この幼い文字には記憶がある
漢字を覚えられない少年はそれだけで言葉を文字にする事が許されず
間違いばかりを指さされては 心を深く胸に隠すしかなかった


開け放なたれた部屋の小窓

文字 ....
 口には出さなくとも
 目つきで解る
 軽蔑の刃

 四角い花壇の隅を汚す
 ゴミを捨てたのは誰
 落とし主は現れず

 誰も手を汚したくない
 でも傷つけずにはいられない
 だか ....
 トキエは泣いている。薄暗い納戸の奥の、
紅い鏡掛を開いた鏡台の前に座り、泣きなが
ら化粧をしている。「おかあちゃん」幼い私
はトキエに纏わり付いて、その名を呼び続け
ている。戸外から蜜柑 ....
昨日は変えられない
だけど引きずる必要はどこにもない
悲劇は朝日と共に終わっていることに
気づいていないだけ

昨日は昨日のまま
でも今日は昨日じゃない
未来を変えるのは今だけど
今を ....
絶対的な漆黒に支配されながら
もう消えてしまいたい、と
泣き続けた夜
だけどそんな闇でさえ 
萎え始める瞬間がある
私の意志とは関係なく
朝は必ずやって来るのだから―
地球が営みを辞めな ....
[妖怪(尻)べった]
  肥大臀部を横向きにした姿の妖怪。
  戸建の階段のカーブや集合住宅の脱衣所などに潜んでいる。
  これを見ると妻に萎えてしまうようになる。

[妖怪ココゾ]
   ....
ねじれ歪みながら
空を指す木々が
何かを言いたがっているのじゃない

何か言いたくなるのは
それを見ている私

そうやって
ねじれ歪みながらも
空をめざすのをやめないで
吹く風の中 ....
【緑の風】

一輪車に乗った子供が
緑の風をうけてゆく

不安定なのに
軽快に

不安定だからこそ
愉快に

たったひとつの輪さえ
あればいい


【蕗によせて】

 ....
君のことをついついゆで卵ちゃんと呼んでしまうのは僕の悪い癖だが
君が僕のことをゴリラちゃんと呼ぶのはとても心外なんだね
ああ確かに見た目はその通りなんだがそれにしても僕のデリカシーをボロボロにして ....
 
ウソやないけど

ホンマでもない

アタイの 後ろ髪


 
サフランや天女の細い脹脛 さからう ゆだねる
かいなく よそごと

こらえて の こす
そしらぬ わたり

ひより びより さえずり ともし
むかえて ふりだす
くさむら やぶやら
   「砂浜に抜ける路地」を一つ拾ってきて、波の音
   を額縁に飾る。愛という言葉で何を隠したいのか。
   行間には関係性だけがあって鞄には入らない。み
   んな事情を抱えていて、 ....
言論の自由の中で
わたしたちは饒舌な唖になる
会葬者の囁きにも指先を踊らせるが
本心は棺の中
乾き切った筆のように横たわっている

表現の自由の中で
わたしたちは着飾ったマネキンだ
禁 ....
 一


 セミの抜け殻が立ち上がり
 自分を置き去りにした
 主を探し始める

 何も見えない目で
 広がらない翼で
 動かない足で

 命が生まれ変わる度に
 脱ぎ捨てられ ....
海藻の匂いが漂い
干し蛸がぶら下がる漁村の道を
おとめは エシエシ笑いながら歩く
焦げ茶色に焼けたうなじを
苦い潮風が打つ
塩をまぶしたような髪をほつらせ
おとめは よだれを拭きながら ....
スフィンクスのように座る 両手で胸に秘密を暖める

手っ手ないない

そのポーズは誰でもする 人と思っている飼い猫だろうが 
自由を選択した逞しい野良子だろうが

手っ手ないない

 ....
春の風は遠くから来ます
夏の風は遠くへ行きます
あこがれ、とは違う
何処か知らない所へと
私を誘います

秋の風は通り抜けます
冬の風は通り過ぎます
喪失を知らしめ
懐かしい者どもと ....
ぽっかり浮かんだ波のうえ
海月のように漂っている僕ふわりふわり
昨日のこともわすれてふわりふわふわ

ろくでなしでふわふわきみが好き
君なしでもふわふわやっぱり君がいい

金色のお月さま ....
明け方
素になった
あしのうらが
のんびり呼吸をしていた

朝、起きて
人が再び活動を始めたときから
あしうらは忙しい
意にそまない誰かであっても
一緒に過ごさねばならない
破れか ....
窓際に肩ひじついて聴いている通りのざわめき歌のない調べ

真っ直ぐにとメタセコイアのように生きたいと願った君と僕の五月と

人生は回転木馬巡りゆく季節とともに移ろいゆく風

ひとつづつ噛み ....
遠近感を失くした心に
圧し掛かるコンクリート色の空
それは浮力を相殺し
ひと気のない公園の片隅に
鳩のよう
視線は堕ちて行く

否定も肯定もしない
午後の息苦しさは
酸欠した金魚のよ ....
 
うっかりしたり
どうかしていたり
つい他のことで
頭いっぱいになってたり
なんか体調でイラッとしたりして
間違ったことを言ってしまうことなんて
自分いくらでもあるんだから
他人の
 ....
生まれ年のワインが不味い  田んぼ


乾いた田んぼに水が入って
追いつけないままに去っていった
春の詩をようやく諦める

花菖蒲は元気に咲いている
紫陽花もゆっくり色づいてゆく
発芽した朝顔は満員電車みたい ....
唯物論と観念論


1物質と精神


身体が源か精神が源か
身体は物質で
精神がなければ動かない
精神から身体を産み出そうという考えを持つこともできる
理性として欲望を操れたとして ....
想う人がこの春故郷に帰ります
あなたにとっては一つの目標をとげて
胸を張っての凱旋帰郷になるでしょう

でもその陰で
あなたの去るこの街に生まれ育ちあなたと出会い
恋をしている私 ....
 
アカシアの雨がやむときをききながら

雨がふっているんじゃないかと、窓をあけてみる

月夜なのに、こんなに明るい月夜なのに、



*YouTube アカシアの雨がやむとき (西 ....
育てていた蜜蜂が 熊に襲われた
蜜を狙って巣箱を壊し 女王蜂も食べられた という話

熊って 蜜だけじゃなく 蜂も食べるの?
食べるらしいよ それ以来 蜂が怖がって
外へ蜜をとりにいかなくて ....
ひとり さまよう  おひとりさま 酔う
大海を さまよう  いっぴきのいか
あたりのいろに   自身を染めながら


いかがなものか 敵があらわれた
いかのからだは またたまくに変 ....
nonyaさんのおすすめリスト(5756)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ノート- ぎへいじ自由詩18*13-5-25
屑の輝き- まーつん自由詩14*13-5-24
記憶- 壮佑自由詩25*13-5-23
変わる- 使井 土 ...自由詩113-5-23
食欲- 夏美かを ...自由詩24*13-5-23
妖怪辞典(抄)- salco自由詩13*13-5-22
ねじれた木- Lucy自由詩18*13-5-22
【緑化帯】_詩人サークル「群青」五月のお題「緑」から- そらの珊 ...自由詩26*13-5-21
ゆで卵ちゃん- 梅昆布茶自由詩1413-5-20
後ろ髪- 殿上 童自由詩17*13-5-19
サフランや天女の細い脹脛(ふくらはぎ)- 北大路京 ...俳句913-5-19
むい- 砂木自由詩12*13-5-19
そよ風を折りたたんで- 空丸ゆら ...自由詩1713-5-19
それは薄汚れた顔で笑っている- ただのみ ...自由詩19*13-5-18
夏の閃光、記憶の抜け殻- まーつん自由詩13*13-5-18
おとめ- 壮佑自由詩14*13-5-17
手っ手ないない- 朝焼彩茜 ...自由詩913-5-17
便り- salco自由詩29*13-5-16
ふわり- 梅昆布茶自由詩913-5-15
あしうら- そらの珊 ...自由詩23*13-5-15
メタセコイアのように- 梅昆布茶短歌513-5-15
名無詩- ただのみ ...自由詩21*13-5-15
自分お料理は苦手なんだけど今夜はカレーライス- Lucy自由詩26*13-5-14
生まれ年のワインが不味い- 北大路京 ...自由詩12+13-5-14
北の亡者/Again_2013皐月- たま自由詩35*13-5-14
唯物論と観念論- はなもと ...自由詩413-5-14
私だけのさようなら- しょだま ...自由詩313-5-14
アカシアの雨がやむときをききながら- 殿上 童自由詩24+*13-5-13
蜜と毒- 砂木自由詩20*13-5-12
模倣と擬態- るるりら自由詩10*13-5-12

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