新たに愛したら
この痛みから解放されるのか

かつて愛し捧げ
与えられた
この広がり膿み続ける
空虚な傷口を
スーパーの袋にいっぱいのみかん
向かいの席に座ったおじさん
着いた駅のホームで倒れた
淋しかった夜更けのホームが
めいっぱいの 太陽の色にあふれて 


スマホで救急車を呼ぶ人 
 ....
深い森の中で
寂しいかい?
と聞くと
彼は寂しくないと答え

広い原野にたたずむ彼に
楽しいかい?
と聞くと
彼は震えた声で
孤独だとつぶやく

彼に問いただしても
明るい答え ....
気怠い午後だ。

こんな凪いだ白昼夢に溺れそうな空気には
ジムノペディがよく似合うのだろう。


 神々の祭典だ
と、
教わったのだろうか。
 アンブローシアは、
不老不死の実 ....
たいせつをさがしている
大袈裟でもなく控えすぎず弾力をもつもの

空は低いが僕の中にそれをおしあげる力があるだろうか
誰も風化しない星々も変化しないのではちょっと困るのだ

粘土のように塑 ....
前に体重がかかっていますね
と 足型調べる靴屋さん

胸は反らせているはずなんだが
と わたし

町中を歩いて
ウインドウに映るわがすがた横目で眺めれば
なんと言うことだ
前屈みでせ ....
夜が明けたら
真っ白の世界
魔法使いが杖をひとふり
呪文を唱えた
犬は喜び 庭駆けまわり
猫のあたしも
心躍る

歩道橋ですれ違う子どもはみんな
いつもよりはしゃいで見える

い ....
            151126
稚内から
26時中
わからないから
浮かない顔して
雪虫を眺めてた
あれは15歳の時だった
ナンバー87はと問われ
78ならば受信用5極真空管
 ....
晩秋の黄昏に
チェロの響きが肩に渦巻いて
痩せた胸を抱き包む

明日の朝は
この曲を聴きながら
ベーコンエッグとトーストにイチゴジャム
そして濃いめの珈琲を啜る

そのバロックは
 ....
久々の早帰りに
電話の向こうで
妻が文句をいう
冷凍庫は貴方が
イッパイにした
妻の激流止まず
僕に記憶はない
何ということだ

酔った勢いから
楽天市場の散歩
記憶に無かった
 ....
逃れ去っていく逃れ去っていく記憶の
その核心を掴もうと
広がる鉛の海を泳ぐ、泳ぎ続ける
 
 失われた煙の花と団欒
 終わった関係と更地
 虚脱の時を刻む秒針

静まっていく静まっ ....
ケンケンパ
ケンケンパ

道路にロウ石で丸を描いて

ケンケンパ
ケンケンパ

まるまる転がるよ

ケンケンパ
ケンケンパ

見上げてね

ほっとしてまた下を向き
ケン ....
魂の境を越えた交わりだった
わたしたちは一羽の大きな鳥になって
暁に輝く大河の遥か上空を
風を切り 大きく弧を描きながら
深く埋もれたまま錆びて膨れた散弾
思考に敷かれた玩具の電車の閉鎖回路 ....
もう二度と歌は歌わない
そう決めたのは
合唱コンクールの練習の時
隣の子がクスッと笑ったから
以来本当に僕は歌を歌わなかった
音楽の時間は口パクで通したし
歌のテストの日はズル休みをした
 ....
少年は決意した
高校生になったら
皆の前で
自分の言葉でしゃべると
そのために
今の学校からは誰も受けない高校を
選ぶのだと
例え面接があろうとも
はっきりものを言うと
緘黙していた ....
肉体だけが失われた
魂だけになった人々のすむ世界は
遠くて
案外近い、のではないか

たとえば
風の吹いてくる方角に向かい立ち
乾いてゆく眼球の映す景色が
そのまばたきのたびに
一枚 ....
徹夜明けで深い眠りのはずが
妻の巨大な鼾に起こされた
鬼の居ぬ間の洗濯…
そんな言葉が鼻先をよぎる
買い物ブギなぼくは
一日のうち5%程度はスーパーで過ごしたいのだけれど
鉄拳宰相はそれを ....
流れ星を数える夜は
一人寂しく冷たい黒

おやすみのあとの秘め事は
誰にも気付かれない
空の星を金平糖にして
食べていることも
誰も気付かない
約束したのだ
海のクラゲと
星がいな ....
空の色が無くなり
銀盆のような
アルミニウムの月が昇っていた
少し戸惑いながら
東の空を眺めていたら
雲霞のような
鳥の群れが
北の方角を目指している
不思議ではないのだけれど
ぼく ....
沈潜

水流から飛び立つ鳥達
冷えて透明に波打つ大気に
勢いよく流れ込み同化して
鳴いては耳を澄まし
耳を澄ましては鳴く

大気のコトバ、律動しながら響き
鳥達は従う、向かうべき方角 ....
まひるの余韻が
からだに蓄積して
わたし
気怠く溶けてしまう

触れないゆびの熱が
くうき 揺らして
ざわめいてるのは
柔らかに開いた毛穴から踊る火照り
芯でくぐもる泡気は
微かな ....
一等星か
人工衛星か
わからないから
嫌なんだ
この時代は
虚像が眩しすぎて
たどり着きたい未来を間違える
俺達は
まるで
月に向かって飛ぶ
命知らずの虫みたい
例えば、それは記念日の夕食の
テーブルにある蝋燭が照らす淡い瞬間
ワインで少し赤くなった顔が綻ぶ瞬間
例えば、それは久しぶりに家族で行く海外旅行の
澄み渡る天の青を仰ぎみる瞬間
遠くに見える ....
ゾウさんのお鼻は
不思議な鼻だ
バナナをつまんでお口に入れる
水を吸い上げシャワーする
敵をひっぱたく武器になり

ああ きょうは
少年ゾウのまたの間から
鼻を入れおちんちんをいらって ....
狡猾であり
幼稚でもある
すべては悲しく美しい
そう
狡猾であり
幼稚なのだ

幾日も 
幾年もかけて
日が沈む
その終末の真っ赤な空を
眺めては小さな飴を頬張るように
感慨に ....
きみの右目から1センチ
ちょこんと座るちいさなほくろ

きみの瞳はまぶしすぎて
見つめ合うことなんてできそうにない

いつも逸らした視線の先で
そっと目が合うちいさなほくろ

ぼくを ....
いっそ
このまま
逃げてしまおうか。

という純粋は、

間近に控えた病床での浅い眠り
耳鳴りのような
譫言を以て
熱を
帯びるのでしょう

少女の恋する瞬間は
レモンバ ....
       151122

7号のクリスマスケーキを注文する
7号は当店の標準品ではありませんから
1ケ月前までに願いますと言われ
うーむと呻る
電話口では顔が見えない
見えなくて良か ....
ヨラさんは小児麻痺だった
ヨラさんはよく笑った
ヨラさんはそのたび涎を机に垂らした
ヨラさんは頭が良くてクラスでいつも1番だった

僕はヨラさんを笑わせるのが好きだった
僕はヨラさんの涎を ....
冬庭は音符を奏でる

花の終わった残骸は
案外気難しく
やっと植木鉢から引き抜けば
無数にめぐらせた白い根は
持てるかぎりの土をかかえこんでいる
ああ うたはここからも
うまれてきてい ....
北大路京介さんのおすすめリスト(19150)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
水平愛- たけし自由詩4*15-11-27
みかん- 藤原絵理 ...自由詩10*15-11-27
スノーマン- レタス自由詩6*15-11-27
余韻- レモン自由詩16*15-11-27
たいせつの歌- 梅昆布茶自由詩20*15-11-27
前屈み_ー歳を取るとはこういうことか8ー- イナエ自由詩15*15-11-27
雪が積もって- Lucy自由詩14*15-11-27
ニロクジチュウ、ウカナイ- あおば自由詩9*15-11-26
Bに捧げる朝食- レタス自由詩915-11-26
冷凍庫- レタス自由詩6*15-11-26
寂寥〇平静- たけし自由詩5*15-11-26
ケンケンパ- 鵜飼千代 ...自由詩16*15-11-25
一瞬確かにわたしたちは- ただのみ ...自由詩16*15-11-25
歌はもう歌わないと決めたけど- 夏美かを ...自由詩37*15-11-25
少年は決意した- イナエ自由詩7*15-11-25
薄暮の街で- そらの珊 ...自由詩19*15-11-25
サーモン宰相- レタス自由詩415-11-25
おやすみがなくなったら- 瑞海自由詩8*15-11-24
透明になった空- レタス自由詩715-11-24
沈潜- たけし自由詩7*15-11-24
放熱- レモン自由詩10*15-11-24
ウスバカゲロウ- ガト自由詩9*15-11-23
瞬間- 鷲田自由詩1015-11-23
- イナエ自由詩6*15-11-23
笹船に乗った自己愛- ただのみ ...自由詩13*15-11-23
ほくろ- 泉 鳴巳自由詩415-11-23
夢翔- レモン自由詩8*15-11-22
ホールケーキのありかただとか_- あおば自由詩5*15-11-22
ヨラさん- たけし自由詩10*15-11-22
冬庭の音符- そらの珊 ...自由詩18*15-11-22

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