数ある千手観音の手の中で一本の薄暗いそれが
私に電話番号を渡してくる
いにしえの森から現代の迷路へ
情報を揺さぶり動かすのは今も昔も恋のひらめきであった
艶かしい顔と肢体、狂気のような ....
流れる水辺にあって、冬の光が
点っている。てらてらとここは
静か。見えないものに、触れた
ことのない。めくらの。薄く紅
挿す頬のあどけない。水掻きの
広く、長い指の掬えない。指間
指間から ....
{引用=
  傑作

 これ若い人の詩だが
 ワカランから
 傑作なんだろうが
 でもワカラン
 ということがワカルから
 大傑作とまでは
 いかんのだろうよ
 見ても見えんでも
 ....
 
つたわらないのは
ことばなの
あるいはぼくの
そんざいなの

あなたは
残り香になって
いつもここからいなくなる

この初雪みたいに
かたちもなくとけてゆく
てのひらのなか ....
秋晴れの空に向かって窓が開いている。本棚ばかり大きい部屋には姉と妹。
妹は死んだ小説家の本を取り出しては「これは手」「これは肺」「これはくるぶし」と姉に教える。小説家は自らの身体と臓器をそっくり文字 ....
私の右頬には
すぅっと一本の線があります

おさないころ
北海道でも有数の豪雪地帯に住んでいたころ
いつものように、母は
空とも陸ともつかない厄介な白と闘っていました、必須アイテムは
鉄 ....
                081118



古い真空管式ラジオを手に入れた
安物の普及品だ
ピーピーギャーギャー
ごそごそ弄っているうちにだんだんと
成長するように音が出る ....
練炭の透明なガスの匂い

寒い空が風のように

つかみどころなく暖まる


定食屋は悲しい

女を食わす

このオレが悲しいのだ


練炭の透明なガスの匂い

寒い空が ....
咳がふたつ
階段を上ってきた
夜の真ん中で
ぽつり
行き場を失ったそれは
猫の眠りさえ奪わず
突き当たった扉の
その向こうで
遠慮がちに消えていく
八十年余りを働いた生命 ....

空が晴れていると
どこへ行ってもいいような気がして
ふらふらと遠出をしてしまいたくなる
そんな時はスーパーへ行って
掌にちょうどおさまるくらいの大きさの
果物をふたつ買って帰る
右と ....
キャベツにニキビができていた
このチャーハンおいしいね。

それはよくはれた日
いつだってぼくらは
そんな気分でもないから
ポテチをたべ
映画をみて
うすシオの
クチビルをなめ
つ ....
 書くことが多すぎて彼女は手帳を黒く塗り潰してしまっている。目の前で起きていることを記さなければならないという気持ちに突き動かされて、あるがままをあるがままに写し取ろうとし過ぎている。対象に目を奪 .... 止まろうとは思っているんですけど
転がってしょうがないんです

全てを蹴散らす感覚と
響き渡る快音
生きている
と思える瞬間です

そして自分が闇に飲まれ
再生されるべく送られる時間 ....
片方の翼の折れた失速を
取り戻すまで我生きるなり


置いてゆく荷物の重さは測らない
翼の先を大事に繕う

夜の風 羽根のひとひらも凍みてゆく
翼よ向こうに朝が待つ

失っ ....
とりとめもなく書いてみようと思うのは、ポエムについて、ということは同時に詩について、ということです。

すこしだけふれておきたいのは、たまに、ポエムはだめで現代詩はいいとか、その逆とか、そうした話 ....
狭いベランダで
室外機に挟まれ
見上げる空は
今日も薄灰色
夏のあいだ、
日除けに育てた苦瓜が
絡んでいたネット
くもの巣のかよわさで
ふぅわ
ふぅわ
揺れているのか
しがみ ....
カレンダーをめくると
またひとつ昨日がふえる
そうして明日が
ひとつ減る


わたしに数えられる
昨日と明日には
限りがある

なぜならわたしは
消えていくから


こ ....
孤独は ビタミン
孤独は 存在
孤独は 原子核

私の小さなマイナスを あなたの周りへと投げる
電子のひと粒で

私たちはつながっている
ように見える

私たちは触れあっている
 ....
身のまわりの色彩が不思議と淡くなる夜
胸のうちに浮かぶ
いくつかの
花の名

鍵盤をやわらかに歌わせる指たちの幻

夢のうちを
あるいは予感のうちを
あえかにかすめていった 星のよう ....
雲がのびてゆく
編み目を広げて

ただの雲と思うなよ
まだまだ空は広いから

犬の甘え鳴きが
のびきってほどける日を
知らせようとしている
みどりという代名詞がふさわしい存在していたかつてその

呼び名をあたえられず
最後まで呼ばれなかったこのゆくくらがり

せめて歌なりと
なりとなりと
しんと音となり

ししん ししん ....
「詩人不在証明」

不在を、証明せよ、と、書き殴られた、黒板、放課後、幾つめかの、チャイム、掃除用具入れの、造形美、誰もいない、教室の、大気。


足元から伸びる影を追いかける、ような、 ....
電車娘がやってきた
今日も朝から大股歩き
黄色い線は彼女の勇気 
白い破線は彼女の正義
派手な格好で颯爽と
そんな彼女にみんなは釘付け

電車娘がやってきた
いつも手ぶらで乗ってくる
 ....
 型が良い
 生きが良い
 新鮮な奴を
 
 タタキにする愚か者
 
 一刺し一刺し
 心をこめて
 
 ただただ
 
 切って出せ 

 
 
 
ひらがな階段をのぼる子は
おとな、がそっと
支えましょう

大きな人、では
なんだかつぶれてしまいそう

それに
大きな人、など
めったにいらっしゃらないと
思われますので ....
目覚めると泣いている
車窓を過ぎる色の落ちた看板
路地裏のひまわり
僕が僕から立ち去ろうとして
ふと吹き込むふるさとがある

立ち枯れた楓の根元にしゃがみこみ
裾を引くふるさと
囲炉裏 ....
 
満月が
おおきくくちを開けて
新月になる
夜空をひとつ
噛み終えるまで

いくつもの時を食べつくし
それでもなお
夜はおとずれる

無数の星は彼らの目だ
今日もどこかで
 ....
ためらいがちな足音に
黒猫がライ麦畑を
横切るかと思えば
午睡となりました

その下を駆け抜ける
セピアというべき
むぎわらぼうし

遠い夏の風景と
すでにその風景の中 ....
               081103

冗長度の高い黒髪を梳かすときに
クロネコの背中が見えた
クロネコは背中を丸め
3メートル前を走ってゆく
大馬力のハーレーだから
 ....
言葉がまといつく
言葉がからみつく
私の皮膚に型がつくほど

言葉にしぼられて
肉がはみ出て
ちぎれ飛ぶ
飛んで飛んで全部宇宙へ

あとに残された
私の骨と言葉が
もつれ合い
 ....
たりぽん(大理 奔)さんのおすすめリスト(4281)
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針と糸- ヨルノテ ...自由詩2*08-11-22
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見ても見えんでもナンニモナイ_〜まどみちお「傑作」(『うふふ ...- 白井明大散文(批評 ...7+*08-11-21
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並四ラジオ改- あおば自由詩7*08-11-19
ソウルの定食屋- 吉岡ペペ ...自由詩308-11-18
グリーン・アイズ- 銀猫自由詩17*08-11-18
スーパーにて- 吉田ぐん ...自由詩3808-11-17
キャベツ- さわ田マ ...自由詩708-11-17
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何度でも- 木葉 揺自由詩2*08-11-14
翼よ、青に向け- 銀猫短歌9*08-11-14
ポエムのこと- 白井明大散文(批評 ...25+*08-11-13
くもりの日- 銀猫自由詩5*08-11-11
蠍座カレンダー- 千波 一 ...自由詩8*08-11-10
イオニア- umineko自由詩13*08-11-9
ひそやかに- 塔野夏子自由詩9*08-11-9
とどくまで- 木葉 揺自由詩7*08-11-8
みどりという代名詞- ふるる自由詩4*08-11-7
「詩人不在証明」- rabbitfighte ...自由詩14*08-11-6
【電車娘】- つむじま ...自由詩5*08-11-5
あじ- あさごは ...自由詩5*08-11-5
ひらがな階段- 千波 一 ...自由詩4*08-11-4
目覚めると- オイタル自由詩3*08-11-4
夜を噛む- 小川 葉自由詩8*08-11-4
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仮名書き- あおば自由詩5*08-11-3
ギスギス- 木葉 揺自由詩2*08-11-3

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