道路
はるな


嘘のない道をあるくと
からだが黒ずんでたまらない
空き缶を選別する女たちに二千円をくれてやる

銀色を左へ曲がると
すぐに目的地だ
つたの洋館も
給水塔も
とうになくなってしまった

思い込んでいた
自分が、いつも
自分であると
わたしの歩行がわたしを運ぶのだと
思い込んでいたから
傾いたからだを鋭角へととのえるとき、
わたしはこわい、
こわい、こわいのです

助けてください
それは、
わたしの言葉でなく
標識の
意味であった



自由詩 道路 Copyright はるな 2013-06-15 00:46:56
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