かつて高貴なひとびとは
憂き世離れた恋に身をやつし
夜空を見上げては月に思い寄せ
浜辺を見やっては海に思い投げ
紫の綺羅 星のごとく

そのころ私のご先祖さまは
きっと真っ黒けに日焼けし ....
さあ、消えていこう


ほんの少しの朝食を
僕と君とで分け合ってから
いつもの通りに鍵を閉めて、出かける
いなくなるという夢を見た
そう伝えると
青色の封筒を渡されて
そこだけは、確 ....
投げ網のようなものを
過敏に かわしている
どこへも組織されないから
居場所をもたぬ そういう
たましいの 種類である 
一日の仕事を終えて 
日誌のコピーをシュレッダーにかける 

箱の中に吸い込まれてゆく紙 
粉々になってゆく一日 
見下ろす私の影 

産声を上げた日から今日迄の 
私の年譜をシュレッ ....
雷鳴に少し怯えて
ようやく雨が遠ざかると
いつしか黄身色の月が
丸く夏の宵を告げる

湿度が首筋に貼りついて
ついさっき流れた汗を思う

狡猾な二本の腕を
互いの背に回して
策略の ....
肌の全部が
湿った薄い膜で被われて
少しの息苦しさで
満ちている午後

畳の跡がついてしまうかしら
そう思いながらも
まるで猫の昼寝の如く
時折どこからか吹いてくる風で
意識を保って ....
N・Kに





魚がいる
魚についばまれている
ちいさな
魚たちに

僕は部屋 ....
暑い日だった


目覚めのベッドは僕のにおいで湿ってた


喉がカラカラだった

コップの水をかるく舐めたら

少し、ぬるい



鏡に映るはだかのおとこ


汗 ....
知ってる
きみが「信じて」と言う時は
訳もなく泣きそうな時だってこと
微笑みかけて髪をなぜれば
ほら、もうどうだっていいだろ
此処には真実なんて無いんだから

あの丘に埋められた死体には ....
 
 誘惑の小波が揺れる
 今日も行く孤独な魂抱えながら
 時の鐘が鳴り
 天使の歌声が天空を揺るがす

 見たこともない
 逢った事も無い

 蜃気楼の先に浮かぶのは
 僕のもう ....
彼方からの気流にのって 届いたそれを
あのひとは
夏だと言った



わたしにとって
わたしの知らない、どこか
遠い場所で あのひとが
笑ったり、泣いたり、しているということは
あ ....
深い水の中でラジオが鳴っている
口からこぼれる泡が宝石に変わっていく
ラストシーンだけが続いていく
水の中は記憶が溢れていて
時間を逆さまにする
まだ世界が眠っている頃
ふと眼を覚ました
静かな声で僕を呼ぶ
僕自身の声
僕は歩き出そうとしている
何処にも行きたくないのに
雨が熱した世界を冷まそうとしている
僕が歩いている事を誰も知 ....
注がれて激しくうねる麦茶
そこに波打つ氷の熱
呼吸と麦茶が混ざり合い
感覚は針のように鋭く喉を刺す
祖母が死んだときの
飼っている犬が死んだときの
苦味が
体の内側から
徐々に頭へと回 ....
{引用=

一、漕ぎゆく者へ


  明るいうたは明るくうたおう
  明るくないうたも明るくうたおう
  そうすれば
  必ず
  いつかどこかが壊れてゆくよ
  治すというのはそ ....
初めての海で
吸いこんだ
風のにおいはふるさとのようで
わたくしは、ただ
何万年も佇んでいたような砂浜の印象へ
飛びこんで
いまこの波の揺らぎに没しようと

荒れんばかりの幾多の波の
 ....
 

あたりさわりのない野辺は
どの角度から見ても真直ぐだった
だから
生き物の骨組みはどこからでも見れた


胸のあたりの骨の向こうは
いつも何かが始まって
終わっていた
始ま ....
雨雲が熟すのを待てずに
落ちてきた水滴は
過ぎた日の埃の匂いがする

名もなき小鳥が
一斉に声を上げて
巣を目指して羽ばたき
一瞬の喧騒を誘う

今日のわたしには傘がない
誰も此処 ....
夜が明けて 
窓から朝日が射し込むと 
目の前に 
猫背の暗い男が両腕を{ルビ垂=た}らし
立っていた 

「 私ハ生キル事ニ疲レタ 
  アナタノ生霊 
  アナタガ誰カト浮カレル時 ....
男女の蜜月は4年も続けば上出来で
後は想い出の時を刻んでいれば良い

社会的基盤がペアで行動する事を
定めてあるからか
結婚という契約は惰性というからくり
乗っかっていれば安心でらくち ....
セルリアンブルーの本から
零れ落ちる音符のような
啓示
に搏たれつづける心が
1068番目の奇跡を通じて
うつくしく褶曲する地層のような
洞察
へと繋がるのならばと
今夜は違う窓に向か ....
洗面台に両手をついて
鏡面にうつる
わたし自身の姿に
すまし顔のわたしを脱ぎ捨て
背後から
すべてを包んでくれる
あなたの胸元にすがりついてしまう
ひとは誰もそうするように
突きつけら ....
知っている、いくつかのこと
夏の庭の緑色のほんの抜け道とか
結局隠し切れない足跡だらけの秘密とか

忙しい時間の合間を縫って
何度目かの夏について語り合う
語る言葉の分だけ夏は増えていき
 ....
まくらを抱きしめ
まぐわいのなか
きみを想うとき
ふわりと
ある種のエネルギーが
ぼくのなかで
かたちどる

妄想 
セックス
奪い取れ
のぞむままにことはすすみ
まくらの中に ....
ひかりをふところに浸す、
みどりのまるみが、いのちの数式を
一面につめこんだ、
萌え上がる、眠れる森に、鬱蒼と、
うすきみどりを染め上げて。
満たされた隙間を、みずいろの風が、繰り返し、
 ....
雨が走り去ると
レンズになった大気が
緑を浮かび上がらせ
耳の輪郭を追う

待ち望んでいたタオルケットが
部屋をすっかり包みこんで
静かに反省をうながす
今夜のニュース

鐘の、音 ....
雨と雨の間に
かおを出した青空に
並んで一緒に伸びをする
夏草はいつのまに
私を追いこして
掲げた手さえ届かない

ぐうんとジャンプで
きみ(夏草)にタッチ
ぐうんと伸びして
きみ(夏草)は空にタッチ ....
コウノトリの飛来を告げたとたん
「あなたは要らない邪魔だ」と言われた
明日への架け橋は
明日の幸せは
求められてはいないらしい
求められているのは機械でいること
物言わず働くこと


 ....
帰るべき場所へ
たどりつくことはない
決して満たされることのないこころは
あてどなく
人生をさまよい
そのときどきの欲望を
甘いジュースで満たす
グラスの底に沈澱する
苦味の液体を
 ....
憧れはそのままに

眩しい陽射しを浴びながら

身に纏った、功績やプライドを取り去ろう


今、暖かいと感じること

明日を思い描けること

喉が渇いたと言え

時に心が痛む ....
たりぽん(大理 奔)さんのおすすめリスト(4281)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
むらさきにほふ- 佐々宝砂自由詩14*06-7-15
雨通る、風溜りを越えて- 霜天自由詩606-7-15
そろもん(レッテルの話)- みつべえ自由詩506-7-14
月夜- 服部 剛自由詩13*06-7-14
月と獣- 銀猫自由詩21*06-7-13
石榴の花と黒揚羽- LEO自由詩21*06-7-13
AUSENCIA- 水在らあ ...自由詩23*06-7-13
暑い日だった- 千波 一 ...自由詩13*06-7-13
正しい街- なるせ自由詩206-7-13
汚れたシャツ- 山崎 風 ...自由詩4*06-7-13
透けていく、夏- 望月 ゆ ...自由詩42*06-7-13
塩水- green ink自由詩206-7-13
- green ink自由詩206-7-13
冷えた麦茶を飲む- 美味自由詩6*06-7-12
小詩集【水没ハーモニー】- 千波 一 ...自由詩32*06-7-11
ひとり暮し- こしごえ自由詩15*06-7-10
リトグラフ- 嘉村奈緒自由詩1306-7-9
俄か雨- 銀猫自由詩12*06-7-9
明日へ- 服部 剛自由詩11*06-7-9
*ビバ!嘘つき*- かおる自由詩9*06-7-9
1068番目の奇跡- 塔野夏子自由詩10*06-7-9
Voyage- 恋月 ぴ ...自由詩19*06-7-9
返還時代- 霜天自由詩206-7-9
きみは二人いる- 七尾きよ ...自由詩8*06-7-9
森の断章——デッサン- 前田ふむ ...自由詩21*06-7-9
囁き- iloha自由詩9*06-7-7
夏草と空と私と- LEO携帯写真+ ...14*06-7-7
コウノトリが飛んでこなくなった日に- 恋月 ぴ ...自由詩19*06-7-6
のそり- 七尾きよ ...自由詩5*06-7-6
風鈴揺らせば- Oran ...自由詩406-7-6

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