かさむ 夜のしおり
長く 読み続けた 香りに

ぽとり と落ちた
蜃気楼

恵みの火
溶けない爪のくず

明日というものが
あるらしい

たたむ手を
寄り添わせないよ ....
気がつかなかった
包丁で
指先を切ると
鈍い音がした
そこに涙が滲みこんでゆく
指先から
手首

二の腕
鎖骨
うなじ

錆びついてゆく
どれも好きな部位からだった
限 ....
ハイヒールはきまって
痛く、

ブラはとてつもなく
窮屈で、

顔は化学物質で
かぶれ、

「とにかく男は食べごたえ満点、がっつり和食が好き」
という記事を読みなが ....
雨の日 音は海辺を描いた
さまざまな色を塗り重ねた
色はどれも少なかった
月や花からわけてもらった



銀と灰
黒と金
もっといろいろ描けたのに
ずっと待ちくたびれていた ....
逮捕されたそのオトコには
十億円の借金があったそうだ
四十年のジンセイで
どうやったらその借金が出来上がるのか
そしてそのオトコの数年は
十億円の価値のある
ものだったのか
それとも
 ....
紅の 木の葉を一枚 拾った

数分後

とぎれ とぎれの坂道の片端は 黄色に染まっていた

この先に かわらない夏の想い出を忍ばせて なんて

知ってか 知らずか
ススキ野 原が 北に向かって揺れている
渇水した南風 けだるい西日
東から 懇願の声が聞こえる

私もそこに加わろう
この手に 白い穂を付けて

太陽の光りがいつまでも照らし続ける体(茎 ....
 
 たった一言交わして
 すれ違うだけの人にも
 私を憶えていてほしい
 それは贅沢なことだろうか


 食卓や墓地や廃屋にさえ
 いつも人の面影があった
 私の生まれは人だから
 ....
なんて轟々と風が吹く

許されるなら
風の中に立ちつくし 
空を流れる雲を
姿を変える様を
こころゆくまで見ていたい

いつの間に
私は
誰に許しを求めてる 
何に諦め
譲るの ....
強気になって
世を吸い込む。

どんな詩人も書きえぬ悲しみを
歳老いた8月に
ひたすら閉じ込めて。

別室で寝る夫婦。
話す事を忘れた兄。
母を知らない父。
家を無くした姉 ....
結婚したてのころ
奥さんがバスンバスン布団を叩く音を聞いて
親のかたきじゃないんだから何もそんなにまで
なんて思ったけど
十年目に
「布団は親のかたきなの」
衝撃の告白
親のかたきに ....
微かに風が流れる

この部屋は寒いから

暖めて 

少しでも長く

この時の中にいたいから

「温めて 私を」と

誰にすがる言葉

幾つも泡になって消えて

どこま ....
街灯を転々と遊びながら帰る
競う人もいないけど
ただ歩くことはしたくなくて
誰もいない夜道をケンケンしながら進む
窓からこぼれる光がなぜか寂しくさせる
子供みたいに
ずっと
帰りが遅いと ....
ダントン課長は本来は古いタイプ
事務職の姉さんたちがウルサイから
お茶を自分で入れて飲んだ

ノルマのこなせない私に
容赦なく怒鳴るくせに
飲み会ではセクハラ
帰り際こっそり
「仕事な ....
夕立でもぎ取れた蝉が
丁度今乾き切りました
私はアスファルトに足を揃えました
腹をかえし対の肢を合わせたその亡骸は
無音の言祝ぎでした


夕立のあと再び燃えていた日は、結局 ....
エアコンのない、
中途半端に古い家にいるものだから、
ほんとに蒸し暑くってかなわない。
料理なんかする気力ないし、
食欲ないし、
おまけに、
部屋のなかがへんになまぐさい。
生ゴミが腐っ ....
家族と走った8万キロ
一人で走った1万5千キロ
家族に内緒の5千キロのうちわけは
君だけが知っている
あの人の ま白な指が
麦茶 冷やす 流水の川を
チロチロ と 泳ぐ朝

日傘の 影から
「日に焼けたくないのよ」 と
うなじに一つも 汗をかかずに
水辺色に 魚跳ねる
絽の着物 着て
 ....
夜道
眠りかけた草木の
濃密な薫りの中

歩く私の瞼は
少し重たい


やがてひとつ
ふたつと
意識の枝は
折れていき

私は一本の
幹となる



望む以外の答え ....
美しくない夕日などあったでしょうか
山の稜線に影を落とし
上空を見上げれば
雲が山の彼方から淡い橙色に染めあげられています
山と雲の間を
黒い点のようなものが
こちら側からあちら側へ ....
うまれおちたとたんに
呼吸のしかたを忘れてしまった
たったいま、吸い込んだものは
なんだったろう


流れてやまない日々は いつも
右手を砂へ
左手を空へと のばして
手をつなぎたが ....
うどんが大好きな
赤い色のキツネと緑色のタヌキが
おいしそうに
とんこつラーメンを食べている夢を見た

なので
翌日の昼飯は
バジル入りトマトソースのパスタである。

何ゆえに?
 ....
勝手に傷ついて

眠ってしまおうとした

名残りに

カアテンの間から見たのは

氷の海に漂っているような月で

たぶん

あの人はいま お喋りに夢中で

あの月の悲しげな ....
風が私の輪郭をなぞる
私は風によって顕れる
その刹那
私は世界だ

世界が終わるとも
声は続く
風の意志は続く
世界は風によって名付けられ
名は風に隠されている
声は名 ....
夜の帳がすっかり落ちて
テレビに何も映らないのに
今夜も私は 不眠症
仕方が無いので羊を数えて
眠りに就くのを待っている

朝の日差しがカーテン越しに
透けてぼんやり霞む頃
1万飛んで ....
 複数の愛人たちとのボウリングのやりとりを
 やめようとおれは思ってる
 言っておくが
 おれはプロボーラーではない
 はみ出し刑事でもない
 紅茶の入れ方はうまいことと
 切ない ....
道化のまわりに
積み重なる吸殻
泣けないもの
くすぶるもの


二から三へと流れる指先
後ろ手に札を隠し持つとき
風は冷たい


はためくテントの継ぎめから来る
 ....
空は氷点下どころかマイナス240度に下がって
熱いのは内部だいつだって
だからいま昇りかけてる太陽だって
氷点下の空が無邪気に冷めた顔をしたって
気にしないで熱くなる自分勝手

何度目の飛 ....
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=8106
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=8192
http://po-m. ....
雲のない
ブルー・スクリーンを仰ぎ見ても
語るべきものなど何も残されていない
サイレント、ひとつ
崩れながら包み込まれる

ネイティブ・アメリカンに
インディアン・サマー ....
たりぽん(大理 奔)さんのおすすめリスト(4281)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
消して- 砂木自由詩13*04-10-18
- バンブー ...自由詩404-10-15
女の詩- 月山一天自由詩104-10-12
雨の季- 木立 悟自由詩504-10-11
十億円コミュニケイト- umineko自由詩904-10-7
それぞれの秋- ひより自由詩804-9-30
燃える秋、ススキ野_原で。- 千月 話 ...自由詩8*04-9-28
人_(2004.9.25)- 和泉 輪自由詩2904-9-25
しがみつくのはやめて手を離せ- 蒼木りん自由詩2*04-9-8
ありふれた痛み- 月山一天自由詩5*04-9-7
スイッチ- たもつ自由詩6004-8-17
水槽の部屋_- 蒼木りん自由詩2*04-8-12
夜道- 暗闇れも ...自由詩3*04-8-12
営業課長ダントン- 木葉 揺自由詩10*04-8-2
忘刻- A道化自由詩1304-7-28
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10万キロメートル- 山田せば ...携帯写真+ ...1004-7-26
白魚- 千月 話 ...自由詩9*04-7-23
夜道- 松本 涼自由詩4*04-7-4
夕日- ワタナベ自由詩904-5-24
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さぶ〜意味なる効果- 千月 話 ...自由詩6*04-5-20
寒月夜- 蒼木りん自由詩4*04-5-7
かぜ・こえ・かくれな- いとう自由詩1704-4-27
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複数の愛人たちとのボウリングのやりとり- カンチェ ...自由詩704-4-7
ノート(道化)- 木立 悟自由詩304-4-4
あけがたのうた- 佐々宝砂自由詩404-3-27
最終レレレのレッ!(付、遠州方言)- 佐々宝砂散文(批評 ...5*04-3-10
サイレント、サイレント、サイレント、- いとう自由詩33*04-3-8

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