火宅、忍土、穢土
憂き世、苦界、六道界・・・
現し世を表す言葉の群れ
生きることはすなわち
耐え忍ぶこと
包丁を左手首に当てた時は
そんな言葉達も忘れていた
何も
....
1.どこまで、言葉のもつ意味と形とを切り離せるのか、という挑戦。
2.ひとつを原点としての想像、創造。
3.イディオレクトからの逸脱。
4.必然性の追求。
5.拡大、縮小されること。
6.尻 ....
草の実は、苦くて酸っぱい。
子供の頃から、虫は好きだった。
うつむく生活を続けていたら、とうとう草むらの中に、顔を突っ込んでしまった。
緑色の空気がいっぱいだ。これで虫になれるかもしれない。そう ....
言葉なんて話すんじゃなかった
言葉より優しいものがあること知っていたはずなのに
何故言葉から、そして何を求めるのだ
君よ
「わかっているだろ、の後に
君は忘れてしまったようだね。
....
出棺を待つ君は安らかな表情で
首筋にあるべき索状痕は目立たぬよう化粧を施され
凄惨な最期を遂げたようには見えなかった
呼びかければ目を覚ますのではとか
冗談が過ぎたかな
頭を掻きながら棺 ....
羽虫が右手にとまり走り出す 深いしわの谷を一足とびで
道造の詩を追いかける羽虫と 次のページで友だちになる
外に出ず一日暇をもてあそぶ 部屋干しの服すらも笑わず
茶色が包みはじめて
白い花びらが消えていく
蜜を求める蜂は
終わった
折れた風に
立ち続ける 緑
枯れていく事が結実なら
すいあげられてしまおう
活動しない雲は
たいてい灰色をしている
海の上に
面倒くさそうな
固形物が
存在する
白い犬
がそれを見ている
黒い少年
がそれを見ている
そんな淀みの中の
なんでも ....
あ、義父さん
ハンカチを一枚お借りします
+ + +
初めて会うひとはわたしのすべてを見透かしたあとに
無学なバイトの若造が生活(いちにんまえ)を語るのかと息巻きながらも
そ ....
昔々のその昔
葛城山の頂(いただき)に
崩落しそうな崖を臨み
奇形な巨岩(おおいわ)に注連縄(しめなわ)が
その巨岩(おおいわ)のその上に
みずらに勾玉(まがたま)
直刀を佩(は)く 弥生 ....
{画像=110709105543.jpg}
金魚鉢のそれのように、
一つの世界がそこで完結するとすると、
地球が再現され、
宇宙が再現され、
ついに発生する突然変異に、
ビオトープ ....
夏の うてな
カーテンから光がもれていて
うごいている ほこりを 照らして きれいだ
光は直線だけど まっすぐなだけではね
いつまでも 寝てないで ぎょうずいでもしんさい
....
緑のキャブが
ネオンサインの林を発進
道のりに
メーターと胃がせり上がる
よろよろとヨッパ雷蔵よろけ出て
盛大にベッドタウンに嘔吐する
運ちゃんは
イライラしながら前方注視
未払いの料 ....
青い波間に漂う
コバルト・ブルーのきらめき
画用紙に彩られた海は今でも
烈日を待ち焦がれている
*
雨の日は部屋の中でひとりきり
孤独を思う存分楽しもう
外国の歌手が歌う
レコ ....
雑草が覆いかぶさる細い道をゆく。
小川のそばに、水引草が咲いていた。
山の麓のさびしい村。24歳で夭折した詩人の夢が、いつも帰っていった。
その夢のほとりを歩いた。
小さなあかい花。見過ご ....
満ち潮が新しい雲を率いてやってくる
ねむの木の下にしゃがんでいたら
スイカと蚊取り線香の色がただよってきた
知らんぷりしているようで、世界はやさしい
ふとんを叩く音 野菜を煮る音
自販機 ....
暑中お見舞い申し上げます。 たま
地下鉄
地下鉄はまっすぐ走るものだと思っていた
車体が傾いてとなりの女の顔が急に近づいた
ね、 複雑でしょ・・
耳元の吐息はいつも体 ....
遠い昔の縄文の
汚物の塚を保存する
歴史保存の尊さか
ヒマラヤ杉に隠された
世界規模の気候変動
遮光土器は本当に
差し込む闇が横一線
土塊(つちくれ)の中から捻り(ひねり)出 ....
いつかあなたにただいまと
いえ
いつかあなたにごめんなさいと
いや
いつかあなたに土下座して懇願を・・・
....
べつだん躊躇ったりすることもなく
無造作に引きちぎった胸元のボタンを手渡してくれた
「ありがとう」
「礼なんていらないよ
こうするものらしいしさ」
恥じらいをみせれくれれば可愛い ....
わたしのなまえは ゆきえです
わたしは夏にうまれた ゆきえです
夏にうまれたのに ゆきえなのです
幸せと言う字に 恵まれたと書きます
わたしの半分は 冬にある
そんなことを ....
学生のころ帰省の旅費を稼ぐため、廃材の釘抜きのアルバイトをしたことがある。
真夏の炎天下で一日中、バールやペンチを使って材木の釘を抜く。ただそれだけの単調な作業だった。
毎日、早稲田から荒川行 ....
通称 スイカ畑 という林檎畑がある
父が子供じぶん スイカを作っていた畑で
祖父母が買い求めた時は 杉林だった
杉の木を一本 一本 切り倒して畑にして
すぐに収入に結びつく スイカを作っていた ....
波打ち際に
打ち上げられた
白
い木の
生
の部分が
別の情報
に置き
換えられ
死
はそれを
流木へと
昇華していった
白
い影が
太陽光に焼かれて
炭化してゆく ....
{画像=080802125241.jpg}
水たまりに空が映って
雲が動いていた
雨は上がったようだ
太陽は力を蓄えようとして
朝はこれからのエネルギーを予感している
陽炎がすでに
....
起きると二時
ああ、夜中に目が覚めてしもうた
と、思いきや、昼の二時である
よく寝たな
と、テレビをつけるとサスペンスドラマの再放送
うむ。
面白いではないか
と、それから寝転がってテレ ....
あと
いくつ夏があるだろう
母のいる夏
母に
もしものことがあったら
私は
どんな風に送るだろう
出来れば
いくつかの詩と
数え切れない花束で
彼女を 包んで
黄泉の ....
副木が緩んだように感じるのは
早くも筋肉が落ちたからなのか
単に着けそこなっているだけなのか
左肘を傷めてから一週間が経ち
分かっていたつもりでも
それ以上に日常の所作に支障をきたして
....
1
朝九時にニコライ堂を右手に見
下りる坂の街路樹は
銀杏のくせに輝く緑
2
靖国通が
花満開だなんて
だれが信じるものだろうか
でも事実なのだから
3
湿気の多いビル ....
この坂道は君とともに上った坂道
ふたりして登坂の辛さにあえぎ
君の差し出した手のひらの熱さに驚きながらも
未来への扉が垣間見えたような気がして
したたる汗の交わる戸惑いと
きつく握り ....
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