少年時代 
今とは違う奇妙な生き物だった


そのころ家の近くには古い寺があり
髪の毛が伸びると噂される少女の人形が納められていた
人形を実際に見たことはなかったが
子どもたちが人形の存 ....
「この手術は何しろ心臓をいじるのだから
 一00パーセント安全だとは言えない
 まあ 三パーセントほどの危険でしょう

 《ディスプレイでは
  心臓を取り巻いた毛細管が
  赤いイトメの ....
眉上ちゃんは
モンブランが好きだ

この前近くの美術館の
帰りに寄ったケーキ屋で知った

“パスタみたいで可愛いよね”


眉上ちゃんは
よく質問をする

物理の授業中 ....
笑い飛ばせば素の風も僕の心に和むかな

笑い飛ばしてあの雲の心に虹を見てみたい

偶然見かけた青空の涙の理由を知りました


無数の数だけ生きたヒト

ナミダの数だけ空にある
 ....
地軸のかたむきが季節をもたらすように
こころのかたむきは炎のまわりを公転し
くるくると自転し陰翳を刻みつづける

同乗したドライバー仲間と
仕事は5月と10月がいちばんいいね
あとは暑いと ....
そらが ぬけて
やまが 切り取られたかのように くっきり 
やまぎわの空はしろく 天頂は限りがない

あきいろの あかねは
だ円のつぶらな目で ぬけたそらをみている

なんて  ....
たかが検査 とは言え一晩入院
担当医は 大腸からの検針で麻酔無しだというが
ネットの口コミ体験談は どれを見ても大変そうだ
あるものは手術だといい あるものは 銃で撃つのだという
さらには 神 ....
子供のころ
父の話を聴く時は正座をさせられた
兄弟で並んで正座した
肩こりの父親の肩をもむ時も正座していた


母方の親戚の葬儀の時
肩が凝ったと言い出した父を
正座をして身体を揉んだ ....
冴え渡る青一色のそら
家々の屋根は
くっきりと尖り

わずかに色合いの違う木の葉も
それぞれに自己主張する

一枚一枚のさようならが
鮮やかに翩る
秋の日の真昼
 
青空にぷかぷか浮かぶ雲が 好き

頬をなでるおだやかな風が 好き

そんな好きを背に洗濯物を干すあなたが 大スキ!



 
かぜが
ここよここよと
ささやいている

こっちだこっちだと
よんでいる

どこ?

ぼとぼと
がさがさ
どんぐりが落ちるたびに
音が
響きわたる

響きが増殖して
沢 ....
昼が胸ポケットから出てこない

目かくししてよろこんでいるところ

はりきりすぎて大きすぎる犬小屋

割りきれない計算に夢中

うじゃらうじゃら家族かけ出すよ砂丘

感動の最中に趣 ....
反転、闇



いたみに
全身を浸すように
すべてを無にして
荒廃の中
呆然と立ち尽くしたい

過去の傷がわたしを呼ぶ

きぼう
きぼう
きぼう
眩しさにまみれて
築き ....
白ワインのグラスに 逆さまに
10月の雨に濡れた ムフタール通りが
もの憂げな 縮れ毛のきみの 髪の色と
愛した少年の 産毛の耀きが 悲しく重なる


こちらの世界に 繋ぎ止める すべ ....
学校帰りの女の子がふたり
ひとりはピンクのパール系ランドセル
ひとりは水色でステッチが入っている
驚くほど洒落たかわいい服を着て
(これは昭和の感覚 たぶん)
さえずりは巣の中の雲雀の卵のあ ....
生きるということは
リスクをとるということ
だから

自分の生き方にあった
リスクをとるしかない
だから

正しさに懸けるということは
リスクをとるということ
だから

私には ....
絶滅危惧種のような気分のときは
おもわず星を探している

頭の中が明瞭に区分けされないまま
時計の針は行ったり来たり

姿の見えない人々は
あちこちでちいさな吐息をもらす

拡散する ....
ドラッグストアの棚に並んだ
石鹸の類い
これでもない
あれでもない
おそらくどこにもないのだろう

探している香りは
高電圧のくしゃみのように
蒸発してしまって
世界のどこにも、ない ....
 すっかり風は乾いてきた
 めっきり光はにぶってきた
はっきりヒヨドリは告げにきた
     節気と気温と気炎とを

遠くでショベルカーが唸っている
     近くで木魚が称えている
  ....
一歩もどって願かけて
一歩すすんで謎かけて
往来の中心は素空感
貴方へ繋がる可笑しさは

僕の地上へ腰掛ける
僕の頭上の苦笑い
わたしが何かを語るとき
あなたは何かを問うだろう
闇はふたつに離れ
それは風に運ばれ
光の雨を照らしだす
やがて氷河は乾き
海が聳え立つ
地に埋けるもの、
、その多くが応えに導 ....
思い出した
思い出してしまった


宵の寒空
その底に沈む空気を吸って

木枯らし

髪は乱れ
呼吸は出来ない
内臓を風が通り抜ける感覚
僅かに揺れる身体

静けさ ....
 .
雨の日に四角く剪り獲られた白い雲
井壁の底 筒のように覘く遠いそら
{ルビ谷頭=やがしら}の涌水はいまも盡きることなく溢れ
あの日の涙のようにわたしたちを盈たす
 .
からす飛び野は ....
逢いたいという気持ちは
雨風に擦りきれ
いつの間にかぼろになった
継ぎもあてられないほどに
擦りきれたこの気持ちを
もうこれきり
引き裂いて
わたしは 織ろう
愛しいや あこが ....
淡彩の日常
点描の細かな作業で生きて行く

萌黄色から浅葱色に
いのちを明滅させる蛍

人や物
言葉にぶつかりながら生きる
自分とも

いつでも陰影を想うのです
単純で複雑そうに ....
百合の蕾 ペリカンの嘴にしか見えなかった
百合の姿は馨りだけで 十分 部屋の壁を越えて漂ってくる
魔性の女にも見える 謝罪は本質を見抜いた時にする

今は葬儀で頂いた貴女を花瓶に挿すくらい ....
動くものなら
食べてしまうその本能を
罪ではないと
あなたがいう

あわただしい
交尾のあと
わたしが捕まえるより早く
どうか逃げおおせてください

大きな腹を抱え
一晩かかって ....
海底が隆起し水位が下がって
エベレスト界隈が空中に生えた頃
ナマズは汽水に放り込まれて
激烈な減圧に体を硬くしていた

それから雨が際限なく降り
雷鳴をも呑むほどの洪水が引いた頃
ナマズ ....
昇天したくなるような
空一枚 鉤裂きにして


「おまえもおんなじ
       襤褸だねえ


握りしめた石ころ落とす 
脆弱な意思の皮袋


かけはぎなんかいらない
ミシ ....
普く再び出会えることを 光栄に想う 空を見上げ
陽だまりの隅に主人公だらけの透明の雪の空気の生き物の気配

季語を埋め尽くし 散りばめ 
躊躇いのない誉 四季うとうと静かに弾んで 胸を掴む
 ....
北大路京介さんのおすすめリスト(19150)
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エルレーヌ追想- 藤原絵理 ...自由詩6*14-10-18
並木に沿って小さくなる背中- ただのみ ...自由詩17*14-10-18
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かりそめ- そらの珊 ...自由詩1714-10-18
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ロゴス- アラガイ ...自由詩8*14-10-17
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散策- Giton自由詩5*14-10-16
裂織- フユナ自由詩1214-10-16
- 梅昆布茶自由詩1114-10-16
沈黙の百合- 朝焼彩茜 ...自由詩16*14-10-16
じょろうぐも_【詩人サークル「群青」_九月のお題「悩」への提 ...- そらの珊 ...自由詩14*14-10-16
ナマズ- salco自由詩1714-10-15
顏もないのに笑ってやがる- ただのみ ...自由詩21+*14-10-15
霜降- 朝焼彩茜 ...自由詩11*14-10-15

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