夕闇
Lucy

やがて夕闇は
音もなく
グラスの底に流れこみ
溢れ
私の手首をつたい肘から
滴り落ちて
螺旋階段の手摺りを濡らし
滑り落ち
白い
石畳を徐々に浸食しながら坂道をゆっくりと
流れ
路地裏を浸し
加工場の横を擦り抜けて
砂浜を奔り
波打ち際で
寄せ来る海とせめぎあう

別れる決意を
貴方に伝え終わるまで


自由詩 夕闇 Copyright Lucy 2014-07-18 18:54:48
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