密触
相馬四弦

夕闇が水面を眠らせる

山頂に並ぶ鉄塔が月輪を支えて

溜池の柵に突き刺さった雲影

何処へつづくのか知らない獣道を

あなたの手を引いて走った

互いの体温は確かなものだったけど

どうにも電気的な生滅交感

囲う枝振りがどれも嘲笑に見える

欠けゆく月

腐葉に足をすべらせて

泣き叫んだ密密の山


自由詩 密触 Copyright 相馬四弦 2005-10-26 21:39:03
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