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自販機で水を買う
百円の小ぶりのペットボトル
冷房の効いた車輌を待ちながら
冷たい水を飲む
汗が額から頬へ伝い
顎で雫となって
滴る
あたたかい風が吹き抜ける
ホームの日陰で
私は息 ....
大海原に浮かぶ月
足元の砂に
ちりちり打ち寄せる
光の欠片

溶液になった
クラゲの悲しみ

強いひとにも
朗らかなひとにも
悲しみはある

それは弱さでも
やま ....
いきなり冷水を浴びせられ
置かれた境遇に気づく
昨日まで笑いあっていた人々が
一歩退く
仕方無い
自分はそちら側でなくて良かったと
誰もが胸を撫で下ろしている

私に向けられる
さり ....
黙ってただ生きる
ということができない

永久に
見つけてもらえないから
暗いさみしい器の底で
発語したがる
別なあたし

世界中でたった一人の
ひとに向かって
そのひとだけに
 ....
初夏の夕暮れ
やわらかい風に吹かれながら
玄関先にしゃがんで
ビオラの花柄を探しては
摘みとる
こんもりと咲き茂る寄せ植えが
あたらしく
生きかえるのが好き

いつからだろう
 ....
吹き荒れていた強風が止み
静かに雨が
降る

激情は去り
懺悔するように


いまさら遅い


傷つけたものは
けして回復しやしない


けれど
過ぎ去ったものの後に
 ....
仔犬を胸に抱いた少年
あるいは
眠っている赤子を
抱っこ紐で抱えた母親
のように

買ったばかりの
ラナンキュラスの
花束を
両手で持ち

包装紙の隙間から覗いて

微笑ん ....
陽ざしが注いで
私の庭にも
優しい色の花が咲く

柔らかい雲が
少し動くと
空に向かって
胸を開いていた
白木蓮も
風に 花びらを
はらはら散らす
砂のような
罵詈雑言を
浴びせられても
べつに痛くもかゆくもない
友達だったこともないヤツから

雨の日に浮かれ
這い出てきたのだろう か細い
蚯蚓が

ぺかぺかに光って
張り付 ....
憎しみが始まる
気づかぬうちに

理由も動機もないまま
操られ

私の敵は
君じゃない
君が憎むのも
私ではない

互いに見えないのだから
気にすることはない
なのに
君の ....
ボディブローのように
じわじわ効いてくるのは
僕の中にも君が居るから

君の中にも居るらしい僕の片鱗を
君がこよなく憎むように

その嘲りは抗い難い誘惑

拒むにしても
逃げるにし ....
百均で買ってきた
ミニチュアの黒いうさぎは
手のひらに載せて
選りすぐろうにも
どれもみな
哀しくなるほど同じ顔
同じ姿勢同じ表情
どうしてこんなに正確に
大量生産できるのか
まるで ....
書かねばならない事
を 探して
言葉の海を泳いでいました
今の私に書ける事 
を 尋ねて
言葉の風に吹かれていました

波はさざめいて
私を弄び
風は追いつけない速さで
私を通過し ....
爛れ過ぎた夕陽が
一軒の二階の窓を
ギラリと択び
怯えた鴉が見上げた先に
規則的に並ぶ建築の
一面だけを
薄明るい色に染め
足元のザラメにも
一粒ずつ微かではあるが
予兆のように
 ....
夕暮れの空は
少し甘めのコーディアル
濁り踏み荒らされた雪解けの道に
照り返し

闇雲な胸騒ぎも
無知な喧噪も
先鋭化した矛盾の
せっかくの露呈も

ほんのり澄んだ彩で
やさしく ....
夜がすっかり明けて
なにもかも
とりかえしがつかなくなってから
あちらからもこちらからも心優しい人々が
花を抱えてやってきた
涙を流し祈りをささげた

いつもそうだ
愛されていた人が
 ....
笑ってほしい
人がいるので
私は笑う

元気を出してほしい
人がいるので
私は元気を出す

私より淋しい
人がいるので
会いに行く

耳を傾けてくれるので
他愛ないおしゃべり ....
ある時
私は気がついた

私は
鳥ではなかったと
羽ばたき方も
囀りかたも
思い出せない

確かに
飛んでいたはずなのに
しなやかな翼に風をはらんで
束の間の夕焼けに
淡く染 ....
幾億粒の{ルビ眼=まなこ}が煌めく
夜の底

磁気に繋がり
流れを描き
脆く途切れ
こぼれる様を
見ているようで
見ていない
視線の針が交差する
決して出会うことはなく
跳ね返る ....
自分で思っているよりずっと
いい人じゃない
なのになんで
いい人のふりしてんだ?
まるで新手の詐欺だこりゃ
優しくもない
友達思いでもない
ふいに馴れ合いが耐えられなくなり
見棄てる
 ....
ビーズのように
煌めいてみえるから
私は掬う
その場しのぎの
粗い笊で
泥水みたいな夜のそこ
横切っていく
言葉の川
掬い揚げたら一層輝きをまして
ただの小石が詩のように光る日もあっ ....
その日は朝からおおゆきでした
それがクリスマスらしくもあり
吹雪の空を飛んでくるサンタは
大変だっただろうなとも思う

夜になってから
おばあちゃんの命日だった事を思い出し
お花を買いに ....
ひと足歩くと メェ―と啼く
ふた足歩くと 
メェー メェー

やっと見つけた
あたしの足にぴったりの
ショートブーツ
シンプルでオシャレ
これからのシーズンにぴったり
気どり過ぎても ....
壁の向こうで
雨が歌う
今夜
雨は涙とちかしく壁に染み入る優しさで
噂の流星はみえずじまい
空のステージに
始まるはずだった
ピアノに向かって
私のためにとは
言わないけれど ....
あたしが何も気づいていないと思ったの?

優しさで
二人同時に傷つけたね

早く行きなよ
あの娘の傷は深いけど
貴方はそれを治してやれる

あたしの傷は
独りで治る
だけど貴方に ....
ごつごつとふしくれだっていくものが
望む形に程遠く
お前を育てていくのだとしても
遠く海を越え吹き渡る風に
しなやかな枝を延べたい願いがある
夜が明けたら
真っ白の世界
魔法使いが杖をひとふり
呪文を唱えた
犬は喜び 庭駆けまわり
猫のあたしも
心躍る

歩道橋ですれ違う子どもはみんな
いつもよりはしゃいで見える

い ....
母から聞いた遠い日の思い出話です

貧しい農家だった父と母は
農耕馬に馬橇を引かせ
町の市場へ暮れの買い物に行きました

正月のための食材を買い
家族の冬のビタミン源として
おそらく当 ....
渇いた落ち葉を踏んで歩いた
湿ったアスファルトに
暗い空から
時折雪がこぼれてきた

かじかんだ手で傘の柄を握り
歩いたことのない道を選んで
なるべく迷子になるように
帰る方角 ....
憧れの地を目指し
長い旅に出たはずだった
針葉樹林が空を突き刺し
波頭が眠たげにまばたいて

気球に乗った少年が
スローモーションで手を振っていた
漂う筏に寝そべって
分厚い書物を読み ....
北大路京介さんのLucyさんおすすめリスト(296)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
天然- Lucy自由詩15*16-9-1
水母- Lucy自由詩13*16-7-14
冷水- Lucy自由詩10*16-6-18
発色- Lucy自由詩15*16-5-30
うつくしいもの- Lucy自由詩15*16-5-21
夜の雨- Lucy自由詩11*16-5-17
街角- Lucy自由詩17*16-5-12
五月- Lucy自由詩14*16-5-7
乾燥地帯- Lucy自由詩16*16-5-2
所属- Lucy自由詩14*16-4-27
君が小さな悪意なら- Lucy自由詩12+*16-4-17
ベンジャミンバニー- Lucy自由詩22*16-3-26
メモ- Lucy自由詩15*16-3-16
春の正体- Lucy自由詩9*16-3-15
ティータイム- Lucy自由詩14*16-3-7
少年の夜- Lucy自由詩14+*16-3-3
そういう人- Lucy自由詩23*16-2-19
冬のうた- Lucy自由詩13*16-2-7
流星雨- Lucy自由詩24*16-1-6
友達思い- Lucy自由詩8*16-1-2
ビーズ- Lucy自由詩21*15-12-28
クリスマスの満月- Lucy自由詩8*15-12-26
ラムスキン- Lucy自由詩1115-12-21
トモダチ- Lucy自由詩20*15-12-16
友達- Lucy自由詩915-12-15
北の木- Lucy自由詩1615-12-4
雪が積もって- Lucy自由詩14*15-11-27
林檎の思い出- Lucy自由詩15+*15-11-21
散歩《2015年11月18日》- Lucy自由詩15*15-11-18
憧れの土地- Lucy自由詩9*15-11-14

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