きれいな若者たちが
無惨な船首に触れるとき
潮騒は
永遠の座を退こうとする

これまでもこれからも
財宝は
何一つ約束を交わさない
けれどもそれは
語り継がれず
求めるこころの ....
眠る肢体の硝子の呼吸に
空の落下を錯覚する
心音の宙に浮いてきそうな静けさに
めまいしてうつむく不意なかたちで
水性のからだへと溶けそうで
うわ言をもらすあなたの手に
ドライフラワーを一輪 ....
冷蔵庫から ほろ苦い
コーヒーゼリーを取り出した
冷風吹きすさぶ 一番上の段
甘いフレッシュの上で
体育座りしている
君を見つけたのは
午後3時

 ああ、寂しかったんだね
 今日は ....
よーい どん

合図のピストルを撃てば
電柱が走りはじめる

電線にとまっていた
鳩の群が一斉に
バカボンの口のような
夏の空に
飛び立ってゆく
これで いいの か

ざわわ
 ....
水が割れるのです

いま
指先の銀の引き潮に
水が
割れるのです


うなじを笑い去るものには
薄氷の影の匂い
たちこめてゆきます
たちこめてゆくの
です


紫色の ....
ばっさり斬り落とした短い髪に
唖然とたたずむ
 (なんか、めんどくさくって
照れたように君が笑う
右の頬を隠して

僕の知らない君の夏
正しい折れ曲がり方なんて
よく分からないけどさ
 ....
祈りを土に捧げましょう

記憶は
ひと知れず育ってゆきますから
たくさんの道で迷えるように
そのぶんしっかり
戻れるように


空を翔ける翼のない者たちは
すべての責任を
空に負 ....
木、その大きな直立
階段でいっしょになって笑い
二段抜かしをした九歳のように
セミの声だけが
音でよかった
根元に座って
レンガらしいレンガばかりを
レンガと呼び
それ以外のものは ....
その者はすべてを悲しくひきよせるという
そして誰も味わえない果実を実らせている
たったひとり)

わたしは{ルビ縁=ふち}の無い波紋であり
行くあてのない
昨日が
おいでおいで
と手招 ....
うたたねをして目覚めると 
一瞬 {ルビ黄金色=こがねいろ}のかぶと虫が
木目の卓上を這っていった 

数日前
夕食を共にした友と 
かぶと虫の話をしていた 

「 かぶと虫を探さなく ....
この向こうに、
きみへの窓があると、
そう信じていた夏。

返ってくるはずのない、
手紙を書き続けていた。











 ....
熱量の足りない夏空の狭間の
ゆうやけ お山の向こうから
密やかに流れるジンタのリズム
風孕む ヒグラシの声
茜蜻蛉が沸き上がり
大時代なメロディに乗ってピエロが
一つトンボをきってジャ ....
わたしの余白には言葉を埋めないで、
どうかそのままにしておいて下さい。
あなたが埋める言葉はとても想いので、
ふたりはいつも沈んでしまいます。

句読点のない ....
一羽の鳥が空をゆく

わたしには
その背中が見えない

いつか
図鑑で眺めたはずの
おぼろな記憶を手がかりに
爪の先ほどの
空ゆく姿を
わたしは
何倍にも引き伸ばす

こんな ....
パンに トマト ぬるぜ

カタルーニャ式 だぜ これ

オリーブオイル かける よ

バージン エクストラ です よ

たまご も 焼いちゃう 

べーこん イベリコ豚 だよ 
 ....
自転車から転げ落ちた
右の頬の痣と 切れた唇
またそんなに酔っ払ってさ
殴りあう暇があったら
海を見な
切れた唇に
寄せる さざなみ

笑い声は
痛いこともあって
七色 ....
昆布の匂いがする、と

おんなの言うままに
おとこはそっと確かめてみる


漁師町で育ったおんなは
季節ごとの海の匂いを
知っている

おとこは
ただなんとなく海がすき、とい ....
長い間
{ルビ棚=たな}に放りこまれたままの 
うす汚れたきりんのぬいぐるみ 

{ルビ行方=ゆくえ}知らずの持ち主に 
忘れられていようとも 
ぬいぐるみのきりちゃんはいつも
放置され ....
煙が騒然となった世界を包むとき


一輪


そうして誰も知らないものが
世界を包むとき


アルファ ベータ



夜を掴むだろう
オパール・グリーンの夜明け
褪めた窓
虚空を漂う巨大なビルボード
モノトーンの呟き
夢の露頭
遠い風
コロイド状の街燈の光
見えない傷と瑕
古びたソファー
非在の時空に架けるピンクの ....
一滴の私は
無数に砕けて
無数の私

意識
もう
瑣末なことは
見えない
見たくない

ことば
ことばにまぎれ
あなたが見ているのは
ことば
私ではない

無数の針を ....
晴れのち曇り 雨 みぞれ

空のほんとは
どの日でしょうか

わたしたちには
空を知るすべが少なくて
たまたま覗いたその日の空を
強くこころに
留めがち
です


吹雪  ....
「糸」

イト



「糸でできたおうち」

イト



「問うたばかりにへこんだおうち」

トイ 



「問い」

トイ
五山の文字の
ゆえんなど知りません
それでも私は
わずかに香る炎が尽き
夜が少し涼しくなるのを
ただ待っているのです

まだきっとどこかで生きているだろう
あなたを見送っているのです
 ....
五月晴れの代わりに雨だれを聴いていた

灰色の鬱屈が繭のように気分を丸め込む

長過ぎた梅雨の間に熟成され黴びた心は

あおく澄み切った夏空に溶け出していく

剥き出しの感受性は些 ....
その穴に吸い込まれたら、

そこからは何が見えるのだろう?

アイツも見えるのかな。
ぼうや

物事には
三種の仁義と いうものが あるのよ。

バブル全盛期
汗も 涙も 散りばめて
狂ったように 踊っていても

楽しくて しかたない 振りをして
頭は 遣っていたも ....
老舗だから とか
俳句載ってるし とか
そんなことより

側面に付いてる「計量目盛り」!
あれが大好き

意味のないことに
夢中になれる素晴らしさ

私にとっての
詩と同じ
空虚な腹部で
命と鳴いている
今日は夏だ
われんばかりの空だ
あぁ、こぼれてゆく

大地の精霊を
宿す
からだは
青空のもとで響く
首すじに光る雫を
ハンカチーフにすっと吸わせる ....
各駅列車がゴウンとかガタンとか
あんまりうるさい音で行くので
旅の記録も記憶も
まるで陽炎のように歪んでしまいそうです

最近では冷房がしっかり効いていて
天井の扇風機はすっかり黙って ....
たりぽん(大理 奔)さんのおすすめリスト(4281)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
座礁- 千波 一 ...自由詩10*06-8-25
帰省- こしごえ自由詩13*06-8-25
寂しかったんだね- 千月 話 ...自由詩12*06-8-24
電柱- tonpekep自由詩8*06-8-24
十六夜- 千波 一 ...自由詩19*06-8-24
檸檬色の夏- 佐野権太自由詩39*06-8-24
祈りを土に- 千波 一 ...自由詩13*06-8-23
旧友- たもつ自由詩1706-8-23
静止する声- こしごえ未詩・独白10*06-8-23
探しもの_- 服部 剛自由詩16*06-8-22
「_夏影薄命。_」- PULL.自由詩13*06-8-22
*流れる星のさーかす_13*- かおる自由詩5*06-8-22
「_余白。_」- PULL.自由詩18*06-8-22
鳥のうた- 千波 一 ...自由詩17*06-8-22
イベリコ豚- 水在らあ ...自由詩39+*06-8-22
ハッカ水- 水在らあ ...自由詩25*06-8-22
海の匂い- 千波 一 ...自由詩18*06-8-21
棚の中のきりちゃん_- 服部 剛自由詩21*06-8-20
銀河- 佐藤伊織自由詩2*06-8-20
MOSAIC_#71- 塔野夏子自由詩4*06-8-19
ミスト- umineko自由詩5*06-8-19
空を想う魚- 千波 一 ...自由詩15*06-8-19
ito- ふるる未詩・独白6*06-8-18
送り火- Rin K自由詩27*06-8-18
*感受性応答セヨ*- かおる自由詩8*06-8-18
- 神音携帯写真+ ...706-8-18
昔は_お立ち台で踊り狂ってた_ママの格言_〜トップ3〜- Lucy.M.千 ...自由詩9*06-8-18
「お〜い_お茶」が好きな理由- umineko携帯写真+ ...4*06-8-18
蝉の日- こしごえ自由詩17*06-8-18
暑中見舞_(旅先より)- ベンジャ ...自由詩8*06-8-18

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