ああ素朴な人に会いたいのだ
こんな
読めない漢字のように
むずかしすぎる人々にもまれて
どこでなんの役に立っているのかわからないような
仕事をしている
サラリーマンの僕ならば

階段の ....
深夜の浜辺で
青白い顔をした青年は 
{ルビ焚=た}き火の前で{ルビ膝=ひざ}を抱えている 

肩を並べていた親しい友は 
すでに家路に着いた 

胸の内に引き裂かれた恋心 
誰の手に ....
まだ小学校に入る前だと思う
うちによく関さんが来た

今度の日曜日、関さんが来るそうだ
父が言うと
あら、じゃあ美味しいもの用意しなくちゃ
それが母の決り文句だった

僕は関さ ....
俺を慕う女性ファンの皆様、幻滅させたら御免なさい。
つい昨日、ストリップバーに行って来ました。
ですのでこのお話は基本的に節操なしのエロ話です。

男性諸君は気が向いたら呼んでくれたまえ。
 ....
どんよりとした鉛色の雨が、わたしの空洞の胸を
突き刺して、滔々と流れてゆく冷たさが、
大きなみずたまりを溢れさせている。
みずたまりには、弱々しい街灯の温もりによって、
歪んだ姿のわたしの言葉 ....
夢のつづきを上映なさる、
あめ色に半透明な
翅のスクリーンに

隙もなく並べられた円卓が。
潤む瞳、
凸レンズ式の

灰皿におとした視線に煙り
鉛の筆跡で笑えず。
夕べは、霧の森で ....
髪をゆるやかに洗う春
花たちを促し
か細くささやく夜
はらはらとお話

本は開いたままに
ゆらり眠り
ホルンの音が耳に
夢に妖精が踊り

そっと見ていて
あの歌
空と大地に触れ ....
おばあちゃんがすばやく縫ったのは

転がったネコ
むっつりしたサラリーマンに
走るランドセル
白く光る空気の中の
まるい栗畑の景色

白い雲の手袋をしたおばあちゃんが
渡してくれたそ ....
 13歳の私は、キャプテン・フューチャーと火星シリーズと栗本薫の小説を愛した。それらの本はすべて母が母自身のために買ったものだった。母が買ってくる本はだいたいが私の趣味にあっていたし、面白くもあったの .... ただ一度
抱き締められた
その腕は

遠い日の
引き潮のように
わたしを
つれていってしまいました

ここにいる
わたしは
こい を
しているのですか

こい を
してい ....
河口のある町に産まれて
背中が痒いことも
何度かあった
自分に似ているものがあれば
それだけで少し嬉しい

昔の知り合いに
夢の中で再開した
春、と呼ばれて
会話をすることなく
 ....
筆先で湛えきれず
液体が
ぽたり、ぽたり、と
滴るので
両の掌をくぼませて、ふくらみをつくり
上向きに 
すこしかさねて
それをすくおうとしてみるけれど
わずかな隙間を
液体はすりぬ ....
{引用=
雨は左に向かって降っていた
空虚になっていくかかと
「全国駅弁フェア」のチラシ}

ああ、スーパーのカートで
一度でいいからすっとばしたい
新幹線や飛行機とデットレース
しま ....
君を好きでしょうがないので、寝ます。
寝ることにします。

君の好きな歌を口ずさんで学校通ってるなんて、
言ったとこでしょうがないので、寝ます。
寝ることにします。

歌ってるだけで元気 ....
色彩々の
螺旋を描いて
くちびるを震わす風に
ほころぶ花びら
さえずる鳥は枝高く

春のうららに
「なべて世は事もなし」


※「なべて世は事もなし」の部分
上田敏の訳詩を引用し ....
ボルトを緩めると
あめ色が流れ出てきてしまいそうで
おとといから触らないようにしている。

頭の中は、それ。

誘蛾灯の青の下、
ただ、乞うている。

声だけが残る
焼け落ちて
 ....
私が、いくら黒ずんだところで
霊を量れることはない
一度たりとも零さずに{ルビ口遊=くちずさ}むことなどありえない

月が、いくら青ざめたところで
距離に近づくことはない
離れるばかりで引 ....
「お土産は、何がいい?」と
聞かれたものですから
私、何とはなしに
「らっきょう」と答えたの


お父様とお母様が夕食後に奏でる
小気味良い音が好きなのです
ぽり ぽり ぽりり
 ....
「つまらない。」

と思えるほど
慣れたものだ

あとは
今度の花見にかけてみよう

「あのね、金がなくて
 ほんとに 髪を切りに行けないのよ。」

新鮮なものは
とれたての鯖 ....
花曇りの空に舞う胡蝶の
その透きとおった翅を 
欲しいと思う 

やわらかく笑う 
ということを覚えたのは 
いつの頃だったろう 

新しいピンヒールが
足に馴染まなくて 
ア ....
見送るものは、誰もいない。
錆びれゆく確かな場所を示す
冬景色の世界地図を
燃やしている過去たちが、東の彼方から孤独に手を振る。
知らぬ振りをする眼は、遥か反対を伺って、
不毛な距離をあらわ ....
ほど近い、
雨音の届く、
屋根裏部屋で、
眠りは紡がれる。












            了。
新しいページは
触れただけで指が切れるほどシャープで
真っ白いページは
あっという間に血まみれになる

歴史が一度終わって
すぐにまた
次の歴史が始まったのだが
あまりにも鮮やかな手口 ....
星の茂みの広がる{ルビ遠音=とおね}の空で
回音をのぼりつめて円頂で弾け

ふくらんでゆく
重い光で発散しながら
無重力して律動する心臓
瞬く今晩は

{ルビ青柳=あおやぎ}に迷蝶がさ ....
{引用=そんなことより私、空を
さかさまに見る方法を知りたいの}


少女のすっと透き通った声
は何ものにも染まらない唯一
瞳は映した空を綺麗に切り取って
私はあの子に、
あの子の繊細 ....
ターミナルに出ると
うす青い空が広がっている
通りは車で渋滞していて
そのまんなかでは 赤信号が
意味をさがしながら
点滅する
帰らなければ、と漠然とおもっていた
帰ろうとするその方角を ....
わたくしはなりたい あなたに
好きからはじめる花占い
かならず好きで終わるから


弘前のあなた 今年も綺麗に咲くのね


好き
嫌い
好き
嫌い
好き


幾度やっても ....
雨を避けながら私は歩いている
傘に守られて私は歩いている
円形の
ぽっかり浮かぶその空間で
私は世界を眺めている

雨粒が傘の端から端から
あふれるように流れている
それは本来私の上に ....
きみと二人腕組み
帰りに祭りの町へ出て
当たり前のように落ちていた金を拾い
500と100と10円を分け合って
屋台で買い物でもしよう
桜の花祭りの角を曲がれば
私の田舎の田んぼ道で
住 ....
      がっこうのりかしつにはウーパールーパーがいます
      ちいさいときはすごくかわいかったけどいまはぜんぜんかわいくありません

{引用=

       
         ....
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