月の海は命を抱え 日に日にその領域を拡げていった
ゆっくりと しかし 確実に

生まれてからずっと体内に飼っていたのに
拡張をし始めた途端 わたしの身の内に不安と安堵が交互に訪れる

わた ....
    庭土が連日の梅雨で 満足げに
         雑草まで育てている
   庭木も梅雨の晴れ間で 満足げに
      みどりの息を弾ませている
       そして 生垣の隙間には
 ....
寝床に入っていったから
ライトを消して
暗くしたのに
また起きてきたの?

でも眠そうだね
兄弟達が助けを呼んでいる
僕は駆け出す
金持ちのようなダンスを踊る
止めて欲しい
この街でいつも孤独なアゲハチョウは風を浴びて天使を待つ僕の懐にいつも突然に
飛び込んでくるような錯覚 ....
雨音のぱたりぱたりと心地よくけぶる視界にひらく番傘 なにも伝えられない
こんな夜は

静かにあなたの詩でも読んでいよう

なにも言えない
こんな夜は

静かにあなたの歌声でも聴いていよう


今夜だけは

あなた
ひとりでい ....
そこは新宿の雑居ビルが立ち並ぶ一角の
地下にある場末のバーだった
薄汚れた階段を下りていった記憶はあるが
すでにかなり酔っていたので
なぜこんな場所で飲んでいるのかわからなかった


そ ....
向日葵は上を向いてなにやら
太陽とお話をしているようだ

太陽さん、
私と一日だけ交代しませんか
お疲れでしょうし

太陽は答えた
そうですね
一日くらいお言葉に甘えて
休ませても ....
荷物を取り上げられ
 髪を切られ
 消毒され
 写真を撮られ
 左腕に囚人番号を刺青されて
 工場・鉄工所・炭坑で働かされて
 木で作られた三段ベッドに
 マットレスの代わりに
  ....
こんなベンチに
ふたりで
ただ座っていたいの

…だめ?

そんなに難しいことじゃ
ないでしょ?
まあるい泡を
ぷくりと吐いて
そっと寝床を抜け出す
水の流れは
暗いぶん少し冷たい
おびれとむなびれ
ぷるぷる舞わし
水草の間から
夜の空を見上げた

真昼の水面を
きらきら照ら ....
 高校入学前の4月
 一足先に入学する高校に見学に来た
 まだ雪が残っている
 桜はまだ咲いていない
 グラウンドの横を通るサイクリングロードを
 蕾を付けた桜の木々が覆い被さっている
  ....
玄関のチャイムが鳴ったので
仕方なく立ち上がろうとしたら
背中の上に
重たい鳥が
止まっていた

「どいてくれますか?」
黄色の羽根を
ぱたり、と閉じて
ずん、と居座る
「私は止ま ....
             2007/07/17


月曜日の午前中
頭がふらふらして
夏風邪かとも思ったが
新潟県中越沖でM6.8
気象庁発表で地震と知る

訳の分からない時間が過ぎ ....
胸騒ぎがするので
メリークリスマスと
小さな声でつぶやいてみた

すると
それが合図だったかのように
リンゴが枝から落ちる

落ちたら
すぐに
腐ってしまう
それはいつものこと
 ....
夏のぬくもりってどんなの?と少女、軋む氷のかけらを溶かす

この雨が上がればさよならの予感半袖の先爪に塗りこむ

果汁がどのくらいの夏ならいいの太陽と日焼け止め調合

何も考えずに揃って鳴 ....
匂やかにすみれ花咲く
白い星を押し{ルビ抱=いだ}き
夜の{ルビ水面=みなも} さざめきだち
{ルビ朱=あけ}にめくれてゆくまで
鉄は錆びていた
光沢は外に発しない
錆びきっていた

鉄は昔を思い出した
あの銀色に輝いていた自分を
当然だと信じていた
今はぼろぼろな茶色の体が
悲しかった
雨に濡れて
少しずつ ....
《人たらん》


人たらん人になりたいと 男は思いました

道程などと つぶやきながら



人がたらん人がたらんと 別の男がいいました

道には人が あふれかえっているの ....
―夏至は、もう過ぎています

とか
じつは過ぎきっていた太陽の光、みたいな
ぽかりと口を開けるしかないような
きもち

かげろうが立ち昇るはやさで
泣き顔をつくるひとたちを
遠く道の ....
?.

七百七十六番目の天使が
翼をなくした
俺は 黙っていた
言葉は全て 汚れているから
俺は 黙っていた
あと十秒



?.

六百六十五番目の悪魔 ....
通りすがった人の影さえ 淡い灰色の靄が掛かる
雨の季節 憂欝な空

直ぐに思い出せるのは
雨に混じったすいかずら 少し濡れた夏服
君が差してる青い傘

放課後の音楽室から 君の帰る姿を見 ....
僕はゆくだろう
鍾乳石の先で抗う
水滴の
夜のために

待つものも
さだかではない
暗闇のもっと底
染みこむ
朝のために

屈折がつくる道
灯台が照らす
霧の先に

ゆく ....
君は前脚を
威風堂々と開き
後脚を           
上品に揃えた
私は黒毛の艶やかな
毛並みにうっとりし
そっと撫でた

吸込まれそうな眸
見とれていると
君はこちらを見やっ ....
テレビをつけると 
瓦礫の山から掘り出され 
額に血を流した中年の女が 
担架から扉を開けた救急車へ 
運び込まれていた 

その夜 
テレビの消えた部屋で 
歯を磨き終えたぼくは 
 ....
毎日が
毎日が
ずっと続くなら

もう無理

でも
今日も明日には昨日になって
朝になれば明日が今日になっている

そうやって
人びとは過ごしていくのかな

毎日を
毎日を乗り越えて
 
 
あなたが教えてくれたうたを
繰り返し うたい続ける
 
なげだした足にまとわりつく憂鬱は
綿菓子の最期みたいにねっとりして
組み敷かれたうたは
少し雑音が入っていた
 
無 ....
初めてラムネを飲んだのは
確か5歳のときだった

ママとパパに連れて行ってもらった
近所の夏祭り

小さなベンチに腰掛けて

ガラス玉を落としてくれたのは
パパだった

ビンに口 ....
ここ数日止まない雨

雨が止んだらあなたに逢いに行こうって

あなたの側でずっと笑っていようって決めているのに

まるであなたとの間を阻むように雨は降りやまない


最後に逢ったとき ....
汚れた雨が蹂躙する街角で
傷をかばいあうために手を繋ぐ
傘を持たない日だけ、どうしようもなく
君の手があたたかくて
切れた指先が痛みを増した

僕の手は
どんな温度で君に ....
北大路京介さんのおすすめリスト(19150)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
月の海- 橘 睡樹自由詩3*07-7-17
ひととき- 信天翁自由詩907-7-17
あら?- weed & s ...携帯写真+ ...3*07-7-17
僕は目を覚ます時にリズムをライムに乗せる日の龍だ- 那津自由詩6*07-7-17
ツキニムラクモ- リュウセ ...短歌5*07-7-17
こんな夜は- 乱太郎自由詩24*07-7-17
甘く危険な香り(妖精篇)- 渡 ひろ ...自由詩4*07-7-17
太陽と向日葵- hiro自由詩6*07-7-17
アウシュビッツの惨劇- 円谷一自由詩2*07-7-17
空っぽのベンチ- 風音携帯写真+ ...3*07-7-17
碧い魚- LEO自由詩30*07-7-17
高校にて- 円谷一自由詩3*07-7-17
ペズゥ- 小原あき自由詩32*07-7-17
耐震性改善- あおば自由詩7*07-7-17
モンスター- 大覚アキ ...自由詩1807-7-17
もぬける夏- 唐草フウ短歌14*07-7-17
夜明け- 石瀬琳々自由詩12*07-7-17
錆びた鉄- ぽえむ君自由詩11*07-7-17
人たらん- るるりら自由詩9*07-7-17
七月十七日- 水町綜助自由詩1207-7-17
祈り- 水在らあ ...自由詩2707-7-17
雨の季節- 橘 睡樹未詩・独白5*07-7-17
疾中(微熱)- たりぽん ...自由詩1007-7-17
黒毛のグランドピアノ- hiro自由詩3*07-7-17
掌の上に_- 服部 剛自由詩13*07-7-17
こんな風に- 風音携帯写真+ ...5*07-7-17
さみしいよるは- ゆるこ自由詩7*07-7-16
らむね- まりも自由詩10*07-7-16
雨が止んだら- ajisai自由詩9*07-7-16
雨やみを待っている、僕ら- Rin K自由詩37*07-7-16

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