強い信念があれば
幼子の指一本で
巨人を倒すことも出来る
二機の飛行機が
大国の象徴を滅ぼしたように

しかしその信念は歪んでいたために
多くの生命を無駄に奪い
 ....
最近、よく眠れない。
真夜中にふっと目覚めてしまう。
その度に覚える奇妙な違和感。

足先を見れば、まだ新しい無数のひっかき傷がある。
決して自分の爪で引掻いた傷ではない。
まるで山中を素 ....
水槽に知らない虫が湧いているそれはそれとして夏は過ぎゆく

六甲のおいしい水を買い占めてもうすぐ君は火星に帰る

部屋中の精密機器は引き出しへ理工学部の多田君が来る

雨上がり気付かず傘を ....
晩酌の
手酌の親父に差し向かい

一応
父親に許可をいただくために
切り出した
車を買い換える件は
見事
頭ごなしに却下され
その真意がわからずに
湧き上がる怒り

御父様
 ....
聞こえなくなる直前の耳に聞こえる
鈴虫の羽が散らす美しい高音の点線に沿って
無数の枝が折れてゆく、無数の枝が折れてゆき
その微細な山折りと谷折り、その隙間から
水と ....
出涸らしのような夏が
のっぺりと緑に張り付いている

季節も針を進めるのを忘れたようで

時がとわに 流れていく

生まれ落ちた時代の旅人

その想いは 積っていく

 ....
未来はもっと不確定
気まぐれとわがまま混ぜて
形の定まらないアメーバ作った

夢は形を変えて増えていく
自分と未来は追いつかない
ひとつひとつ失われる記憶があって
それが僕らを焦らせ ....
静かな闇の 小さな光

輝く光を 見つめる僕ら

その儚さを 知ることは無い

遠くに光る 遠すぎる場所で光る


小さな僕たちが 小さな星を見つめて

大きな希望を持つ

 ....
満月とは中秋の名月
ゆらゆら揺れる水面にて
時と戯れる


満月とは君の面影
苦しい時も笑顔を絶やさず
額の汗をそっと拭う


僕は忘れたりしないよ
君の優しさを


君は ....
思い出

記憶
の違いを知ってしまってから

僕は
思い出喪失患者
になりました

何が綺麗だったのかも
誰が愛しかったのかも

今の僕には
何の意味も持たないようで

 ....
あの子は逝ってしまったのよ
夏の名残の陽射しが注ぐ朝の庭で

何度か苦しそうに喘いで
だけどそのうち眠るように
少しづつ少しづつ
呼吸が弱くなって

愛するみんなが見守る中で
頑 ....
ごらん あれは
眠りの間際の窓辺たち
ごらん あれは
烏賊を釣る船の漁り火
人々の暮らしは在り続けていてくれる

汗をにじませながら
涙をうるませながら
人々の暮らしは在り続けていてく ....
あの日を境に
世界は明らかに下り坂に入ったんだ
たとえばさ

えらい人が逮捕される時ってあるでしょう?
あれね
時代劇の捕り物みたいに、突然いっせいに取り囲むってことは
実は ....
君はあっちを向いているよ。
なぜ あっちを向いているのか私は知らない。

君は何か考えてたよ。
何を考えてたのか 私はわからない。

でも 背中を合わせて
私はこっちを向いて
君と一緒 ....
わたしのこと
愛してなんかないんでしょう?

帰途につく助手席に
憎しみは騒ぎたつ
さざなみのように

答えのないまま
FMはゆく

たとえばくちびるで
確かめあえたら
あなた ....
わたし、という曲線を
無謀な指が
掌が
少しの優しさも無くなぞる


書院窓の向うでは
秋の長夜の鈴虫が
交尾の羽音で月の影絵を滲ませて


こっちにきて
こっちにきて、と ....
ぽくぽくと砂埃の道を
踵の低い靴で歩く
道端にときおり現れる
柿の木の下で
風に吹かれて和みながら

寂れた雑貨店は
小さなオアシスのように見えた
冷蔵ケースのコーラの瓶の
くび ....
クリープ現象で
夜をすべる
アクセルを踏みそこなった右足で
有明ランプをまたぐと
すこし遅れて
あした が きょう になる


うしろへと流れる景色を手がかりに
恋人だったはずの
 ....
ごらん、


イルカが橋を飛び越えて行くよ。
男がケンタの二人掛けテーブルに座り
何やら絵を書いている
風体には似つかわしくない童話の挿し絵
雰囲気には似つかわしくない
どこまでも明るく優しい印象の絵


そんな男の斜め後ろで
僕 ....
朱色の雲が
いまだ蒼さの残る空に
虹を想わせる

嗚呼
今日は
こんなにも惜しく思う夕刻の空
地を這い回っていない時
君と見られたらよかった
飛んでいけるだろう
その色の中に溶けて ....
秋のはじめの
雨は優しく
しずかに
しずかに
色をさす

花かんむりの薄紅
手折るのを忘れ
肩にも雨は
優しく降りる
やはらかな ひかりの かけら

あつめて はなつ かほり

かぜの おびを ほどき


めざめよ


とほき ゆめの かなたより

はなは あさに ひらき

とりは ひ ....
ふと、迷うということをしてみて
揃わない手のひらで地図をなぞる
帰る時間になりました、と言われるけれど
本当はどこへ帰りたいのだろう

誰か
夕暮れに誰か
流れていく群れを、逆に擦り抜け ....
雨の夜
宙に惑うのは
報われなかった
言の葉の亡霊たち

人を傷つける為に生まれました
見下す為に生まれました
罵倒する為に
揶揄する為に

己に言い訳する為に生まれました ....
ぱさぱさと干からびて
色褪せてしまった
大学ノートを
赤い爪先で繰りながら

ため息ひとつ

セピア色と呼べば
聞こえはいいのだけど
少女じみた丸文字の
拙い言葉の羅列が苦 ....
2億5千万個の眼球の海へ
君はボートを漕ぎ出す
オールで眼球を叩く度に
そのひとつひとつが
グリグリ音を立て
歪んだ眼差しで君を見つめる


見つめる眼球に映るのは
どこまでも青い空 ....
飛ぶ夢を見たことがある


動物園のダチョウはすっかり砂にまみれていて
それはつまりダチョウの習性であって
その目的は害虫を防ぐことだ

そんなダチョウに翼があることは
どうにも不自然 ....
かた恋の
独り善がりの慰めに
きみの好きなうた口ずさむ


思い出も記念日もなく
日は過ぎて
こころだけが同じ温度でいる


繋がれぬ
きみの掌に思い馳せ
ひとり秋染む
 ....
 生まれてはじめてお付き合いをした男性が結婚したことを知った。当時は男性というよりも男の子だった。愛読書だと言い、『風の歌を聴け』を私にくれた。そうして自分の為に新しい本を買っていた。今も愛聴 ....
たりぽん(大理 奔)さんのおすすめリスト(4281)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
2001.9.11〜あれから〜- 落合朱美自由詩15*05-9-11
夜の傷- mina自由詩305-9-11
フラクタルとベクトルの相互不可侵性- シアン短歌1505-9-10
はたちのわたしと親父- 蒼木りん未詩・独白305-9-10
背骨の復讐- A道化自由詩905-9-10
*夏だった*- かおる自由詩6*05-9-10
「喪失アメーバ」- 又一自由詩405-9-10
星空- 天使自由詩1*05-9-10
フルムーン・フルボディ- 恋月 ぴ ...自由詩13*05-9-10
思い出喪失- 士狼(銀)自由詩8*05-9-10
秋桜忌- 落合朱美自由詩16*05-9-10
地下水脈- 千波 一 ...自由詩19*05-9-10
sky- umineko自由詩27+*05-9-10
十八夜- とうどう ...自由詩7*05-9-9
76.6MHz_FM- umineko自由詩6*05-9-9
蕾ひらく- 銀猫自由詩17*05-9-9
田舎道- 落合朱美自由詩16*05-9-9
ディスタンス- 望月 ゆ ...自由詩16*05-9-9
台風一過- 携帯写真+ ...2205-9-8
椰子の実ひとつ- 恋月 ぴ ...自由詩15*05-9-8
高い場所から- 蒼木りん未詩・独白505-9-7
雨の朝- LEO携帯写真+ ...8*05-9-7
ときはなつ- 落合朱美自由詩12*05-9-7
夕暮れの芯- 霜天自由詩705-9-7
言霊- 落合朱美自由詩11*05-9-6
侵食- 落合朱美自由詩11+*05-9-6
眼球の海- 恋月 ぴ ...自由詩13*05-9-6
空を飛ばないダチョウにも翼がある- ベンジャ ...自由詩13*05-9-6
恋がるうた- 銀猫短歌7*05-9-5
香水不全__日々の垂れ流し20050905- A道化散文(批評 ...1905-9-5

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