カップがソラだとしたら
コーヒーが注がれて
夜が来る

苦い夜がニガテであれば
ひとすじのミルクが注がれる
銀の匙は使わない
やがて白い雲は 時間に溶けてゆく 

どこかに月が隠れて ....
友よ 教えてくれ
いったい何処へ行くのだろう

君とは長い付き合いだ
離れてはいても仲間たちと繋がり合っていた
私は決して孤独ではなかったが
すぐ側にいた君と親しくなるのに時間はかからなか ....
頭がボーっとする
鼻かぜらしい

長椅子に背をそらして
胸の奥から息を吐くと
白い蒸気がもくもくと
汽船のように立ち昇る

僕は突然
大洋の中にいる自分に気付く
月夜の海を航行する ....
タバコを一本吸う夢を見た
しけた不味いタバコだった
そういやわたしはあれを一度も吸ったことがない

「一本目は不味いもんだ」
「二本目で上手いと思ったら中毒だ もうお終いだ」
と予備校の歴 ....
             121205

今こそライフステージ保険はいかが
今朝もテレビが声かけて
草色の
セミヌードの笑顔を振りまいて
パン粉の小父さんの一日を惑わして
目が冴えて眠れ ....
君は少年のような頬と
薄い胸をしていた

感情が高まった時に
鋭く視線をさまよわせては
まるで炎を吐くように絶叫するんだ

震える肩からは
幾筋かの血が流れ
世界を汚していった

 ....
○月○日
日記を書いている。

*月*日
日記として、刻まれなかったあの時間、あの日について。
三食きちんと食べ、寝る時間、起きる時間も申し分なし。規則正しい健康的な日々。こんな毎日について ....
{画像=121205153412.jpg}

稲荷寿司と太巻きが

如何に御馳走であった事か

材料は安価であるが

手間は恐ろしくかかる

ハレとケの区別があった時代

日々 ....
吐く息が部屋のなかでも白を語る
かじかんだ爪先に靴下を与えるでもなく

窓の外
早すぎた目覚めがかなしく
ひとりを悟る

{ルビ時間=とき}に負けて
遠のいてゆくあなたの微笑みは
ま ....
胸の中に生まれた種子に密かに雨を降らせる

晴れた昼下がりに教室を抜け出して光を与える

水槽から逃亡して肺呼吸を取り戻せ

摩擦による熱で発火 ノロシ

発芽に必要な条件を満たしてい ....
 昔 
 会社の中の仮面に疲れた人が 
 仮面を脱ぎ捨て 本当の自分になろうと
 素顔で生きようと 闘争を挑んだ
 だが
 周りの仮面はそっぽを向いて
 会社の素顔から出るむき出しの刃
 ....
何の変哲もない毎日は心を鈍くさせるには十分で、感じた物事のザラザラとして無機質な部分を際立たせる。

無味乾燥としたこの部屋の空間に、
いったい君の何があるだろう。

無感動な日々の起承転結 ....
悲しんではいけないよ
なんて決まり文句
どこでも拾うことはできるけど
悲しみ
そこいらに落ちているもんじゃない
背後から黙ってやってきて
いきなりけられるようなもの

泣いてはいけ ....
枕元に
吾輩は目覚まし鳥を飼っておる
朝六時
けたたましくそいつは鳴く
日に ひとたびしか鳴くことが叶わぬゆえ
遠慮などこれぽちもしない

起きなければならぬ
なんとも理不尽であるが仕 ....
記憶はなにを食べて生きながらえているのだろう

指先から冷えていくのを彼女はまだ気づいていない

埃を吸ったあとの掃除機をそっと抱きしめる

モーターの余熱が伝わって やっと明日につながる ....
月の舟に乗って
子供たちは夜を往く

魔法の絨毯
空飛ぶ木馬

月明かりに照らされて
夢を喰らい
子供たちは夜を往く

月の舟に揺られて
夜はそっと更けて行く

月の舟に乗っ ....
フレドリック・ブラウンの死にいたる火星人の扉という創元社の文庫本
推理小説だが
彼には火星人ゴーホームという超絶な作品もある

火星年代記というレイ・ブラッドベリの名作

火星の赤い砂はア ....
それで結局一番取扱に困るのは自分自身であって
説明書が書けない せいぜい 長さと重さぐらいだ
従って「取扱説明書」は比喩でもなんでもない 真実だ
ぼくは電化製品だ コンセントとプラグは父母だ 修 ....
わたしはうまれるまえの
かたまりの内側に潜んでいた
ある日溶岩とともに かたまりが溶けて
わたしが流れ出た
海が生まれた
空には赤い夜の太陽が
花開きながら飛び散っていた
 ....
この部屋は四角い
建物も四角い
紙は四角く切り取られ
電車は四角く走っている

土地は四角く区切られて
名前は四角く囲われる
レンジは四角く温めて
テレビで四角くものを見る

君は ....
ねぐせはなおさない
あんまりなおさない

はねっかえりの天然パーマ
したいようにさせておけ

校庭に 生徒を整列させるように
頭皮に 髪を整列させるなんて

そんなのナンセンス
ナ ....
僕達の世界は
連結された断片が
縫い閉じられた模様を織りなすタペストリー

つぎはぎだらけの時間を
つなぎ合わせて生きている

僕達の過去は
累積されない想いで満ち溢れ
飽和している ....
 
アン・ドゥ・トロワ アン・ドゥ・トロワ

壊れたトウシューズをどこかに置き忘れた少女がひとり、漆黒の夢の中

そしてその静寂がわたしにまとわりつく



 
青く開いた空の深みから
一つ また一つ
無言の頷きのように
頬に
建物に
大地に寄せられる
ふわりと白い口づけ

それは
氷柱のように尖らせて行く
生ぬるい毎日の中で肥大した妄想を ....
本当の自由を求めて空を見る

名も知らぬ黒い鳥が
隊列を組んで空を渡っていった

翼があるから自由でいいねと
そんなふうにつぶやくのは
自分の翼で空を翔んだことがない人間が想うこと
あ ....
正しさってなんだろう

正方形の角が 誰かの頬に食い込むとき
その痛みが 真四角の正しさを証しするのだろうか

正しさってなんだろう

まっすぐな線をまっすぐに歩くことが
そんなに尊い ....
紅いやら
黄色いやら
騒いでるんじゃない

山の中に勝手に入ってきて
ジロジロみて 
写真撮って
弁当食い散らかして
ゴミだけ残して帰る
観光客たち

俺は
おまえらに怒って
 ....
ひとの哀しみを

知りたい

深く…より深く




青いビーズの散らばる

大広間に

君と寝そべっていた



手を…手を繋ぎたい…

 ....
アリアドネは悟った

彼はもうこの迷宮から
二度と帰ってこない



「きっと、君のところに戻ってくるよ」


そう言った貴方の瞳の
絶望の色

私は気付きまし ....
入荷を待ちわびていた
会心のケニア
差し出す店主の顔も話し方も
嬉しさを隠しきれていなくて
実はそれが何よりも
目の前の一杯を美味しくする

焙煎機も一仕事終えて
今日は隣りがやけに
華やかじゃあない ....
北大路京介さんのおすすめリスト(19150)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
朔_或いは静かな底で- そらの珊 ...自由詩2612-12-6
存在と錯誤- ただのみ ...自由詩28*12-12-5
海の誘惑- まーつん自由詩6*12-12-5
タバコを一本- 凪 ちひ ...自由詩7*12-12-5
樹木のセミヌード- あおば自由詩4*12-12-5
パティ・スミスのように- 梅昆布茶自由詩1212-12-5
日記- 空丸ゆら ...自由詩812-12-5
御馳走について- ドクダミ ...自由詩7*12-12-5
- もっぷ自由詩1712-12-5
ゴールド_レクイエム- そらの珊 ...自由詩712-12-5
人は仮面をつけているから美しい- イナエ自由詩13*12-12-4
隙間- たまごボ ...自由詩4*12-12-4
ぐっどらっく!- 乱太郎自由詩19*12-12-4
吾輩はペットである- そらの珊 ...自由詩1212-12-4
自家中毒- そらの珊 ...自由詩16*12-12-3
月の舟に乗って- 未有花自由詩12*12-12-3
火星の銀色の月- 梅昆布茶自由詩2112-12-2
取扱説明書- 空丸ゆら ...自由詩1212-12-2
『赤い快楽』- あおい満 ...自由詩8*12-12-2
しかくいせかい- まーつん自由詩11*12-12-2
もじゃもじゃ主義- まーつん自由詩8*12-12-2
チューブウエイアーミー- 梅昆布茶自由詩1012-12-2
アン・ドゥ・トロワ- 殿上 童自由詩15*12-12-2
冬に見つけられてしまうと- ただのみ ...自由詩18*12-12-1
胡蝶の夢- そらの珊 ...自由詩2112-12-1
正しさってなんだろう- まーつん自由詩12*12-11-30
【_紅葉_】- 泡沫恋歌自由詩18*12-11-30
青いビーズ- 多紀自由詩10*12-11-30
アリアドネ- 多紀自由詩6*12-11-30
灯る- 深水遊脚携帯写真+ ...8*12-11-29

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