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大きな森の
地面に降りた
耳をすますと
聴こえるのは新しい年の風

さて、街の写真館では
カメラが売られていた
フィルムもそのまま
何が写っているのかは
謎のまま

さて、飛行機 ....
行かなくてはと思っていた
ここではなくどこか

北風の背中には
銀の翼があると思って
それに乗って行こうかと
寒い街中に出て
裸足であるく
身軽でいいと
荷物も何も捨てて
名前だけ ....
花束をもらったのは
もう随分前のことだ
大きくて赤い
松明のような花そのあかりが
次第に痩せて暗くなっていくのが
寂しかった

怪我をして入院中
病室まで訪ねて
炎のような花束をくれ ....
電車はもう乗り終えた
飴の袋もからっぽ
歩き出す
足元の道はごつごつしている
日の光は花や木にばかり当たっている
ような気がする
水が飲みたい
と思った矢先に
湧き水の立て札
山深く ....
夜ご飯の支度をしていると
息子が
「今日の夜ご飯なーに?」と聞きました
「コロッケだよ」「やったー」

寝そべって漫画を読んでいる息子は
11歳
伸ばした手足や
レゴをしゃがんで組み立 ....
物心ついてから
ひとりだという気持ちが強い

家族や友人や物や時間
のあるなしに関係なく
ただ自分の癖として
ひとりだという気持ちが強い

楽しい場所にいても
好きな人の隣にいても
 ....
なんでもないことのように日々が
過ぎる
実際はなんでもかんでもが
おこる
どうしようもなく失くしたり
左足だけ見えなくなったり
足りないながらも戻ったりするが
一切の感情は描かれず
ま ....
ひとりのおんなの形をしたいのちが
染み付くほどあかい
燃える野に立ち
斜めになびき

腹に手をあてて
まだ完全にはにんげんでない形をしたいのちが
ここにいるとは
とうてい
とうてい
 ....
夏の午後 影は濃く
姿勢の正しいあなた
まっすぐにねむる
貝殻のボタン
ひとつ失ったまま

くんと伸ばしたつま先から
夏が逃げてゆく
砂がはらりと落ちる
そして落ち続ける

傾い ....
洗えるお母さん
あたためますかお母さん
出会い頭にお母さん
やわらかめお母さん
おふざけが過ぎますなお母さん
スナイパーお母さん
ちょい悪お母さん
改革お母さん
ねっとりもっちりお母さ ....
いつか大きくなったら
でっかいお城をたてるの
一日中パイの焼ける匂いがして
一日中パーティーをする

男の子は馬小屋に追い出しちゃう
きっと花束を持って戻ってくる
小さいお花の花束
そ ....
雷に打たれて俺
鎖は手
地面にた俺
無視に食われ
醜い素形であるが
偏なところから
新しい目が芽吹き
光を目指し伸び
形こそ不完全だが
どうにか息ている
その不敢然さは
生き残り ....
1月1日や
2月14日や
12月24日が言いました

すいません特別っぽい日ですいません
わたしたちなんかがいるせいで
なんかちょっとしょんぼりさせてすいません

いいんです
普通の ....
うさぎをどうやって救おう
名もなく死んでいくうさぎ
おびただしい数のうさぎ
うさぎは物音が怖いから
物音をたててはいけない
人の姿も怖いから
人の姿をしていてはいけない
そっと空気のよう ....
End of day glassという言葉を知ったのは中学生の時、英和辞書をぱらぱらめくっていたら、ありました。意味は、「彩色ガラス」としか書いてありませんでした。
「End of day」のことを ....
女の子は春に生まれました
桃色の小さな小さな靴が贈られました
風が若葉や清楚な花の匂いを運んできました

女の子の母親は六月がいっとう好きでした
雨が降ると木々や庭の草たちが
歌を歌うから ....
ウミネコの声を聞いていた
風のはげしい海岸で

晩御飯は何にしようかしらナア、ナア、ナア、
最近ダンナの帰りが遅くてナア、ナア、
もうちょっとうちの人がしっかりしてくれたらナア、ナア、ナア、 ....
教師は数を数えるのが得意
白い飲み物を毎日飲み込み
わたしたちの背は伸びきった

うららかな春の日
校舎は燃えあがり
煙にまかれながら
わたしたちは長い脚で
できるだけ早く歩いた

 ....
新しい人が来たので
かじかんだ指を暖めていた子は
背中をまるめてそっと
席を立った

それは
あまりにも静かに行われたので
だれかが席を立ち
新しい人が座ったことに
だれも気づかなか ....
秋晴れの空に向かって窓が開いている。本棚ばかり大きい部屋には姉と妹。
妹は死んだ小説家の本を取り出しては「これは手」「これは肺」「これはくるぶし」と姉に教える。小説家は自らの身体と臓器をそっくり文字 ....
みどりという代名詞がふさわしい存在していたかつてその

呼び名をあたえられず
最後まで呼ばれなかったこのゆくくらがり

せめて歌なりと
なりとなりと
しんと音となり

ししん ししん ....
もう
ここは冬
になってしまった
日は短くなり
昼からすでに夜の気配がする

けれど迷い人よ
冬のせいではなく
この森はずっと昔から
喪服の切れ端のように暗い

鳥は言う
「さ ....
カシッ

くるみの殻
秋の日差しのなか
乾いた破裂音

くるみの林
赤や橙に色づいて
かさかさ揺れているかな

ひと吹きでぱらぱらと
涙のようではなく
思い出のようでもなく
 ....
たった一人で
たった一粒の
愛へ落ちてゆく

街角で
目があった
おんなのふるくなったひとは
ばふん、と笑い
わたしは
カシャカシャカシャチーン
「仕事の顔」から「家の顔」になる
 ....
友達と二人で
山でキャンプをした
山といっても中腹まで車で登って
キャンプ場にテントを張っただけ

晩飯はカレー
キャンプといえばカレーで
これを食べるためにキャンプするようなもの
か ....
夜はさみしさをたたえる水面
しずかに腕をひたして
あてどない動きにさらされていた

夜がひそかに身体をゆすると
いつしか私もゆれていて
抱きしめあった記憶が
手のひらからあふれた

 ....
本屋へ行った帰り道
公園に入った

ぐるっと公園を囲んだ木が
濃い影を作っていて
意外に温度が低い
真夏の午後二時で
誰もいない
セミがやかましい

水飲み場のあたりは水びたしで
 ....
朝起きてしばらくしたら驚愕しました。というのも両腕と首にびっしりと変な赤いぽつぽつができているのです。夢ではたまに、足にびっちり黒いミミズ腫れができたり手が蟹になったり背中がうろこむしたりするのですが .... 海の匂いって何にも似ていなくて特別
波の音って何にも似ていなくて特別

そんな特別な海に
会いに行くだけで
何か一仕事終えたなって気がする

海に行くって
コンサート会場に行くようなも ....
湖にボートで乗っかり
ゆっくり漕いでいく

メロンゼリーを思い出す
地球の穴にメロンゼリー
ボートのスプンですくう

目の前にかわいい女の子が
座っていたらいいなあ
僕が冗談を言って ....
たりぽん(大理 奔)さんのふるるさんおすすめリスト(166)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
大きな森- ふるる自由詩9*11-1-1
名前を- ふるる自由詩609-7-2
赤い花束- ふるる自由詩14*09-6-11
- ふるる自由詩31*09-5-1
コロッケ- ふるる自由詩5*09-4-13
ひとり- ふるる自由詩6*09-3-2
家となりたい- ふるる自由詩6*09-2-26
- ふるる自由詩709-2-23
貝殻のボタン- ふるる自由詩27*09-2-18
お母さん百態- ふるる自由詩8*09-2-5
デイジーとシャボン- ふるる自由詩3*09-1-26
すぐれた木々- ふるる自由詩3*09-1-22
いいんです- ふるる自由詩13*09-1-18
うさぎを救う- ふるる自由詩6*09-1-15
End_of_day_glass- ふるる散文(批評 ...4*09-1-7
六月- ふるる自由詩8*08-12-30
ウミネコ- ふるる自由詩608-12-20
スクリプト- ふるる自由詩308-12-3
新しい人- ふるる自由詩27*08-11-26
小説家- ふるる散文(批評 ...6*08-11-20
みどりという代名詞- ふるる自由詩4*08-11-7
暗い森- ふるる自由詩10*08-10-24
くるみ- ふるる自由詩11*08-10-2
愛へ落ちてゆく- ふるる自由詩708-9-30
山で- ふるる自由詩10*08-9-2
ラグーン- ふるる自由詩10*08-8-18
公園- ふるる自由詩9*08-8-4
ASEMO- ふるる散文(批評 ...14*08-7-25
- ふるる自由詩10*08-7-25
- ふるる自由詩10*08-7-17

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