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ジャンがみててくれる部屋で
どこも痛くなく暮らしたい
ジャンがみててくれる部屋で
どこも寒くなく暮らしたい

神さまがみててくれる部屋で
どこも痛くなく暮らしたい
神さまがやさしくしてく ....
窓辺に三月が
腰掛けているのだが
まだあまりにも曖昧にあおいままなので
そのままにしておいた

冷える未明
ヒーターをつけた
あたたかな紅茶もほしいな
マグで、ミルクも一緒に

布 ....
朝顔のみつめる先に雲の白


夏残る一握の砂星の砂


雪予報お庭を思い眠るポチ


聞いてるかい聴いているよとイヌフグリ


コカ・コーラレモンを添えて夏を飲む


  ....
かなしいような夜が明け
せつないような曇り空
これからはじまる一日は
わたしに意気地を呼ぶだろか

たったひとりの夜が明け
たったひとりの曇り空
オーガンジーのカーテンは
きょうもわた ....
とってもうるさい上の階

上の階には上が無い

上が無いからわからない

・・・わけじゃなかった

知っていた

特にうるさいお休み日

幼子ふたりとその父と

ドッジボー ....
早く起きすぎちゃって
人並みじゃないことがはずかしくって
分針をいたずらして
ほら午前五時を過ぎた

人が生きている音が聞こえ始める
おはよう同じビルに住む人
おはよう見知らぬ人々
営 ....
お部屋の外の漆黒に
銀のスプーン揃ってる
少女は絵本を抱きながら
ちっとも読まずに泣いている

今夜はきのうと違う宵
だけども少女の時計では
背丈の伸びに判をして
こころの伸びには封を ....
黄唯色まであと少しの
三月の入り口で
ため息まじりに

  切符ください

と言っている老婆がいる
本当にゆきたいのか
わからない

  切符ください

まだ、佇んでいる駅舎の ....
いま
言われたいことが
転がっていない夜
灯りは決まって
白色の町
自転車で抜けて
風も無い
向かいっ風も
追い風も
泣いていい理由ばっかが
ダイヤモンドの原石かのように
陽は沈み
わたしも 想いに沈んでゆく
白かった あの少女のワンピースに
色を重ねるみたいに

  おとなの
  ぬりえ
  おひとつ
  いかが

決して 一概に、一途だったとは云 ....
軽いほんの出来心
出来心からのほんの道草
道草でしか会えない宝石
拾い集めてポッケにしまい
お家に戻って眺めてみたら
ためつすがめつしてみても
それらはただの石っころ
つらい暗い夕暮れ
ひとりを噛みしめる時間
あとにしたカフェで飲んだ
クランベリーソーダを思い返している

霧雨のなか
あえてテラス席で
はじめたばかりのタバコ
慣れない手つきをごまかし ....
猫が生まれた
二匹生まれた
かあちゃん猫が
ダンボールに連れてった
ある夜のこと…

翌朝起きてダンボール
こっそり覗いて見てみたら
なんと四匹生まれてた
おばあちゃんがね
これは ....
かなしみの夜だ
風が湿ってきた
知るために
自転車を出した

灯りの白さに
この町の
貧しさを悟る
ほら

あの遠いビル
オレンジ色の
たいそうなこと

燈されている
ゆ ....
白菊の歌声が
偲ぶあなたの
墓標前にて
一人雨に
濡れながら
西脇の詩集を
繰ってみる

詩のまことが
こぼれますように


紅の傘は
忘れられて
かなしく倒れて
朽ち ....
かなうかなって
空を見あげて
思えばこそ
で足りたころ

からずいぶん
遠くに来て
しまった
ちいさな願い

なのだと思うこれは
とてもさもない
なみだなのだと

願う
 ....
いのちはあの一本の樹と
わたしの間にあります
やわらかく俯くようにあります

夏の庭の青い花が
ゆらゆらと何かを祈っています
太古のことではないこと
だけが確かなことです

大切なの ....
{ルビ涯=はて}を{ルビ悟=し}っている靴はさいわいである
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