちまいにち、
いつもまいにち。
食べて寝て起きて ....
「えくぼ」


六月の風にゆれる
さくらの葉っぱ。
よく見たら
ぽつぽつ 穴があいている。
虫に食べられてしまったのだろうか?

穴は どこかの虫の命を みたして
穴は みずみずし ....
空は虹色に溶け
得体の知れない甘さが
いちめんに薫り立つ夏のゆうぐれだ
長い夏のゆうぐれだ
君の記憶が
水のように透明に
けれど水よりも濃い密度で滴ってきて
それは容易く
私の現在を侵 ....
湿った闇に蛍ちかり
潤んだ夜に星ひかり

小指から糸を辿れば
丁度きみの背のあたり
絡んだ赤が花になる

   夏は夜

浴衣を着れば良かったと
木綿のシャツを少し恨んでみる
盆 ....
矢継ぎ早に
新月は降り注ぎ
縫い針がまたひとつ
遠雷に濡れている


吟醸の名を濁さぬ盆は
薬指だけの浸りに あかるい焔を映し
無言の岸辺を満たすのは
衣擦れの波
鈴なりの
 ....
しずくのことは
一輪、
二輪、と数えあげたく
青空ならば頷いてくれるだろうか と
躍らせた髪


真昼の月の通い路と
銀色乗せた浅瀬の流れは
中空で いま
十字を結ぶ

か ....
鍵を掛けたかどうかを忘れて
それでもここまで来てしまった
世界の青は静かに落下して
戻れない道の重なりにいる

昔の話をしようか
言葉でしか帰れない、場所がある
こんなにも遠い西の果てで ....
昨日チャットしながら書けない理由について考えていた。書けない理由は明白だ。書くと誰かを傷つける気がして怖くて、それで書けないんである。しかし何を書いても誰かを傷つける恐れは常にあり、単なる冗談書いても ....
たりぽん(大理 奔)さんのおすすめリスト(4281)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ひびき_ひびき- 木立 悟自由詩1206-6-23
きりん- 千波 一 ...自由詩13*06-6-23
さざ波- umineko未詩・独白6*06-6-23
赤い自転車- たもつ自由詩1306-6-22
ノスタルジア- 千波 一 ...自由詩32*06-6-22
大切な歌- 松本 卓 ...自由詩2*06-6-22
きみの名を呼ぶ- 銀猫自由詩18*06-6-21
ネイビー・ストーン- 千波 一 ...自由詩16*06-6-21
可愛い女- 恋月 ぴ ...自由詩30*06-6-21
潮騒を聴く- 落合朱美自由詩3106-6-21
初夏- .自由詩806-6-21
無色の鏡像- かぜきり自由詩206-6-20
夢紫陽花- 銀猫自由詩13*06-6-19
good-bye_circle- 霜天自由詩806-6-19
森の序章——デッサン- 前田ふむ ...自由詩16*06-6-19
メトロノーム- 霜天自由詩906-6-17
少年時代- LEO自由詩19*06-6-16
いのちのいる場所- 前田ふむ ...自由詩16+*06-6-16
Morning_Blue- 恋月 ぴ ...自由詩17*06-6-16
待ち合わせ- LEO携帯写真+ ...18*06-6-15
蒸留水- 霜天自由詩706-6-15
霧雨- 千波 一 ...自由詩12*06-6-14
「_ナパパホパパ・ヘパ・ウパパヤ。_」- PULL.自由詩12*06-6-14
なにもないうた。- まほし自由詩48*06-6-14
夏の場所- 塔野夏子自由詩21*06-6-13
- 銀猫自由詩15*06-6-13
占星術- 千波 一 ...自由詩13*06-6-13
桜残照- 千波 一 ...自由詩19*06-6-12
碧落- 霜天自由詩706-6-12
書けない理由(mixiより転載)- 佐々宝砂散文(批評 ...9*06-6-10

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