夜半、
  食器棚の中に
  銀色の双眸を宿した
  生温い女がはいっていて
  その白い吐息は
  ガラスの扉を曇らせていた



  他にはいっていたのは
  腐っ ....
心灯火散り花火


夏が来て風が吹く

夜が来て明かりが灯る


心灯火散り花火


あなたが居て永久を願う

わたしが居て愛を示す


線香花火は悲しい色 ....
重ね重ねの紺碧の この空に 

投げかける吐息を 

最盛期の第二四季が

情熱をも越える強靭の風が

運んでゆく

重ね重ねの夜空の色をも 飲み込む

この空に

情熱を ....
「素因はたぶん、耳ね」
おまけに、抜け落ちる髪と繋がっている緩んだ肉体は耳のためにあるらしく
耳の熱を冷まして寝ないと
ふとんに泌み込む塩素にわたしの夜を知られてしまう

「結果はたぶん、口ね ....
小さな子供のやわらかな髪を
指でやさしく梳かすように

風は愛撫する

幼いころから見慣れている
名も知らぬ野の草花を

市営住宅が建ち並ぶ
隙間の小さな芝生の上

心地良さげに ....
未開封の手紙
書き込まれない予定
しおれた花と花瓶
折れた赤鉛筆
忘れられた写真
昨日食べたケーキ
深夜の非常階段
端の欠けたグラス
効かない睡眠薬
窓の外の雨音

胸にしまいこ ....
ところであなたの結末は
空に聳える塔の上
さらに伸ばした指の先
白い雲の浮かぶ場所
光の中で交差する
きらりと光る紛い物

ところで自分の結末は
八五番の緑色
赤い豚の急降下
離島 ....
湖は空を映している

それは私と息子の関係に似ている

澄み切った青色の空を
湖はより澄み切った夏色で

そういう風に生きて欲しくば
そういう風に生きていこう

叶うかどうかは ....
a,

波打ち際にしゃがみこんで
砂浜にいくつも円を描く
白いスカートの裾は
潮にひたひた濡れて揺れて
手の甲に透けた
青い筋がきゅっと強張る
最初の晩から此処へ来て
明日には帰 ....
蜂をしゃぶったのどに光が当たる
竹ひごで編んだ身体に風が吹く
シャーベットカラーの臨終に手足が跳ねる
沖あいでこいびとが放ったブイが海中へ消える
香水と星とが同時に蒸発する
水のようにド ....
ああ

星空が好きな君と
夜景が好きなあなたの
狭間で
同じ色の空を見ようなんて
そんなうまい話は
転がってはいない

のに

嘘だらけの夏の夜は
蒸し暑さと涼しさ ....
愛していると言わないで
そいつは僕を窒息させる

愛していると言わないで
がんじがらめにされてしまう


いつも いつも
あなたを気にしちゃいられない

いつも いつも
笑ってば ....
**というわけで 愛用の帽子はベージュのレース製
筋金入りの自由自在 たたんでひろげてひっぱる
突然ピンと宙に浮く
新しいのを買ったらと 90歳の母の助言

思い出の中に浮かぶ帽子たち

 ....
運転席に座り冷房を浴びながら

北の空の夕焼けをしばらく見つめていた

疲れのあくびに目を濡らしながら

きょうはなんの日だったかと考えていた


北の空が夕焼けに染まっていた

ぼんやりと蒸した夏の ....
 
叫んだ声も消えてしまう

そんな深い夜の日は

グラス片手に夜明けをじっと待つ




 
船が一隻造られるたび

進水式が行われている

時代が変われど文化が違えど

いまも世界中で

船が一隻造られるたび

進水式が行われている


三好達治の詩を思い出す

海、遠い海よ!と私は紙にした ....
 #滲む

 空っぽの鞄を持って歩いていると、友人は、どうしてそんな意味の無いことをするのかと笑った。私には鞄に入れるべきものなど無いので、なにも言い返せない。それなら手ぶらで歩けばいいの ....
とある宗教に誘われて断りました。
それで なんとなく宗教について考えています。
うちは 神棚と仏壇があり 毎朝 御水と御茶 ご飯などを
お供えして先祖を拝みます。実家も同じです。
嫁にきてから ....
こころが
あまりに泳ぐので
からだは
すっかりさかなのようになった

くらやみで
もの見えず
熱のほうへと泳ぐこころに

からだは
ぴったりよりそい
もとめるものをもとめてい ....
うちの孤高の戦士はいまベランダでひなたぼっこ
あえて妄想中とは言いますまい
ときどきかれの誇り高きぶた猫の本能が
のねずみやのうさぎの後姿をおもいだすのかもしれない
それとも昔の彼女の寝姿か
 ....
子どもの頃
夏になると
庭に母がとうもろこしを植えた
毎日水やりをするのは
弟と私の仕事だった

「これ、なんていうとうもろこしか知ってる?」
「とうもろこしに名前なんてあるの、おねえち ....
弱さを強さで
コーティングした
直立二足歩行の木偶の坊

愚かさを優しさで
マスキングした
なんとなく文化的な唐変木

心という
自滅回路の中で
思い上がっては落ち込んで

 ....
虹色の魚は真夏の雲をかき分け
夕立の予感に誘われ泳いでいく
僕の立つ地面を突き抜けた先の人は
空に垂らした釣り糸でそれを捕まえる

境界線など本当にあるのだろうか
隣町の君はすぐそこで笑っ ....
圧縮されたファイル
記憶という
過ぎ去った時間

遠くで花火の音
安全地帯からは
それをみることは叶わない

蒸れた熱が
蜃気楼のように、ゆらぎ
ここではない何処かへ連れていく
 ....
{画像=120721002547.jpg}



曇り空が雨になった
今日も外はたっぷりの湿気と
喉を締め付ける暑さだ
雨滴が大きくなって硝子を叩く

雫が流れていく
交差点は水煙 ....
読みつかれて ふと
雨音に包まれて

物思いに耽る蛙と
草むらに潜む

文庫の中は
土砂降りの文字
連なり意味成し物語り
意識下に滲み濾過されて

何を読みたいわけでもなく
 ....
あの人は風だった
緑の髪をなびかせ瞳の奥に、あれは
夜明けの光をたたえて 水のようにやわらかい
あの人は風だった
わたしを見つめて笑う 流れる雲を空を映して


あの人は草だった
やさ ....
西瓜の皮の饐えた
匂い

溶けかけたアスファルトの
執着

潮の香りで擦り剥けた
夜明け

逆光の中で振り返った
誰か

何処から剥がれ落ちたのか
皆目見当がつかない
 ....
夏を待つ間
透明な
ガラスのコップに
冷たい水を注ぐ

満ちていく
満たされていく
透明な入れ物に
透明の中身で

夏が来る頃
どこからともなく
水滴が現われて
コップの魂を ....
いま夏はどこそしてぼくの隣にすわっているのは誰

灯台へつづく道ひかりとかげの午後をあるく

ひまわりと話し続けたこの丘で幼い頃の夏をみつけた

エンドレスサマー潮騒にこころをのせてきくサ ....
北大路京介さんのおすすめリスト(19150)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
生温い女- 草野春心自由詩812-7-25
心灯火散り花火- 永乃ゆち自由詩14*12-7-25
情熱を乞う- 朝焼彩茜 ...自由詩10*12-7-25
それは、たぶん- 阿ト理恵自由詩8*12-7-24
夏のこどもたち- ただのみ ...自由詩24*12-7-24
Lost_+_Found- うずら豆自由詩8*12-7-24
結末- ……とあ ...自由詩17*12-7-24
夏色の湖- 小原あき自由詩10*12-7-24
海の家- peau自由詩12*12-7-24
浄化のシステム- 平井容子自由詩1912-7-23
首都高- AquArium自由詩2*12-7-23
わがまま- まーつん自由詩10*12-7-23
帽子と**考- 木原東子自由詩14*12-7-22
北の空- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...512-7-22
深い夜の日- 殿上 童自由詩19*12-7-22
進水式- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...212-7-22
滲むということ_有るということ_無いということ- 青土よし自由詩6*12-7-22
宗教_みたいな?- 砂木散文(批評 ...13+*12-7-22
さかな- はるな自由詩612-7-22
ベランダの猫- 梅昆布茶自由詩2312-7-22
とうもろこしを茹でながら- そらの珊 ...自由詩19*12-7-21
ジブン_(_ヒト_)- nonya自由詩21*12-7-21
真夏日、君と見た白昼夢- サトウチ ...自由詩7*12-7-21
夏の鍵- そらの珊 ...自由詩15*12-7-20
夏の雨_/_浸透水- beebee自由詩27*12-7-20
雨読物語- ただのみ ...自由詩34*12-7-19
緑の人- 石瀬琳々自由詩16*12-7-19
鈍痛の南側の季節- nonya自由詩22*12-7-18
初蝉- そらの珊 ...自由詩23*12-7-18
岬の午後より- 梅昆布茶短歌812-7-18

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