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　　　人でなし

森が忙しく葉を揺らす
カッコウが巣の上で木々を見渡していた
小石のような小鳥の卵を
一つ二つと落としていくのだ


真ん中に一回り大きな卵を産むと
愛しむこともなく　.... コロンと鳴った　耳の下の方で聞いた
なんで気が付かなかったんだろう
ハネた髪の毛が鏡に映ったりして
食パンの焼ける匂いを嗅いだりして
振り向かなかった　振り向かなかったんだ


行ってき　.... 空になった米びつを
流し台下の収納から取り出すと　初夏
扉裏から日陰がやって来て
「今日は暑いですね」と作業を急かされる


１０キロ袋の角を少し切り
よいこら　持ち上げてから
う　.... 庭に植えた橙（だいだい）を
隣のいい年頃の娘が　じぃと見ていた
熱視線で家が燃えるわい・・・
と小声で冗談を言いながら
剪定ばさみを手に持って
「家のは少し酸っぱいんだけどねぇ」
と呼　....

ｋａｕｚａｋさんの千月　話子さんおすすめリスト（4）
タイトル	投稿者	カテゴリ	Point	日付
ふさわしい言葉	- 千月　話 ...	自由詩	8*	09-6-22
消しゴムを忘れた日の歌	- 千月　話 ...	自由詩	7*	09-1-9
お米をこぼした日	- 千月　話 ...	自由詩	12*	08-7-21
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