逆立ちする樹は
王子の星を三本で覆い尽くし
そのうち星は崩壊
逆立ちする樹は
なぜか地球の一角に
サンテグジュペリの祖国の支配
沢山の奇跡の巨大な島
地上の奇観 バオバブの森
漂流 ....
雪晴れの朝の
あっけらかんとした明るさ
街に光が満ちている
街の輪郭にエッジが効いている
キッパリとスッキリと
明確な世界が眼前に
立ち上がっているから
いまこの瞬間なら
....
しっかり生きていこうと思ってはいたが、
うっかり長生きしすぎてしまったものだから
がっかりするようなことを沢山見てしまった。
うっかり長生きしすぎてしまったので
しっかりすることなく生 ....
私がよく行くインポート専門のブティックがある。
ショップ名は「armoire caprice」
(アーモワール・カプリス)
もしかしたら御記憶の方もいらっしゃるかもしれないが、
以前この現代詩 ....
コツコツと先を急ぐ女のひと
両かかととも赤く腫れあがっていて何だか痛々しい
足に合わない靴だったのかな
駅前広場は折からの霙混じりで
軒際で立ち止まっては、いちいち傘を開くのも鬱陶しく ....
{引用=
稲荷山浄妙寺
鎌倉五山第五位の寺格
足利義兼の創建で
月峯了然(げっぽうりょうねん)から臨済宗
足利尊氏の父
足利貞氏が中興の開基
創建時の住職
行勇律師は後に栄西の弟子
....
木はすごいよ
雨にぬれても生きている
腐らない
生きているから腐らない
木はひとりぼっちで立っている
鳥が安心してとまっている
木は鳥に安心している
いのちとはなんだろう
いのちには ....
「夜の牙」なら知っている、
石原裕次郎や浅丘ルリ子の出てくる
日活アクション映画なのだけれど
否。ちがう、夜と牙とは別々だ
某日。夜さんは牙さんに
桃のような柔らかなお尻をガブっと噛まれ ....
ゆうべはねむれないまま舟を漕いだ
ねむれないまま舟を操り蘆を払って湖沼をすすんだ
朦朧とねむれないままもとの舟着場にもどる
と、先がみえない霧のなかを漂流していたことがわ ....
黄色い壁伝い 石畳の路地
幅一メートルほどの狭い路地を歩き続ける。
どこまで行っても路地
何時になったら この路地抜けられるのか
少し、焦りながら歩いて行く
突然視界が開け
突然光が戻 ....
――誰といたの?
誰といるの?
薄い愛を囁く
熱い舌
哀れに自惚れる鼓動を
愚かだと嗤ってくださいませ
眼差し、温かく
増していく、黒
貴方のペースに引き込まれ ....
だれかぼくに
長い手紙をくれまいか
すっぽり暗いすり鉢の空の底
吹雪のあけた だだっぴろい広場に
まんべんなく雪は敷き詰められて
だれかが夕暮れの紅いろうそくを吹き消す
すると
取り ....
ここには海がないのです
人をあざける海鳥たちの鳴き声のかわりに
杉森をこごえさす雪の白さが
躊躇いもせずに町をみたしている
知らないもの同士が連れ添うような
紅茶のカップを二つ温めながら ....
設えるより
解きほぐすようにして
わたしたちの地平は瓦解する
いたたまれない
この指先の感触
いまも憶いだせない
まっすぐな壁をつくり
(腕が通るほどの位置に)
すんだ窓 ....
出かけようとして出かけられなかった朝に
ひとりの女性の顛末を知る
喩えようのない過去の行状
足跡の是非はともかくとして
不治の病に長らく臥していたとのこと
病棟の小窓に映す時代の移ろ ....
丹波 余社郡(よさのこおり)管川(つつかわ)の人
瑞の江の浦の島子は
釣り上げた亀を妻にして
蓬莱山へ出かけたみたが※1
絵にも描けないいやらしさ。
魚比目之興、鸞同心之遊
タイや ....
いつもそこにいる
あたしのこころとおんなじだ
あたしのこころはいつも
あたしのそばにいてくれている
東郷公園よこの坂道
そこをすっとくだってしまうのは
いつも惜 ....
同級生に出会えません
同じ教科書を広げ
同じ食パンを食べ
同じ制服を着ましたが
違う仕事に就きました
そういう決まりなんですね
知らずに席を立ちました
子供しかいなかったんですから
....
農業をする蟻ハキリアリをみていた
福山雅治が
素っ頓狂な声をあげた
列をなして葉っぱを運んでいる
きりとった葉っぱをミドリの帆にして巣穴に運んでいる
蟻の道が ....
あたしは妬む
他人の有り様を妬むのだよ
若い者、綺麗な者、愛に浴す者、持てる者達が憎らしい
だから顔がほら、こんなに腐って黒くなってしまったのさ
あたしは疎む
邪魔立ては許さない
前を ....
比喩ってよくわかりませんけどだいだい次の二つに大別できると教えられています。
1.直喩 ・きみの脚は鹿のようにほそい
2.暗喩 ・きみの脚は鹿だ
この二つはよく目にする表現法です。
そ ....
{引用=
真夜中に犬の声がかけてゆく
やっと帰宅した息子と
息子の帰宅を待っていた家内が
ダイニング・テーブルではなしをしている
声が
ボソボソきこえる
テレビの ....
その褐色の巨人は
毛髪からエレキを放電し
異様な叫び声を上げたり
心を揺さぶる言葉を呟き
その褐色の巨人は
無骨な太い指で
楽器の喉元を押さえ
楽器の内臓を掻き毟って
悲鳴を上げさ ....
それは惰性でした
半分嘘の悪い遊び
巻き込んで振り回して
喜怒哀楽を初めて学んだ
生傷は絶えませんでした
それでもホンモノというものを
少し背伸びして手に入れたら
ままごとは形になった
もたれかか ....
僕はまだひとりぼっちを探してる夕暮れ帰る道の途中で
一番星ジャングルジムのてっぺんで見上げた空はなんて大きい
懐かしいあの日のメロディくちずさむ二人の影が夕日に揺れて
黄昏はいつでも ....
拒絶したいものが
多すぎたのです
もはや茎は弱り
棘は何をも
突き刺すことが
できないのです
それでも薔薇は咲いています
誰もその手に触れられないという
誇りの欠片を最後まで持って ....
相も変わらず
寂しさは私の身体を硬くし
時折に溢れる愛情は
それを許さない
狭間という地点で
一呼吸つけたらいいけれど
見つからない
まだ
いいから自分を可愛がりなさい
いいからジブンで自分をカワイがりなさい
言い訳なんていいから
理由なんて要らないから
そっと ずっと もっと
じぶんを愛してあげなさい
ゆっくり ふれて ....
駅前のデパートが閉まると聞き
短い帰省の間、立ち寄った
商品のない売り場と
間もなく解雇される店員たちの笑顔が
とても痛々しかった
逃げるようにエレベーターのボタンを押したとき
七歳の ....
愛さえあればなんてね
でもそれってお金で買えそうな気もするよ
何もしないからと言いながら
私の背中に変なのを押し当ててくる
そんな安っぽいんじゃなくてさ
至高の愛
とか
無償 ....
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