擦り切れた指先でなぞる未来も持たず
一瞬の刺激
読み捨てられる雑誌のように
そのために私たちは在るのではない
愛しているという言葉は
搾取するための言葉ではなく
私たちもそれを望んで口にし ....
冬が終わりそうなので
ひだりの方を向いたら
そこにはひだみがいた

ひだみと名づけられたひだみは
自分が何であるのかわからないので
大そう困っている

僕もひだみと言ったものの
ひだ ....
てのひらに乗った 雪が
溶け出して、僕の
一部になってゆく
降り始めに気がついたのが
どちらだったか
もう忘れてしまった

雪は
これで最後かもしれない、と
最初に言ったのは君の ....
ガラクタ

ずっと抱えてた

重みで腕が青くなっても

壊れた破片が肌に刺さって紅くなっても

ぎゅっと抱えて放さなかった


他のだれがそれを

"ただのガラクタ ....
わかんなくていいよ
そういってウミスズメは
うなだれて水に入った
ここの漁師たちは野蛮だから
ライフルを持って船に乗る
水面下を飛ぶように泳ぐ君を散弾で撃って
ああ そうさ ....
ベニヤ板敷き詰めても敷き詰めても虹

脈絡あり命に別条空に船

囲まれて災禍に値する喝采

庭園中に仏壇ひらく昼下がり

目に見えぬうたになり推し量られる

極度に簡素化されて棒に ....
稲妻でみんな酔って終われるって言うから此処に来た
だから早くそれを出せばいい
そう言いながら手を傷つけて血を流しながら
貝殻を握りつぶしている友達を笑って見ている
俺たちはライトアップ ....
ゆるゆると満ちてくる赤
だんだんせり上がってくるリズム
貝がらの渦のような目眩
たゆたう蝶がまき散らす
媚薬のきらめき

目をとじて
心臓 打つ音よりも早く
先端 行きついたら
突き ....
いきなり
砂から 立ち上がって
わたしの目の前で
復元する ひと
ああ! 
上司のお母さんが亡くなったので
お通夜に行くことになった
周りの人の香典をいくつか預かり
初めての列車に乗った

これから何度乗る機会があるのだろう
列車は住宅街を抜けるように走った
民 ....
そして日々は
あっち行って
こっち行って

僕らみんな
あっち向いて
こっち向いて


ほい

ほい

ほいほいほい


しっぺ

でこぴん

 ....
通り過ぎた 風さえも

気付かずにいた

砂が音を立てて動く様を

刻々と形を変えて

時の流れを映し出す


あれは


昔見た

深海の物語
 
 ....
みんなエアギターを弾け!
いやギターじゃなくてもいいから各自エア○○をやれ!
エアでやりたいことをやれ!
やれないこともやってしまえ!
俺はエア全てやるぞ
エアメルセデスに乗って
エア最高 ....
触れたところから崩れていく
もろいビスケットの空
投げた言葉も跳ね返らない
石畳を、転がるように

冬を塗りつぶしながら
配達夫が窓をこじあけていく
のびあがっては、きりきりに締め上げる ....
薄曇の昼下がり

住宅街の静けさは重苦しい
声をからして叫んでも
余計に淋しくなるからやめておこう

無表情に時を告げる時計
窓の外には音もなく揺れる小枝
こんな日でも世界は動 ....
針のあなに
糸をとおす
磨硝子からにじむ
光のあわい
しずけさ
のおくのほうから声がする

……わはわをたまわる)

柔軟にしなう
わたしの呼吸をなぞるのは
失われた かなしみ
 ....
そういう僕をきっとしかるけど
おもたい胸はまだしずんでく

あふれだすことばに
意味はもうないけれど

目をとじればちかいのに
静かにとおくへいったから

きっと僕らは さよなら ....
何気ない言葉が 僕の支えになって

ありふれた幸せが 僕の救いになって

そんな日常が 宝物になっていく
{画像=070219164910.gif} 流れ落ちるだけの空虚な時の水を
この手でせき止めてはみたけれど
やはり指の間から
少しずつ滲み出してきて
乾いた瞳を潤した

あなたの陽だまり、に
包まれていたことを ....
ヘッドフォンからクラゲが出てきた
きちんと右と左から
透き通るその姿は美しかった
片方が大きくなると
一方が小さくなったり
それぞれ浮いたり沈んだり
その度にひらひらと舞う姿は
まさにハ ....
グラウンドを白線が伸びあがり
休日の足跡をふまえるとき
光線はオレンジの斜面を傾ぎながら
予定の収穫を浚おうとしている

土の内部から気泡が生まれて
倒れた彼女を包み込んだけれど
それは ....
持っているの?
あなたに尋ねられて
思わず
持っているよ。そんなものと
答えてしまった
だけどね
ほんとはね
バッグのなかを
さんざ探しても見つからなかった
どこかで買えるのかな
 ....
いつか君の病気が治ったら
どこにでも行こう
そのときまでに俺は
いろんなところを見ておくから

いつか君の病気が治ったら
カンパイしよう
缶ビールでいいよ
もう薬はいらない ....
夜に開いた
隙間を
埋めるように
雨の旋律が
耳に届いて
孤独にいる者の
遊び相手と成りはしないだろうか
滴の奏でる音が
たった一人の為の
優しさとなって
降り注いで
あなたは雨 ....
咳をしたらたまたま側にいた
隣の課のえむさんが
フルーツのど飴をくれた
えむさんがフルーツのど飴を好きだなんて
初めて知った

えむさんは僕より十歳くらい下の女の子だけど
背は僕より十セ ....
不愉快な覚醒が
北寄りの強い風で更に増して
両手の無意識がコートのポケットを探す
ひんやりとした裏地や
捨て忘れた入場券に
指先は触れているが
今はそれより風から逃れたい


月 ....
ただひとつ言えることは
私を

支えられるのは
死者だけだということだ

生は
やがて消えゆくけれど
死者は
私を裏切らない

心変わりも
たぶんしない

私は
幸せにな ....
鳥たちのあざ笑うさえずり
何かの象徴のように
そこにいるしかない僕を笑う
鳥たちは羽ばたく
そしてまた明日には戻って来るだろう
いつまでもそこにいる僕を
また笑いに来るだろう  ....
遥かに遠くに満ちてゆく、夢のような泡立ち。
その滑らかな円を割って、
弱くともる炎。
最後のひかりが、睡眠薬のなかに溶けてゆく。

みどりで敷きつめられた甘い草原。
潤沢なみずをたくわえて ....
たりぽん(大理 奔)さんのおすすめリスト(4281)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
軌跡鎮魂歌- アマル・ ...自由詩10*07-2-25
ひだみ- たもつ自由詩1007-2-24
ラスト・スノー- Rin K自由詩41*07-2-24
ガラクタ- 三架月 ...自由詩7*07-2-24
知っているか- 水在らあ ...自由詩32*07-2-24
運命共同日月火- 黒川排除 ...川柳607-2-24
稲妻でみんな酔って終われるって言うから此処に来た- 水在らあ ...自由詩46*07-2-22
月夜の幻影- 渡 ひろ ...自由詩5*07-2-21
そろもん(感嘆符の話)- みつべえ自由詩607-2-21
迷信- たもつ自由詩907-2-21
そして日々は- 水在らあ ...自由詩16+07-2-21
風紋- 彌月自由詩10*07-2-21
夢見るエア- 新守山ダ ...自由詩1407-2-21
車輪のさき- しゅう自由詩707-2-20
「だって僕はここにいる」_(青年詩片)- ベンジャ ...自由詩5*07-2-20
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とじればちかく_ひらけばとおく- hash自由詩107-2-20
タカラモノ- 蒼穹自由詩6*07-2-19
上下左右- 佐々宝砂自由詩20*07-2-19
ひだまり_〜桜のころには〜- Rin.自由詩16*07-2-19
クラゲ- ぽえむ君自由詩24*07-2-19
気泡- hon自由詩507-2-19
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えむさんの草原- たもつ自由詩3707-2-17
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夢の経験- 前田ふむ ...自由詩24*07-2-16

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