息をすって
息をはいて
それを一緒に
森の中で

雨にぬれて
森の中で
息をすって
息をはいて

おまえのこころ
いばらのとげに
息をすって
息をはいて

 ....
エレベーターに乗ろうとして
エベレストに乗ってしまった
家のローンもあと二十年くらい残ってるのに
まさか自社ビルで遭難するなんて
眠ったまま電車を乗り過ごすこと数回
失恋十数回
上司に怒鳴 ....
ごらん、
と指さしてみる北星座
黙ったままの唇を花のように開き
言葉ではなく感覚で知るものがたり
静寂だけが支配する夜だ
暗い森を裸の足で駆け抜け
青い草いきれの洗礼を受ける


星 ....
  思い出すためではなかった
  あの日 あの時 あの場所で
  明るい夏の陽を浴びたのも
  あのひとの横顔に
  静かでみじかい恋をしたのも



  語るためではなかった ....
名を忘れ鴉にもらう夜明けかな



戸惑えど戸惑えどただつづく道



灰と種そのどちらにもなれぬ我



けだものに寄り添いて笑む夜風かな



終わりへ ....
そう、バイオリン
君は三角関数を使った見取り図で
明らかになる情熱の核心に向かって
音を奏でればいい。

そう、トランペット
君はハッブル定数を感情に見立てた
弛緩する精神に緊張を持ち込 ....
地球上の七割は海で覆われているって言うけれど
性懲りもなく奪われてしまう命のせいで
哀しみばかりが満ちてきて
涙で水没しそうな勢いである
毎日どこかで涙が溢れ、乾く暇もなく
陸地面積を脅 ....
何を思い出せば
幸せになれるというのだろう


始まりは
遠い海の底の夢でした
船底を擦るようにして
人は、人は旅に出て行くので
いつか大きな音を立てて
傾いていく私たちのために
 ....
一.


番号をつけるかわりに
名前をつける
えんえん正しい
回路
いつか誰かにのぞまれる手
という呪文




二.


ステップが日の長さに合わない

れんげは ....
夕暮れの約束は
ほとんどが嘘で
たとえば

じゃあまたねって
手を振る人と
再び
逢えたためしがない

悲しいメロディが
そらを覆う頃
私は
いつもひとりぼっちだ

夜を
 ....
動かない空気のなかで
宛てもなくひらりと
便箋を翻すと
そこには
まだ言葉にならない溜息やのぞみが湧きだして
いつの間にか黒い模様を描きはじめる


遠くへ帰るひとを
いま見送っ ....
(行方不明になる少し前の光景)

そう、いつか南風に
わたしの髪がながされて
地平線の水色に
例えば(紅い花を)
あるいは羊雲の群れに
かすかな共和国のひびきを感じたとき
わたしの名前 ....
薄暗くて
静かで
エアコンがよく効いた
水族館で

きみは

狭い円柱状の水槽の中を
鰯の群れが
回遊し続けるのを
呆然と見つめながら

「なんか気持ち悪い」

って呟いた ....
舞台の上に寝台
そこにひとつの意志が 表面に暈色をまとい
硬質な眠りを眠っている

舞台にはさまざまな役者が登場しまた去り
時に祭りのにぎやかさに溢れかえる
けれど意志は眠りつづけている
 ....
遠い視線につらぬかれた夢のゆらぎに
ことりのさえずるこもれ日がそよぐ

おおきなまなこの
星夜のような瞳が
瞬きはせずに
宙をみつめている
しろい肌には
翼がしずかに舞いおりていた
 ....
真っ赤なポストを死顔みたいに撫でると雪

灰踏み固める笑顔第二波期待して

テーブルを隔てて海と侵し合う

降りるあてのない壁の上歩いている

暁の尖端で虫が震えていた

悲報掻き ....
いつだって君はそうなんだ
本当は塩ラーメンが食べたいくせに
なんでもいいよと答えてみせる
そのくせ
味噌ラーメンを食べたあと
必ずこう言うんだ
塩ラーメンが食べたかったのに


アイ ....
知らない道を歩く

あたしは誰に会いたいんだろう


スーパーでおっさんが店員を怒鳴りつけていて、萎える。

いつもの店に寄ろうとしたら、苦手な客がちょうど一人きりだったので行くところが ....
カーテンの裏に潜んだ結露を
指でなぞると
するすると雫は流れ落ちて
行き場のない小さな水溜まりは
冬の外気と人の温みのあいだで戸惑っている

わたしはうっすらと冷えた指先を持て余しながら
 ....
誰もいない
鳥の声もせず
花粉ばかりが熟れて

待ちわびるのは
ただ明日
酔いのまわった宴会の帰り
どっか行こう
って誘ってみた
絶対
ついてくると思った
勢い良く
地下鉄に走りこんだら
すでに息が切れていた

駅を三つくらい行く間に
すでに醒めていた
 ....
君の左胸に棲むような美しい臓器になりたい


カップラーメンに朝日差し込めばきっと天使の死期も近い


冥王星なくなり平穏に過ごす日々


まさか虫歯にチェンバロが効くとは
 ....
                 

今日はじめてモノレールに乗ったよ
淡いブルーと白のツートーンの車体だよ
眼下に広がる町並みを
地平を徘徊する太陽が
だいだい色に染めていったよ

 ....
今日は朝から
角を曲がる犬にたくさん会った
いま目の前を歩いているこの犬も
やがては角を曲がるのだ
君にその話をすると
頷きながら聞いてくれたけれど
僕がどれくらいの角を曲がってきたのかは ....
あめのなかに
ゆきのまじる


ぶーげんびりあの
かねのねの
音のあまつぶ
しらゆきまじる


むすめはやらない
むすめはやらない



{引用=三つで病に
五つで迷子 ....
そのように、生きてみたいと願う
いつまでも二階より上の景色に臨めなくても
遠い車窓に同じ肩幅で揺れているだけだとしても


ノイズ混じりのカーラジオの表面に
透き通らない感情を混ぜている
 ....
瑠璃、瑠璃、瑠璃、瑠璃、
瑠璃色の

海、海、海、海
海の下

珊瑚はお手手をいっぱいに広げていたい
広げてお日様を集めていた
お日様を集めて花嫁の衣装に

花嫁さま
しずしずと ....
       1

鎖骨のようなライターを着火して、
円熟した蝋燭を灯せば、
仄暗いひかりの闇が、立ち上がり、
うな垂れて、黄ばんでいる静物たちを照らしては、
かつて丸い青空を支える尖塔が ....
終電終わってんのにこれから行けるわけないでしょ
酒もかなり入ってるから車も出せません
ぢゃあそういうことでバイバイ
って電話を切った10秒後には
予想どおりブルブルしてるバイブ機能

ハイ ....
夜、
左の肩甲骨に
小さな傷が生まれた
羽根でも生えてくるのなら
わたしはきっと毟り取ろう

朝、
柔らかい霧雨が降ってきて
わたしは傘を捨てた
強く責めるなら抵抗もしたけれど

 ....
たりぽん(大理 奔)さんのおすすめリスト(4281)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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ふゆのさかな_・1- 銀猫自由詩40*07-1-26
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