プレハブの 
休憩室の入り口に 
日中の仕事で汚れた作業着が 
洗ってハンガーにかけてある 

ドアの上から照らす電球の 
茶色いひかりにそめられて 
干されたまま 
夜風にゆられる作 ....
新しい町で
食料品を買う
就寝の手順について
思いをめぐらす

建物はどこかに
年輪を隠し持っている
タンポポの茎が
配管されている
新しい町への食欲と
昼時の食欲と
どちらが本 ....
寒い、と言うと
あなたはわたしの肩に
そっと
うなぎをかけてくれた
 
ぬるぬるして
うなぎも鳴くのだと
初めて知った
うなぎのさばき方を
教わったのも初めて
 
大人の恋は
 ....
今日の風は西から湿り気と
憂鬱の温度を運んで
まだ頑ななガクアジサイの毬に
青、を少しずつ与える

日増しに色濃いぼんぼりを灯して
夏空の予感を語るのは
滲む青と翠と


傘の冷た ....
  両手に抱えられるだけ
  かなしみを抱えて
  捨てに行く
  穴を掘って
  花壇の真ん中辺りに
  ここなら寂しくないでしょうと
  ささやきかけて
  そうしたら
  ....
五月のかぜを渡るとき
遠いひかりは
よみがえる

あおたちの名の
車輪のなかで
一斉に
いま
みどりはかえる
日にかわる


 かじかむばかりの
 指だったのに
 いつ ....
いちたすいちは
にじゃないと答えたら
みんなに笑われた
でも
美術の先生だけは頷いてくれて
スケッチに出かけた
あの丘の上から
故郷の青空をいつまでも眺めていた

ずっと憧れていたこ ....
  夕暮れ色の飛行船、
  たくさん空に浮かんでいたけれど
  空と一緒の色だったので
  誰にも気付かれないままでした。

  *

  毎朝、起きたらすぐに顔を洗います。
   ....
   {引用=inspired by「metropolis」L'Arc-en-Ciel}


数か月前から僕は
あるアンドロイドと暮らしている
名前は{ルビ零=れい}
零は性を持たない ....
裁くことは可能だ
だが公平ではない

愛することは可能だ
だが公平ではない

博愛主義とは何だ
ひたすらに
わけあうことか

私の精神は
無限ではない
私は
命のベクトルを
 ....
山道を左に入って
舗装されていない砂利道を1キロくらい
そこに

わたしとあなたの
思い出が
白っぽい蜃気楼になって
佇んでいる

わたしは怖いから行かない
たぶんあなたも

 ....
夏の野は沈黙の果てみつめあう
    だけのくちづけ唇に蝶


じっとして壊れないよう忍び寄る
    白い羽には光だけ射し


言葉などもはやいらない君をつれ
    夏の丘へと逃 ....
{引用=
きみがとなりにいて、まつげの
触れるくらいとなりにいて それは
おどろくほど退屈で いとおしい
午後で}




きのう、オジギソウが発芽して
日記にそのことは書かなかっ ....
詩において、「死」とはいかなるものなのだろうか。あるいは「生」は?
視聴者を引きつける手段としての「死への恐怖」「死んだらこうなる」というものは、メディアに数多くあり、利用されている。ドラマを盛り上 ....
朝起きると、
夫の蟹を食べる。
水のきれいな土地で生まれ育った夫の蟹は、
沢蟹に似た味がして、
なかなかの珍味である。
蟹は大抵、
夫が寝ている間に、
湧 ....
背中が守られている
抱擁でなく
囁きでなく
いつも見えない後ろが
守られて温かい
そんな気がしている

口元が護られている
くちづけでなく
言い付けでなく
冷たい言葉が洩れない ....
朝、自転車に侵入された
ちょうど起きようとしているところだった
カロロと卑猥なペダルの音を耳元でさせ
とても恥ずかしかったが
俺は初春のように勃ち
自転車は器用に車輪をたたみ侵入してきたのだ ....
「秒針」




いちばんほそい針が
無段階に滞りなく
滑ってゆく
きちんと六度ずつ
かっちこっち
鳴っていたはずなのに
いつのまにか


一秒、
という物差しを
見落 ....
窓際に並べた氷がとけていくのを眺めていた
わたし以外に誰もいない
広い部屋の中で
ひざをかかえるように小さくなって
息を潜めて

日が落ちて暗くなっていく
とけた雫か
わたしを伝って流 ....
生まれて
しまった後ならば、
二度と
生まれて
いけないだろうかと、
ひとりごとだけ
生んでみる


いくつになっても
守られるから、
さびしさは
無くならない

幼なじみ ....
蜘蛛の巣──繊細に張りめぐらせたレースの装飾
怖いもの知らずの蝶が飛び込んで
ゆれる ゆれる

蝶の羽も絡まる糸も光っている
ゆるやかな午後の陽に なお光を保ち
   一  アンタレス disk1


君と夜の海辺を散歩していた、
はずなのにいつのまにか
空を歩いていた

頭上に、海
でも今日はよく晴れていたから
涙の一滴も落ちなくて ....
もうすぐ
九百九十九年になります
その頃には
ひまわりも咲いているでしょう
絶望から生き残った
藁のような人びとが
ゆらゆらとゆれているでしょう
咲いてしまうことに
罪はなくて
咲い ....
素潜りで
{ルビ鮑=あわび}を密漁する


丹後半島の
夜明け


海で生まれた太陽と
山に入る月の夢、
肩がこる


髭の男が少年や
座礁した五月


白身のま ....
終電前の 
人もまばらなラーメン屋  

少し狭いテーブルの向こうに 
きゅっ と閉じた唇が 
うれしそうな音をたて 
幾すじもの麺をすいこむにつれ 
僕のこころもすいこまれそう 

 ....
 1

もう、
ふりかえらないのだ
髪をゆらしていった風は
束ねることはせず

つまさきは
後ろに広がる汀を
走れない世界にいて
こころだけがいつまでも
波になりたがっている
 ....
男は体育館の裏に
女の歳の数だけ
星を埋めた

女は男のために残しておいた
夏の一番柔らかいところを
まだ寄木細工の箱にしまってある

詐欺師の家では
換気扇がゆっくりと壊れて
ま ....
{引用=




  ? 夏の妖精


笑いながら
運ぶ風に
身を任せて
あなたは走り去ろうとしたが

 照りつける陽射し
 の中にではなく
 薄萌木色の林の奥に

 ....
Ser immortal es baladi;
menos el hombre, todas las criaturas lo son, pues ignoran la muerte;
lo  ....
酒がキレた俺とアンちゃんは
「大きな砂浜のある」駅にあてもなく降りる
行商のオッさんはしゃべり好きで
列車の走るあいだ ずっと
ハマグリが夢をみる話とか
食べられる星を手に入れた話とか
 ....
たりぽん(大理 奔)さんのおすすめリスト(4281)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夜ノ電球_- 服部 剛自由詩15*07-5-29
新しい町- 葉leaf自由詩15*07-5-29
大人の恋- たもつ自由詩23+*07-5-29
夏までの波- 銀猫自由詩21*07-5-28
五月考- 嘉野千尋自由詩10*07-5-28
面影- 千波 一 ...自由詩30*07-5-28
いちたすいち- 恋月 ぴ ...自由詩42*07-5-27
幻視顕微鏡- 嘉野千尋自由詩61*07-5-27
愛の夢- 塔野夏子自由詩6*07-5-27
紫陽花- umineko自由詩17*07-5-26
舗装されていない道- チアーヌ自由詩1207-5-25
沈黙と蝶- 石瀬琳々短歌14*07-5-25
そんなふうにして過ぎていく- 望月 ゆ ...自由詩56*07-5-25
岡部淳太郎「迷子_その他の道」に寄せて- ふるる散文(批評 ...10*07-5-24
「_蟹。_」- PULL.自由詩19+*07-5-24
初夏の背中- 銀猫自由詩19*07-5-23
侵入- たもつ自由詩1407-5-23
「秒針」- ソティロ自由詩11*07-5-23
- 暗闇れも ...自由詩1307-5-22
生まれてみたい- 千波 一 ...自由詩17*07-5-22
光まとい- 石瀬琳々自由詩17*07-5-22
アンタレス_- Rin K自由詩33*07-5-21
九百九十九年- 岡部淳太 ...自由詩16*07-5-21
密漁- はらだま ...自由詩29*07-5-21
ゆげのむこう- 服部 剛自由詩19*07-5-21
海と声- まほし自由詩36*07-5-20
あしたのわすれもの- たもつ自由詩907-5-20
蒲公英(たんぽぽ)- まどろむ ...自由詩8*07-5-20
夕日- 水在らあ ...自由詩54*07-5-20
砂浜に絵を描く(マリーノ超特急)- 角田寿星自由詩707-5-18

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