憂鬱っす
民二郎

あと十三分でこのワークショップ小屋を出て
長雨のなか派手な帽子を被って鍼灸にゆく
何を話しても伝わらない日々である
この気持ちをどう表現しようかしら
何を貰って生きてきて 何を返そうかしら
長雨 雑木林 くさと雨と虫と動物の匂い
人々は息を潜めている
大きい窓からは漁師二人が小舟で網をひく
空と海の境界線はあの世みたいな白い線が描いてある
珍妙な顔で鼻毛を出しても
窓から雨音と空と海と
言葉になるた前の後の鎮魂を食らわせ


自由詩 憂鬱っす Copyright 民二郎 2024-02-03 15:50:24
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