カラダがうく
Akari Chika

ベランダで
入道雲に向かって
指揮棒を振るおかあさん

白いシャツはヴァイオリン
大きいシーツはティンパニー
弟のズボンがフルートで
私のワンピはトランペット

晴れた日の
洗濯物交響曲
作詞
作曲
おかあさん

いつのまにか
カラダがうくよ
私もあの雲を掴まえてみたい
私も雲の上で暮らしてみたい
私 あの雲の一部だよ
私 あの空の一部なの



チャリンコで
茜空を背にして
坂道を一気に下ると

猫が追い掛けてくる
犬も追い掛けてくる
子供が走って追い越す
おじいちゃんも私を追い越す

ようし
負けないぞ
ペダルをこいだら
カラダがうくよ
タマも
ポチも
一緒にうくよ

一番星まで
チャリンコこいで
お土産に
持ってかえったよ
私 星までとどいたの
私 星を追い越したの



電車で
いわし雲を見ながら
線路を進むと

次は
モンゴル草原駅
次は
ピラミッド砂漠駅
次は
アラスカ流氷駅
次は
マチュピチュ空中駅
終点
わたしのおうち駅

自由の女神が笑うよ
奈良の大仏も笑うよ
スフィンクスが
お手してくれるよ
マーライオンが
おまわりしてくれるよ

うれしくて
うれしくて
カラダがうくよ
私も生きてるよ

生きてるの




自由詩 カラダがうく Copyright Akari Chika 2010-09-20 00:28:00
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