あなたは私の落書きを書いた
とは言った

だがそこに書いてあるのは
あなたと私の相合い傘だった

一生あなたにニヤニヤさせてもらおうと思った
私は詩を書いているのではありません。あなたが読むまで詩ではないのです。風が吹いた。花が揺れた。
そんなことは詩ではないのです。あなたが読んだものだけが詩なのです。詩は日常にありません。日常に詩がある ....
 
ほんとなんてものがないなら

うそをついて

うそがほんとになるまで



 
風呂をたてると近所の家族が集まっていた頃のこと
風呂水運びはぼくの仕事だった
三十メートルほど離れた小川から
両手に水の入ったバケツを提げ運ぶ
萎えそうになる気持ちを
腕の力を鍛え野球選手に ....
夕暮れの都会は ブルーに沈む
ビル街は華やかに さざめき始める
イルミネーションに飾られた 水の中を
お洒落した熱帯魚が行き交う 笑い声と


ビル街の吐き出す熱気が 淀んでこもる
 ....
頭皮が何か云っている
お疲れ様 そろそろ本格的に休めよ〜

頭痛の前兆のような頭皮痛

マッサージでほぐして
頭皮の美容液という名の育毛剤をシュッシュッ

ああ痛い痛い

そろそろ ....
日射しは敗北で
日々は屈辱的な弛緩で

時がたつことと年をとること
変わっていくことが
一体に世界をなしていたころは
もはや遠い記憶なのか

今私は後ろ向きに前進している
足りないの ....
昨夜からの強い風に
道路の真ん中に横たわる
タヌキの背の毛が
グラデーションで揺れる
生きていようと
死んでいようと
台風は今日 やってくる
現実から逃れるためではない
現実を死ぬまで生きる
そう 何処かで決めているから
扉も窓も開けたままにしてある
鍵は壊れたまま
入口は出口で出口は入口
外側は内側で内側は外側
脳が現実だと ....
駅前ターミナルに到着しようとしていた
路上に杖をついた高齢の紳士が
窓のすぐ下に見えた
彼の進む先には確かにバス乗り場があるが
そこが人の歩くべき路でないことに
既に気付いたのか
ほんの少 ....
遥か雑踏を離れて
孤では在りえない存在を確認する

収拾のつかない順序をゆっくりと整理する
いきることは水底をしらない漣

序連で奏でられていた通奏低音は
変化しまどろみ羽化すべき朝を
 ....
ふと想う
一生懸命な趣味とは
道楽などと云う
ものではないのだけれども
きっと最初は
お金を使ってしまうだろう

どんなジャンルでも
ワールドカップのような
競技があるように
世界 ....
平面の布に
針を刺していく
そうして出来た
糸の道を引くと
操られるように
現れる
立体の波は
少女の真新しい綿のスカートの裾を
縁取って踊った

風、曲面のゆらぎ
影とひかり
 ....
パンが食べたい


結婚して子供をもうけたが
三十過ぎに発覚した病が原因で離婚
その後は親もとで闘病生活の女性を担当している
駅前のマクドナルドで聞いた
きみの近況

脳下垂体の異常 ....
物質の贈り物 物に罪はない



センスの悪さを隠せない包装の隙間

から

得体の心得ない損得もしない



もみあげくらいの重さの不愉快さが耳にかかる

 気持ちだ ....
箸でつまんで
ポトリ ポトリ
やわらかな壺へ
金色の毒虫入れ合うの
互いに舌を絡め
{ルビ騙=かた}ることば
海が見たい騒がしく
鳥が声が
眼裏掻っ切って
わたしたち手探りのままでい ....
曝け出した己の片鱗
欲望と失望の玉手箱
ひけらかす秘密世界

生はそこに見えるか
死の側でひっそりと

命を知りつくさずに
私の脳を捧げる様に
言葉が武器になるよ
文字は目を傷 ....
電車の窓ガラスに映る
何か忘れ物をしたような顔は
別の世界にいる自分を夢見ている
手に入れたものと失ったものを 秤に載せて


手の中にあった 虹色の玉は
守ろうと握り締めた瞬間に  ....
疲れた顔で見舞いに来ないでほしい

わたしの看護のために
あなたを育てたのでは無い

あなたはあなたの生き方で
社会の仕事を果たさねばならない
それがあなたの人生

わたしの看護が加 ....
足の裏をみたら無愛想だった
私自身あまり話しかけたこともない
思ったより冷たいやつだとおもった
彼もまた

固くて冷たい彼に触れるうち
いろんなものを踏みつけてきた昨日をおもった

ど ....
新緑の木漏れ日
雨上がりの朝
ひとの気配を飲む森
まぐわうように
愛をからませて吐く息
命の匂いに満ち満ちて止まない
そんな五月のように私たちが求めて止まないころ
得ようとしていたもの
 ....
 
赤い糸

ほっとくとだんだん透きとおって見えんようになります

そやからときどき紅を差します



 
ながれる息はチューブを駆け巡る

空が季節の階下を滑り墜ちる度に

遠く、
、近く、
と、眼窩をさまよう信号の波

放物線と消えた夜の足音

ひそやかな星の輝き

死なせて ....
おしみなく愛をそそいで枯れさせてあたりいちめんプールの匂い


この先でアラームが鳴っていなくても立ち止まらないでください、と声


あかあかと尾びれ背びれが生えていき あとからあとから水 ....
先にあなたから色芽を結びます

空けないことにはわからないから

柄の選択に迷うことになります

わたしが降りてきて

これでからだからはなれてしまう

味覚をもしも言葉で ....
 先生、私たちの昼間が消えていきます。
カレンダーに休日がひとつ、足りないのです。
青と赤の隙間に、数字のいち、が。
時計は、今、だけを、さしたがる、から、痛い。
数字が昨日と明日を覚え ....
永遠の分かり合えなさ
反転して
何にも無くなった
(逆忌野清志郎)
でもさ
分かり合えない
分かり合えないって
嘆くのはいやだぜ
もういやだぜ
分かり合えないことを分かって
雨や月 ....
発する柔らかな音のかたちが
まだ定まらないころ
神経衰弱でトランプを捲るように
何度も見て触れて味わって
モノとなまえが一致して行く
意味を纏うのはまだ先のこと
ちいさな器は無限に広く深く ....
きみの悲しげな 薄茶の瞳が
雨に濡れた 捨て犬の耳に重なる
愛してるんだよ と 大きな声で
もし あの雨の日に戻れるのなら


真っ直ぐな思いに 応えられなかったのは
どこかに 罪の ....
半音下がった5月に
飛行機雲とポケットの中のちょっとしけた煙草

わかったつもりの自分に言い聞かせてまた
あらたなる接触をこころみる深さをはかる浅瀬で

風のなかにきざまれているもの
そ ....
北大路京介さんのおすすめリスト(19150)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
にやにや- 一 二自由詩415-5-18
巨大な比喩- 左屋百色自由詩10+15-5-18
うそ- 殿上 童自由詩16*15-5-18
嫉妬- イナエ自由詩5*15-5-17
風の歌- 藤原絵理 ...自由詩515-5-16
頭皮の忠告- 朝焼彩茜 ...自由詩10+*15-5-16
往路- 山犬切自由詩4*15-5-16
台風- 金子茶琳自由詩315-5-16
わたしの部屋には- ただのみ ...自由詩19*15-5-15
ターミナルにて- Lucy自由詩20*15-5-15
桜の散り染める夜に- 梅昆布茶自由詩1915-5-15
一生懸命な趣味- りゅうの ...自由詩9*15-5-14
五月のしつらえ- そらの珊 ...自由詩26+*15-5-14
食べる_二編- 乾 加津 ...自由詩22*15-5-14
モノ贈り主- 朝焼彩茜 ...自由詩8*15-5-13
君みみなれぬ口づけを- ただのみ ...自由詩15*15-5-12
- アリス自由詩2*15-5-12
かえり道- 藤原絵理 ...自由詩915-5-12
娘よ- イナエ自由詩16+*15-5-11
足の裏側- 朧月自由詩615-5-11
あなたに終わらない五月を- たちばな ...自由詩30*15-5-11
- 殿上 童自由詩21*15-5-11
使徒- アラガイ ...自由詩11*15-5-10
ゼリー色の夏- ことこ短歌9*15-5-9
空箱(格言詩)- アラガイ ...自由詩7*15-5-9
花________陸が海に消えるまで。- 為平 澪自由詩15*15-5-8
パーソンズ・カインド、ディスパーソンズ・カインド- ゴースト ...自由詩2*15-5-8
愚愛の詩- ただのみ ...自由詩17*15-5-8
サヨナラ言えなくて- 藤原絵理 ...自由詩515-5-8
半音下がった5月- 梅昆布茶短歌915-5-8

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