私は宙にいた
ずっと空を聴いていた
私を支えていたのは
ただ蒼い闇ばかりだった


ゆれる森
立っている人
言葉をめくる声
降りてくる色


暗くやわらかな
 ....
十二番目で
いつも言葉を間違えてしまう君は
その次の交差点では
左折ばかりを繰り返している
東京
狭い夕暮れで
夢から覚めたばかりの抜け落ちた体を
ついでのような角度でドアの隙間に潜り込 ....
雨ですねぇ
雨ですねぇ

夜中にふる雨は
なぜか
さわがしくてしずか

布団の中で
ほくほくときいているのに
冬の雨は
身にしみて
つめたあい音がす
 る

ぽと ほと と ....
同じになったためしがない
あなたを

追いかけて
私は走る

不等号の
その向きに

あなたを追って
あなたが あのこと キス する あいだ

とおい むかしに たびをして いた


おとが すこし

きこえにくかった あのころ


まいくに きょうみが でたのは

そのこ ....
ふしあわせになればいい

あなたの大事なヒトが
嘘つきで
ルーズで
借金持ちで
指名手配で

全部君のためだよって自分のためで
どんなつまらないミスにも言い訳がデフォルトで
甲斐性 ....
それぞれの空があり
それぞれの海があるように

それぞれが少しずつ違うからこそ
世界と呼ばれるものがある
ぼくらは

お互いを知るために
生まれてきたわけではないけれど
傷つ ....
わたし

椿の紅のビロウドのような

柔らかさに触れたくて



はなびらに少し

指先を這わせただけでした



椿は 紅を舞わせて地へと落ち

華の美しさを ....
あたしの町のあたしの川の向こうにはあたしだけの工場が在る。
其処は終日稼働式で、何時でも好きな時に好きなだけ眺める事が出来る。
くすんだ灰色の煙突は大した高さでも無いのに
チ  カ  チ   ....
たとえば少年の溜息を
たとえば少女の独白を
空は拾いあげるでしょう

空にはみんなの星がある


たとえば背広の焼酎を
たとえば情婦の香水を
空は拾いあげるでしょう

空には ....
この世界には もう
ひとつも乾いた場所など無い と
そんな風に思うほど
360度 水浸しの溢れ出る水槽です。



窓を開けると 外は白い縦線で埋まる巨大な水鏡で
映った私の全身から  ....
荷造りに
随分時間がかかって
しまったけれど

ようやく
旅の始まりに
たどり着いた


いらないものばかり
リュックへ
詰め込もうとしていた

もう
自分を探したり
な ....
朝が近づき
朝が持ち去る
行方の見えない道をゆく
朝に現われ
朝に消える
直ぐにかすんだ道をゆく


明るい雨のなかをすぎ
銀に鋳られた道をゆく
歌を見つめ
空を見つ ....
釣れた、釣れぬは
問題ではなく

私が尋ねたいのは
「何が釣れますか」
それだけ

どうぞ素敵にこたえて下さい


たまたまの数秒
真偽は気になさらずに


私もまた
 ....
誰もがみな
道の途中だった
そして誰もがみな
人に気づかれることなく歩いていた
人に見られていると
そう思うのはあさはかな傲慢であると
時の風が教えてくれた
深い
森の奥から道へ
わ ....
お昼時の込んだ食堂で
ヒロシ君、と呼べば
3人は振り返る


ヒロシ君はクラスの中に2人はいる
ヒロシ君はテレビの中に5人はいる
ヒロシ君はヒロっちゃんと呼ばれることが多い
らしい ....
手をのばしかけてやめた
あの日の、すこし歪んだ夕方を
ねんどをこねるようにまるめて
食べた
ひといきで飲みこんだ

だってどうにか、前にすすまないといけない
わたしは何に悩んで
わたし ....
ある日
自動ドアの前に立ったら

開かなかった

押しても引いても
やっぱり開かなかったので

慌てて君を呼んだ

ちっとも開いてくれないんだよと言いながら
二人並んで立ってみた ....
交差する車両たちに囲まれて
立ち尽くす
PM7:00

正しい世界が見えるような
そんな気がして
見上げた
低い天井

あの日あこがれた草舟は
ゆっくりゆっくり 沈んで ....
埠頭に
群れなす
カモメはすべて
哀しい心のなれの果て


船は今日も出てゆくのだ


海は広いというのに
のぞきこめない
瞳の深さをもって
船は今日も出てゆくのだ

 ....
なぜか怖いもの気色悪いものが見たくなり、グロ画像を探してまわった。でもあまり怖くない・・・気持ち悪くさえない・・・これはいけない。と思って楳図かずおの『漂流教室』を読みかえしたらやっぱりいつものように .... 夏のことをよく知っている人がいて
その人は
例えば緑の葉っぱを重ねたような人で
ときどき
鮮やかな花を咲かせていたりする

ただ画家がその人の絵を
描こうとするとき
その人は
たちま ....
眠る光を背に
夜を見る
燭台の木々に
風が点る


道のにおいが漂ってくる
逃げも隠れもしない水音
細やかにひと粒ひと粒と
葉の上に置かれる鉱の冠


枝から枝へ
 ....
台所の隅でゴキブリが
腹を天に向けて死んでいる


死骸にざまあみろって言ってやったんだ
その死骸さえ嫌悪感を抱かせる


何もしていない彼らを殺し
何もしていない彼らを罵り
彼ら ....
あと何度
逢えるかなって
数えたことが
君は ある?

あと何度
抱きあえるって
考えたことは
君は ある?

あと何度
夜が
ニュースを運ばずに

静かに明けていくだろう ....
今にも泣き出しそうな空
鬱屈する憶いまで塗り込めていく

しらちゃけた大地に空が投げキスのダイブ
待ち詫びた花弁にもジャンプ
透明な繭になって落ちてくる
ぽたぽたと追憶を綴る
忍び込む甘 ....
今あなたに手紙を書きます
この手紙が届くまでの間に
私はここから旅立ちます
今あなたに想いを伝えます
言葉が伝わるまでの間に
私はここから逃げ出します
幸せを求めるあなたの
眩しすぎる世 ....
あの日から
わたしのからだは
透明なゼリーに
くるまれていて
それはずっと
あなたの温度を保っている

その感触は
やさしくて あたたかで ぷるるん

いつまでも
その中にいては ....
夕景風が鳴る
ふひゅーんあおあお
さざめくざさささ

ふひゅーんあおあおは彼方からの信号で
信号を窓の中から感じている僕は
木のように揺れている頭のなかを巻いて

片頬をうちぬかれたお ....
いずれ姿を消す
だろう月光
光を失った者の記憶には残ら、ず
されどその引力は
植物の{ルビ枝葉=しよう}に
昆虫の触角に
魚の尾びれに
爬虫類の肺に
鳥の翼に
哺乳類の脳に
空の風 ....
たりぽん(大理 奔)さんのおすすめリスト(4281)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
外の原へ- 木立 悟自由詩805-7-12
トーキョータワー- 霜天自由詩4305-7-12
リズム- こしごえ自由詩9*05-7-12
不等号(改訂版)- umineko自由詩7*05-7-11
あなたがあのことキスするあいだ- 蜜 花自由詩12*05-7-11
嘘つきジンライム- umineko自由詩8*05-7-10
60億分の1- ベンジャ ...未詩・独白6*05-7-10
嫉妬の黄色- 蜜 花自由詩8*05-7-9
赤い点滅- 有邑空玖自由詩15*05-7-9
お空は少し広すぎるので- 千波 一 ...自由詩11*05-7-9
2005・7_雨の終わりの日記- 千月 話 ...自由詩17*05-7-7
LOVE&LIFE- 043BLUE自由詩205-7-7
銀領歌- 木立 悟自由詩505-7-7
釣り人- 千波 一 ...自由詩9*05-7-7
道の途中- 岡部淳太 ...自由詩11*05-7-6
ヒロシ君- 大西 チ ...自由詩14*05-7-6
おもいでは、いつも、きれいだけど- 八月のさ ...自由詩905-7-6
自動ドアのこと- ベンジャ ...自由詩9*05-7-6
単調な鼻歌- デニスホ ...自由詩7*05-7-5
埠頭- 千波 一 ...自由詩10*05-7-5
きょーふのこんげん- 佐々宝砂散文(批評 ...11*05-7-5
夏男- tonpekep自由詩21*05-7-5
夜の手- 木立 悟自由詩505-7-5
ゴキブリに死を_わたしにキスを- 蜜 花自由詩5*05-7-5
プラナリア- umineko自由詩9*05-7-5
*砕け散る*- かおる自由詩12*05-7-5
満ち欠け- 紫音自由詩3*05-7-5
透明の中で- フォマル ...自由詩20*05-7-5
ふひゅーんあおあお- 石川和広自由詩9*05-7-4
月の記憶- こしごえ自由詩10*05-7-4

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