081229
かいかいと
かいかい
かろり
かるり
かまんだるの部屋
かるがる石の布団部屋
みだたないよかんのふすまに
みらじらせを描く
 ....
ガラスを吸って
墜落した
ひな雪

ブランと降りた
眼が
かかと見上げてる

時を割る氷
血脈に浮かべて

月の光に
波とかざす
中空の細い運河を
小さな郵便船が遡ってゆきます
あれには僕の手紙も乗っている筈です
誰に書いたのか 何を書いたのか
とうに忘れてしまいましたけれど

ひんやりとした透明な砂漠を
彷徨って ....
               081226




1939年製の並四ラジオをレストアし
ケータイ化も出来たので
朗読イベントの小道具に試用した
お客様は好意的で
耳を澄まして聴いて ....
冬の辞書には
牙が満ちている

燃えようとして
生きようと、
して

裏も表もなく
ただ、それゆえに
いたわりがたい
鋭さが
ある

つめたさに似た
熱量、として
 ....
鳥取人は背中に羽が生えていて
夜には砂丘から日本海へ向かって羽ばたいている
ような気がする
毎晩三十人ぐらいで
両翼の長さは長い人で六メートル
でも、海は渡れない
みんな頑張っても砂丘から ....
何度聞いてもあきない
とりとめのないコトバが欲しい

全部あげる事なんて出来ないよ
だけど夜はまたやって来る

光が差すのを待っているんだ
探し歩くのも悪くはないけど
今夜はずっと ....
夜空を見上げていたんだ

真っ黒な夜だよ

幾千の明かりが灯った
クリスマスツリーの上
巨大なビルとビルの間の
ちっぽけで 真っ黒な夜空だ

星が一つだけ瞬いていた
明るい星だ
 ....
 詩を書くことが、それぞれの書き手にとってどんな意味を持つのか。それは個人によって様々であるだろうが、おそらく書くことが自らにとっての救いになりうると感じている書き手が多く存在するものと思われる。書く .... 私はロビーに降り立ち
大通りを下り港の見える倉庫街を
散策し始める
私は昼と入れ替わる

昼はロビーを過ぎ
大通りを斜めに港の見える倉庫街のたたずまいを横目に
運河にテラテラ ....
ウミネコの声を聞いていた
風のはげしい海岸で

晩御飯は何にしようかしらナア、ナア、ナア、
最近ダンナの帰りが遅くてナア、ナア、
もうちょっとうちの人がしっかりしてくれたらナア、ナア、ナア、 ....
僕は強いぞ!
僕の牙は鋭いぞ!
怖いものなんて何も無いんだ
失うものも守るものも何も無いんだ

自由気ままに生きるのさ
誰にもしっぽなんて振るもんか

がるるー、がるるー
噛みつくぞ ....
冷たい風が横切るとき
あなたの肩を叩く
紅茶を飲む私の呟きをのせて

振り向くあなたは
気配の無さを受け入れて
再び歩く

完全防備したあなたの
帰り道の出来事
そっと胸の内にあるものは
わたしの外だ、と
わたしはおもう

はるか
空の高さを
見上げることと
なんら変わりない



わたしはここだ、と言葉を放れば
わたしの手立て ....
「死んでしまいたい」が口癖な君に
「生きていれば良いことあるよ」
と言いかけて言い切ることができなかった

それを時代のせいにしたところで何になるのだろう

夢とか希望を持ち難いこんなとき ....
               081218

古道具店に立ち寄ってみたら
昭和初期のラジオがあって
古民具のような顔をして
お雛様を見つめてた

並四ラジオを探す
メーカーものは
マ ....
忘れてください
と、口にした時から忘れられなくなる
ふいにこぼした言葉も
思いつめた頬の感じも


忘れてください
忘れたものは戻ってこないと知っている
ある日ふとまざまざと
風に揺 ....
私たちは
複雑で
ランダムな現象の絡まりのようにみえて
実は
いっぽんの管なのです

とめどなく押し寄せる水流を
茫然とひらいた口腔から飲みこみ
洗われるまま
わずかな幸せの摂取と
 ....
冬の薄灰色の空に
硝子の太陽
私が歩む通り沿いの柵には
光沢のない有刺鉄線
遠くに鉄塔群

私の今のこの歩みは
自分の部屋へと帰るためだが
それでいて
どこへ向かっているのでもない! ....
   




からだを巡る車輪の音を
まばたくことで消しながら
足跡のない足音の
応えのつづきを聴きながら


道に浮かぶ狭い暗がり
雪から雪が生まれては去る
ひとつの鉱を ....
あなたは 大きな氷をひとつ入れたグラスでお酒を飲むのがすきだったから
わたしも今日はまねしてみた
酔っ払ったら泣けるかなと思ったけれど
いつまでも静かだった
氷が割れてしまっただけだった

 ....
舞う、

それは、かすかに穏やかで
重力と風をさらう

そして、アスファルトへと帰るまで
溶けては消え、溶けては、


あたりは、
そうそうと時をつなげている、師走
風を分けて走 ....
神さまからひとつだけ願いを叶えてあげる
と言われたので

幸せになりたいとお願いしてみた

神さまはふむふむと頷いて
では、早速明日から叶えてあげよう
と言ってくれた

期待に胸膨ら ....
顔をあらうが
おとし切れない
このゆううつなまなざしはどこから来るのか
気象電波探知機はしんみりと
雲ゆきを映す
私を通りすぎて行ったはずの

宙は 青ざめ照りつける日にたちつくす。
 ....
およいでいる、ということに
気がついてしまうと
溺れはじめる


 わたしが
 わたしを忘れることも
 たいせつな息継ぎ

 うまれもった、すべ



音色、という文 ....
紺染のシャツの胸元を大きくあけて
頬杖ついてみる
脱げば女に見えますともさ
胸元をこんなに大きく見せるだけでもね
たいして大きな胸じゃないけどね
世の中が男と女でできてるとしたら
私はきっ ....
夜勤明けてひとりで酒を酌む
やなことはやらないでおこう
きっとあのひとは許してくれるから
太陽がしらけた空にひかる
暗い空に光っていればいいのにねえと
稲垣足穂的につぶやいても
太陽はあく ....
雨をひらいて いくつもの声のその中へ
飛び込んでいければいいと思った
軒下からしたたる雫が はねて、
とりとめない心に降りかかる
泣いているの、とたずねる人の
声がしたような気がして
振り ....
露に濡れた車の窓に
髪のあとがうっすらとあって
遠くもない思い出をちくちく突く
真冬の明け方は思いの外冷えもせず
終わると思った恋は終わりもせず
まだ暗い南の空にカラス座

不幸のヒロイ ....
君のことを描くたびに
ひとつずつ言葉を失っていった
すっかり軽くなった水彩箱には
たったひとつの「ありがとう」が
隅にこびりついて震えている

―――ありがとう。

それだけで ....
たりぽん(大理 奔)さんのおすすめリスト(4281)
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