密雲の燐光 ②
信天翁

           電柱の先端で
          おらを見下ろし
  しわがれたドラ声でわめいている
          グロテスクな鴉
「半生を懺悔せよ」と言わんばかりだ

     気弱のおらは鳥肌をおぼえ
 そそくさとプロムナードへと急いだ
     果樹園にひろがる風と光と
       緑園におどる歌と声を
        ひからびたねこぜへ
      沁みこむこともできずに


自由詩 密雲の燐光 ② Copyright 信天翁 2013-06-14 21:59:50
notebook Home 戻る