空気人形、という言葉に
いつしか親近感を覚えるようになっていた



乾いた言葉たち
伝えたいことなどなにもなく

空気と同化するだけの日々
私の中身もきっと空気でできているに違 ....
とうへんぼくが
ぼうっと立っている
とうへんぼくは
とうへんぼくなので
なにも考えていない
ぼうっと立っている間にも
鳥はさえずり
人ははたらき
とうへんぼくは
ぼ ....
映画が終わり
グラスの水滴が流れて
伝わっていく泉に
手を浸す
深夜のこと
頬にスタッフロールは
逆さに雨となり
取り返しのつかない
早回しにも似て
繁茂した
森の奥に隠されている ....
虫が鳴いている

秋の音させて

虫が鳴いている


遠く宇宙で星が瞬いている

遠くからだと瞬いて見えるのだ

遠く宇宙で星が瞬いている


何かが落ち着き

何かが ....
真夏だが雪の降る日である。こんな日に足湯へゆこうと誰ともなく言い出すのはしごく真っ当、ふだんは気難しい祖母までもが電話を寄越して「足湯かねこんな日は」とめずらしく意見をそろえてきている。
「冬の靴下 ....
満ちているのか

それとも 欠け始めたのか

空に 照道の月 有り
虫の音 ひとつ



それにしても

わざわざ 酒を盃に注ぎ
うつして

夜も眠らずに私が こうして月 ....
毎日毎日ひとりぼっちな気がする。

君だけが救いだよ


大好きな楽器は二年前のまま

変わったのは私の方だ


はっとした時には遅かった

だめだ身体がついていかない ....
走ろうかな なんて言われると
ハンドルを ギュッと握るシーンを 思い出す
これって きっと 条件反射

美女と…と 問われると
ななこちゃんが 浮かぶのと
きっと おんなじ

誰かは  ....
本は終わりから読む
音楽は終奏から聴く

恋は別れからはじめる
映画はエンドロールから観る

旅は終車駅からはじめる
夢は目醒めてからみる


そしてぼくは死から誕生する


 ....
 妻と居て

 秋の日の午後3時に妻と居て今日は彼女がきれいに見える

 窓越しのゴーヤは枯れて涼しい日空気は清く部屋は静かな

 九月より妻は黒髪あきらめて白髪を抜かずともよしと言う
雷師が

 私の為に怒ってくれている

 私は無の病に煩悩を受け

 力を失くした

 雷師

 雷師が

 私の為に怒ってくれている

 表現に 渦 包まる

  ....
つじつまを誰かが合わせてくれるのだろう、この人生の終わりに

とりあえずしつけ糸で縫い付けるそこが予定であるかのように

始業式の朝ともなれば小学生が憂鬱のつじつまを合わせて行く

一時間 ....
街中で知らない人と沢山すれちがう

わさわさ人

つつつ つつつ
つつつ つつつ

つらなる人と私

駅につきすれちがう視線

電車に乗り窓の外を眺めていると

つつつ つつ ....
末期の日まで
夢を見よう
永遠につづく
時空を想って

末期の日まで
考えよう
次なる世への
不安と幻想

来し方行く末
めぐる世もまた
生死あり

末の世ひと夜
め ....
巨大な扇風機をもってしても
私のなにもかわらずに
ぐるぐるとかきまぜられるだけのようです

この扇風機は私がもってきた
うまれたときからずっとずっと
かわれかわれと願いながら
この道 目 ....
ひとりで仰げば尚更に
山野の月はきれいです

涙は
雲居をわたる舟

契りは
雲居をてらす舟

言葉が透ける霧の夜は
山野の月がきれいです

あまねく水面は
古巣です ....
壊れた蛙になって 何時までも 浮遊する
ぷかぷかと 葉巻を流れた煙の先に
紫の 十字路

オレンジは 爽やかな季節の 代名詞だから
今は 要らないと言ったのに
まあまあ 夜なんだから  ....
天井から集まる
星屑のめいめつが
頬からこぼれそびれて
睫毛にからまり
目を閉じると
角膜の表面に錨をおろし
浮標のように
ただ揺れている
覚束ない眩しさを
ひとつ摘んで
たやすく ....
広い野原に
抜ける空

ぽつんと
ぽつんと
木が立っている

横に広がる枝ぶりと
見事に茂る葉 葉 葉
空と甍のその間

広がる枝を覆い隠す
天平の空の庇に
広がる椨(たぶの ....
{引用=

天蓋は燭光の水あかり
心をてらす 後后のゆらめき


ここは、光さえためされ 路にまどう
教室の窓外に 黒光りする鱗の群れが、
古代魚たちが、泳ぎすぎる」


ありふ ....
夕暮れの淋しさひとつ風に乗せ
揺れるススキを追いかけて
ひとりで道を歩いてた
さよならさよならまた明日
ひとりぼっちもたまにはいいさ

夕暮れのせつなさひとつ風に乗せ
暮れなずむ空を見上 ....
乾いてしまった糊みたいに
あちこちぺらぺらめくれてくる
とじ合わせた心が
納得なんかできないと

空気はとっくに私を
包んでるのに私が
認めたくないことばかりあって
そりかえっている
 ....
古い家の梁に
ロープを掛けただけの
私の特製ぶらんこ
ゆらゆら揺れているのが好きだった


目をつぶると
ぶらんこの旅がはじまる
家ごとゆらゆら揺れて
私は遠いところまで行ってしまう ....
ゆく夏を惜しむ理由でもあるのか
  とぎれとぎれになってしまった
    ひねもす続いたアブラゼミの読経

くる秋を愛おしむ理由でもあるのか
  まぶしく映えて行き交うようになった
    ....
  椅子の上に
  左脳がひとつ置かれていた



  色褪せた譜面から
  いくつかの音符はこぼれ
  床のうえでひょこひょこ跳ね
  透き通った窓は、わたしたちと
  青 ....
 クリスマス

この街にはいつものように雪のないクリスマスがやってくる。
光のクリスマスツリーが恋人たちの想いをたかぶらせる季節だ。
レストランの窓越しのほかの世界の絵のように映し出されるざわ ....
青紫の花びらに
涙がひとつ
めしべの奥の
白い洞窟に
隠されているのは
新しいいのちが
育まれる仕組み

蜂がはいっていく
蟻が群をなしてはいっていく
ぼくもはいっていく
男は虫 ....
 書きたかった
ずっときみのことが

心臓が血液を押し上げるように
月が魚を狂わせるように

まるで澄まし顔の
 未開の詩よ
ことばの装いと枷とはわたしのもの

やがて旅人でしかい ....
 
もうじき終わるこの日差し

そうとも知らず夏はジリジリと

あの日のウチらのように



 
ぼくは馬鹿だった

ぼくは天才だった

感じていたのは無力さではなかった

じぶんの有害性を感じていたのだった

ひととはうまく交われなかった

それがぼくを

強くもしていた ....
北大路京介さんのおすすめリスト(19150)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
空気人形- 三奈自由詩16*12-9-5
とうへんぼく- 田園自由詩10*12-9-5
眠りの淵で- 春日線香自由詩612-9-5
秋の音- 吉岡ペペ ...自由詩712-9-5
真夏の雪、地蔵骨峠の夢- はるな散文(批評 ...312-9-4
車中泊- ぎへいじ自由詩3+*12-9-4
ひとりぼっち- 自由詩412-9-4
梅酒杯- 藤鈴呼自由詩4*12-9-4
誕生- HAL自由詩9*12-9-4
妻といて- 生田 稔短歌1012-9-4
雷師への恩文- 朝焼彩茜 ...自由詩212-9-4
つじつま- そらの珊 ...短歌712-9-4
かずのこ- 灰泥軽茶自由詩8*12-9-4
末法思想- シホ.N自由詩312-9-3
風の球体- 朧月自由詩312-9-3
山野の月- 千波 一 ...自由詩6*12-9-3
紫の_十字路- 藤鈴呼自由詩8*12-9-3
暗礁- sample自由詩1012-9-3
椨(たぶのき)ー上総国分尼寺- ……とあ ...自由詩9*12-9-3
水の時- 月乃助自由詩18+*12-9-3
夕暮れの淋しさひとつ風に乗せ- 未有花自由詩18*12-9-3
はぐれたこころ- 朧月自由詩3+12-9-3
鞦韆(ぶらんこ)- yo-yo自由詩1412-9-3
とある日(八)- 信天翁自由詩212-9-2
左脳の時間- 草野春心自由詩1112-9-2
短い季節たち- 梅昆布茶散文(批評 ...512-9-2
朝顔の顔- 殿岡秀秋自由詩912-9-2
未開の詩よ- ただのみ ...自由詩23*12-9-2
この日差し- 殿上 童自由詩21*12-9-2
だれにも心配かけたくなかった- 吉岡ペペ ...自由詩1112-9-1

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