すべてのおすすめ
 折れた、
 夏草の茎の
 尖端から
 滴る汁、
 突然静かになった水場
 あのひとが愛の、
 愛の在処をわかっていると誤解したままで
 おれは死ぬのか
 麦を主語に従えた季節は終 ....
 叫びのない窓が額装されるまでに
 まずは県民会館で
 エッチングとして公表された
 田舎者たちにかこまれ、
 曝された色彩が
 夜ごとかれらのなかで這入って
 やがて追放された

 ....
 ロビー・クリーガーのようにピーター・ブロデリックのようにギターが弾きたい
 ときには折坂悠太のように吼えたい、三上寛のように私小説でありたい
 ことごとく滅びたはずのぼくを呼ぶ音楽たちをいまも愛 ....
 夢の時間も砂嵐のなかに消えてしまうだろう
 そんなテレビジョンの懐いでのなかで
 光りになれなかったひとたちと
 一緒の場所で出遭ったのは
 真昼の淡い幻想だった
 いまだほんものの喜びが ....
 だれのものでもない両手で
 だれかを傷つける
 呼び鈴がおれの耳に
 爆発している
 やり過ごすことのできない咎に身をふるわせて
 やはりだれも
 おれを諒解しないというところで
 ....
 真夜中じゅうずっと悲しいニュースや情勢に耳をかたむける
 おれの辞書にだれかが書き加えた永遠のせいで、
 眠ることもできないから
 雨が降りやんだ、その沈黙を
 だれかがやぶって ....
{引用=リナ・サワヤマのNME最新記事、トーキングヘッズ、ザ・ポップグループを片手に}

 芝の泥濘みにつまづいてふりかえったときには
 きみの寝室から火の手があがっていたんだ
 おれ ....
 シルヴィア・プラスの遺体写真を眺めながら昼餉を片づけていた
 ガス・オーブンに突っ込まれたかの女の上半身、
 死の直前に最高のユーモアを発揮したという、
 モリッシーの言葉を懐いだす
  ....
 少しずつひらかれるまなこを
 ふたたび去つていくものは
 手のひらへ
 あるいは風のなかへ落ち
 現れてくるのは青と黄の格子
 二月のかもめがゆつくりとかすめ
 あらたな軌道 ....
11月2日『産経新聞』夕刊、「第三文明」および「文芸社」の広告より

 つまらない室の
 まつたくつまらない夜
 ふたつの新聞広告を見ていて
 それも ....
 午前0時も半ばを過ぎて ヨット・ハーバーの周りには 黒い潮風と引き揚げられた古ボートが眠っている 白くぼやりと浮かぶのは 疲れ切って萎えた帆

 その白さに小指ほどの言葉を当てはめながら ....
 (見る) だれもかれのなまえを知らないし だれも知ろうとしない 見られ 覘かれ 触られ 汚され 洗浄され 閉じ込められ 少しだけ解き放たれる かれ

 (見ている) 動物園のなかをくまなく  ....
 リチャード氏は
 24時間営業の
 駐車場に
 掘られた
 穴のなかで
 からだを埋められてた
 レスターでのことさ
 その穴は
 忘れられてしまったけれども、
  ....
 夢のなかでだれかを抱きしめていた
 夢から醒めて、じぶんがただのひとりきりだという事実に
 むきだしの欲望が曝かれる、
 作劇の手引き
 光りを失った通りで
 発見された手 ....
          ....  あたらしい夢のなかで眼醒めることができたなら
 もうきみのことを懐いださなくともいられるかも知れない
 でも、ひとのない13番地に立つたびにきみを懐いだす
 いままで読んで来た ....
 ひとたび渇いた魂しいは舌のように膨張し始める
 軍備を払う金が政府にはあるはずだった
 敵は身近な隣人を人質にとった
 でも政府は動こうとしない
 あいつらはおれたちを
 見棄てた ....
   for an album "Radio Bukowski" by Guilherme Lucas


 え?
 なんだって?
 おれは──英語がわからない。 ....
 
 慈悲とつれあって深夜のスーパーを歩いた
 あるいは慈愛とつれだって萩の花をばらまいて歩いた
 おれたちにとっての幸運が猫のしっぽであったような、
 あるいは取り残された者たちの最 ....
 田園のなかでブリッジミュートを鳴らしつづけていた男がうごきをとめ、
 河べに立ちながら永遠ともおもえる時のなかで鳥を眺めている
 かれが悲しみの澱みたいにおれには見える
 それはこの十年ものあ ....
 かつて昭和記念公園でわたしは森忠明と歩いていた
 夏のあじけない夜でしかなかった
 わたしは師匠と話しながら
 東京都市の暑さのなかで
 これからの人生についてみじかい詩句をひねりだ ....
 さみしさがどうにもならないとき、口のなかで爆発する薄荷飴を数えて、
 ひとつの動作から、もうひとつの動作へと移ろう、おれは孤立者
 いままであったことのぜんぶ、経験のぜんぶを蔑すだけで、
 た ....
 捧げられたものと与えるものの区別がつかないままで、
 ぼくは語って、きみは答えた、のはぜんぶがぜんぶ正解じゃないから
 なにものともつかない悪夢を乗せて亡霊がインターステイツを走る
 あかとき ....
 ユウコ、かつてのぼくはきみが好きだった
 ぼくがきみを好きになったのはたぶんきみの気怠さやつらそうなまなざしがぼくの、
 ぼくの琴線に触れてやまなかったからだと有馬高等学校定時制課程 ....
 洗いざらしの衣類のなかで、リーバイ・パタの詩画集をひらく
 女のいない男がしてやれるのはたったそれだけのこと
 コインランドリーが不法占拠されてしまう夢を
 ついさっきまで見ていたんだよ
  ....
 どこか見憶えのあるような、
 なだらかな空気のなか硝酸系の毒物を蒔く
 愉しそうな子供たち、大丈夫もう終わりだから
 地下鉄工事の終わらない夏休み 
 眠れない夜をいくつもいくつも数えた ....
 暗がりでくそをして、
 暗がりで手を洗う
 洗面台にも、
 浴槽にも、
 魂しいのおきどころが見当たらない
 たしかなものはタオルだけで
 そのタオルもひどく汚れてるのはいったい ....
 もしも死者が定型ならば、
 生者は不定形ということなのか
 水に浸かった流木が沖に着くとき
 ぼくのなかに存った永遠という辞がすべて、
 駅という一語に置き換えられるのはいったいなぜ ....
   *

 たとえばあのひとが、
 ひとにならず、
 辞そのもので
 あったなら、

 花のために悼む 星が乱反射する路地裏で あのひとの詩を見かけた、年号のない日付 あまりにもおれは ....
 水の夢を観た
 水を呑む夢でなく、
 水にまつわる夢でなく
 水、そのものの夢
 個体が液体になったのか
 自我が消失したものか
 ぼくにはわからない
 その夢のなかでは
 光 ....
アラガイsさんの中田満帆さんおすすめリスト(36)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
Alone_Again_Or- 中田満帆自由詩524-4-15
窓のある風景- 中田満帆自由詩624-4-13
音楽をください- 中田満帆自由詩124-3-27
光りになれない。- 中田満帆自由詩524-3-20
surely- 中田満帆自由詩4*24-3-18
金魚- 中田満帆自由詩424-3-16
Psyco_killer- 中田満帆自由詩224-3-12
週明け- 中田満帆自由詩224-3-11
ふたたび去つていくものは(2007)- 中田満帆自由詩324-3-7
広告(2009)- 中田満帆自由詩124-3-5
海(2006)- 中田満帆自由詩424-2-28
動物園(2006)- 中田満帆自由詩224-2-25
リチャード氏の埋葬に関する余興(2013)- 中田満帆自由詩224-2-19
抱擁- 中田満帆自由詩324-2-17
わが性典- 中田満帆自由詩424-2-16
なまえ_(overwriting)- 中田満帆自由詩4*24-2-14
レミング- 中田満帆自由詩124-2-8
ブコウスキーの朗読- 中田満帆自由詩423-11-7
黒犬の眼球- 中田満帆自由詩823-10-24
feelin'_bad_blues- 中田満帆自由詩423-9-22
夏のよるべ- 中田満帆自由詩523-9-20
ムンクの星月夜- 中田満帆自由詩623-9-18
ぼくらが幽霊になるまで- 中田満帆自由詩5*23-9-13
枳の花──ユウコのために- 中田満帆自由詩423-8-31
友だち- 中田満帆自由詩723-8-10
おれが愛に気づいたとき、その愛がおれに語ったこと- 中田満帆自由詩5*23-7-16
暗がりで手を洗う- 中田満帆自由詩522-4-26
the_beach_boys_strikes_again- 中田満帆自由詩822-1-31
side_order──田中修子へ捧ぐ- 中田満帆自由詩321-12-8
- 中田満帆自由詩521-8-13

Home 次へ
1 2 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する