忘れられた歌

幼い日の

遠い記憶と

優しい嘘


軽い眩暈と

心臓の鉛


どこまで潜ってゆくの

どこまで走ってゆくの


世界は等しく朝を迎えるけれど ....
うつが季節に負けそう
刺激を感じないのがカルチャーショック
昨日使わなれなかったモノに
何度トライしてもできなかったから
きれいに捨てるのってつれない
思うからできないのなら
「ロスト ....
夏なのに雪を恋しがる

あなたの顔がちらつく

思いっきり好きだと言い残したのは

ずいぶん昔の話だ

ぷよぴよした二の腕はもう恋愛など縁遠い

夏だとゆうのに海がにあわない女だな ....
 四月

空に舞う
傲慢なのかもしれない
あなたは僕を遠ざけて近づくことはない
風を伝って
光りを浴びせて
もう巡り合うことのないその瞬間々々
想うことでしか触れられない
あなたは
 ....
月のといき
天の川の星のながれに
指をふれる
星のしじまのつめたさに
寂しさを 手づかみする



そんな夜には、
なぐさめの亡霊が やってくる
小さなベッドにすべりこんで
私の ....
なないろのおもちゃのくにへつれてって いっしょう恋に傷付かないよう


つま先を並べたベッドに月明かり優しく熱を帯びてゆく夜


潔く決意することいきものは愛することで生きていること

 ....
とくべつかたい
ピスタチオのからは
男の子に剥いてもらうべき
力みながらも丁寧な
あかく膨張する指さき

そんなふうに
やわらかい衣服もおんなじように
色っぽく剥けばいいって思って ....
鉛筆を研いでる間に書きたい事を忘れてしまう

(何もしなかった日)
いつになったらその時はやってくるの
すべての物事の意味を学べるときは
みんな兵士になって旅立っていった
剣や槍を携えて
争いはいつまで起こるの
理想主義の終わり
でもいつかわかるはず
愚 ....
広島と山口を旅した春

26年まえの薄曇りの駅

初めて泊まったビジネスホテル

飲み慣れないスーパードライ

吸い慣れたマイルドセブンライト

深夜番組見つめながら

予定などないあしたをぼんやりと ....
少年は飛んで行った
アスファルトの空に向かって
自由が欲しかった この世は生ける監獄

少年が泣き叫んだ時
世界は耳をふさいだ 目を閉ざした
口をつぐんだ そして今
彼が手の届かないとこ ....
赤い雲が青空に溶けていく
さなぎの上に 初めて羽をひろげる鬼ヤンマ
透明な四枚の羽と 複眼に陽が射す
洗濯ものを 外に干す

水辺の近くに立つ 銀の洗濯棒が光を集める
風波をかぶる池の石  ....
今日、ふと気づいた事があります

空の色や雲の色 月の形に
文句をいう人はいないな、と

それは何故かと思考を巡らせてみれば
すぐに答えは見つかりました

長い間一緒にいすぎて
 ....
魔法は科学になった
リアリティは横たわり
キノコ雲を見上げていた
父は母にすがり
ボクは身体を脱いで窓から顔を出した
水平線がまっすぐに伸びている
ウェア・イズ・ラブ?
ほしかった弟 ....
幼い心をこじ開けて

あなたは痛みを植えて行った

悶え苦しむ年月

綺麗な嘘で幾重にも

痛みを包んで行った


いま この心に抱いているのは

ぞっとするほど美しい

 ....
パンダの赤ちゃんが
亡くなったと
News速報で流れる
平和な日本

動物の赤ちゃんが死ぬのは
特に珍しいことでもないけれど
パンダは特別枠なので
みんながかわいそうと言う

わざ ....
知らず知らずに
君を刺していた

心の何処かが軋んで
君を刺していた

誰にだって
有り得ることなんだ
僕達は棘を抱えて
生まれてきたんだから

気をつけていても
何処かの ....
60年代末のベトナムのジャングルで
月を見上げながらたばこをふかす高校でたての若い兵士

シンプルでストレートでノリのいい曲の背景に
時代の絶望をぶらさげてラジオから流れていたCCR

 ....
森を見つめていると宇宙に見えてくる

宇宙を見つめているとそれが湖に見えてくる

そして湖を見つめていると

やっぱりそれは緑の木々に見えてくる

そんなところからこの詩ははじまる
 ....
今日はずいぶん細くなったなぁ
月を見て自分の心細さと重ね合わせ
ちょっとした安心をおぼえた
僕は月夜にタバコをふかし
後ろへ放り投げて歩き出した

誰かの声が聞こえた気がした
後ろで何か ....
角に追いやられた居場所を
ゆとりと無理やり読んで
朝まで遊び呆ける

大人気ない強情は
時には余力に気がついて
無駄と呼ばれる作業に勤しむ

それが一人遊びの業の楽しみ
と言えたら幸 ....
あらゆる言葉が難解な象形文字である時
私は私の言葉達を塞ぐ
私の言葉が流れ出ないように
そして外部の言葉をせき止め
私は少数の過去からの語り人達の
誰よりも沈黙を願った言葉達を採り入れる
 ....
夏の終わり
弱々しげな、うつくしいアゲハを捕まえた
微弱ながら生きているアゲハを
私は冷凍庫に入れた
なぜそんな残酷的なことをしたのか自分でも分からない
分からないまま翌日
恐る恐る冷凍庫 ....
文鎮が
ふうわり ふわりと宙に浮き
驚く書生の顔前を ナマコのように漂って

原稿用紙が舞い上がり
驚く書生の目の前で 舞子みたいに踊りだし

万年筆が身悶えし 書生の指を逃れ出て
ぽ ....
{画像=120712232443.jpg}




陽の当たるところ


その建物は言いました
都会には幾つも建物があるけれど
そのなかでもぼくが一番さ

ぼくは一番大きな建物 ....
誰かの森の中に寝転んで
陽だまりを浴びて
ただひたすら
夢だけを見ていた

こんなに晴れた日に
目を閉じているのは勿体ないと
この星のささやきが
聞こえた気がした

そろそろ
現 ....
ヒッグス粒子の

その存在を

つかまえようと研究しているひとがいる

証拠とアリバイを突き合わせてゆく

その仮説は

書きはじめられたミステリー小説のようだ

動機なき殺人 ....
吹き荒れる風を
闇雲に掻き分けて

高く、高く
昇り詰めて

速く、速く
流れを作って

一番白い雲の高みから
独り占め
むっくりと太った柴犬がのしのしやってくる
なんかその照りぐあいは
焼きたてのチョココロネのようで
ぎゅっと抱きしめたら
頭からぽろりととれて
チョコクリームがどっさりでてきそうだ

チョ ....
 
あんたの言葉は勇み足

あたいの想いは勇み足

そんなふたりの愛は、やっぱり勇み足




 
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