今年も背中を見せる
あなたの上着の裾を つまんでみる
皆 走っているからね
この子とふたり 取り残されているみたいでね
寂しくってね
私の指の小さなダイヤモンドが
電飾と歌を歌っている ....
63階の視聴覚室で試験勉強をしていた
保健体育の先生はスパルタで
教室に入るなり生徒を叱ったりしていた
ふと大きな爆音が響くと
館内アナウンスが流れだした
「42階から火の手が上がり ....
あまり美味しくない過去をまぁるくくるめて
ゴミ箱に向かって放り投げる
無回転で空中を行くそれは
不思議な軌跡を描き
僕の現実を侵犯し
散々侵犯した末
入らない
おそらく
....
どうして いつも目を伏せてまえをみるの
どうして 気がつくとタバコのため息なの
どうして 何もかもあきらめている風なのに またひとりなの
しってるよわかっているつもりだけど
隣にあたしがい ....
一人に流れている時間を消しにいった
葉っぱが枝から落ちるまでの葉っぱの時間
葉っぱの前を通り過ぎた車がかすったであろう少しの時間
それを観察するぼくの時間
それらが風とともに上 ....
世界へと落ちていく空
滲む照明
薄明かりのアウトフォーカス
緩む身体
意識はただ温もりに溺れ
遠い耳鳴りと感じているのは
あれは
海鳴りではなかったか
夜の砂浜に座り込んだこと ....
そう うつ そう うつ そうそう うつ
私のネジは100本位抜けているんですか?
そもそもメインCPUがぱっぱららりぱっぱ?
私 笑えてる?
私 笑えてる?
私 笑いません。
そう う ....
もどかしい
を詰め込んだ袋の
チャックをしめると
パンパンに膨れ上がって
風船のように
とんでいってしまえばいいのに
なんて
なげやりなことを思う
どんなにむずかしい問いであれ
....
逆様に夢を見る
落っこちてきた太陽は
反対側の月に変わる
疲れ果てた雨雲を連れて
いつも途方もないものを予感させるんだ
ボクは少し戸惑っている
全てを話すにはあとちょっとだけス ....
終わってしまったはずなのに
密閉した重い蓋の透き間から
かすかにに甘くたちのぼる
胸の底 荒野の地中から
かぐわしい薫りはゆるゆると漂い
真夜中の片すみにうずくまる
そ ....
{引用=
末摘花
}
何が、愛されたのだろう
美しいという言葉も
華やかなものも
この手にはないのに
{引用=
末摘花
}
夜に耐える
想う人の背中が ....
わたしに幸福を、と
願えることの その幸福を
わたしは いくつも
置いてきた
たぶん、わたしたち
水槽のなかに
生きている
そこは程よく窮屈だから、
ぬく ....
後で降りてくるよと
サザンの曲を元ネタにした
ショートドラマのオムニバスを
見ている妻に声をかけて階上に登り
詩の投稿サイトとかをチェックしていたら
カチャリ
と
部屋のドアが開いて ....
下校中
ぼくは君の背中ばかり
見ていた気がする
とても小さな水が
生まれる場所をめざして
いつもの帰り道は澄みわたりながら
永遠みたいに流れていた
君の背中はとても自由に見 ....
天井から
夜が下りてくる
お父さんは四十年生きて
長かったなあと思う?
布団の中の息子が
息継ぎに顔を出す
しみじみする口のまるい形
「ささやかなこの人生」とつばを飛ばしてナカジマは歌い ....
ただいまって言った後に
誰もいないって思い出したんだ
直らない習慣 どうやら僕はまだ
現実を消化出来ていないみたいだ
1人で暮らすのは気楽でいい
自分で使えるお金も増えたし
部屋も前よ ....
パテル・パトルム――
即ち、パパだ。
今日もパパは二日酔いで、
おまえたちはバレエを観に行ったけど
そんな日曜日の真昼間から
男が家にたった一人、瞑想に耽る
深潭たる無意識の下層へ ....
眠れない夜が続いていたのは
抑えられない舌の渇きのせい
肩書きを餌に抱いた女は
体以外預けてはくれなかった
煙草の煙に乗せた別れの台詞も
すべてはシナリオ通りの流れ
このまま誰一人愛す ....
幸運とは
偶然の産物ではない
もし アナタが
幸運に恵まれたとしたら
それは 誰かのおかげです
アナタの知らない
アナタ自身かもしれないし
周りの人かもしれない
....
+ うららかな午後 +
体温が地熱と交わる午後に
ミントチョコをくわえるケダモノは
あたためたミルクを一口飲んで
青ざめた頬をバラ色にそめる
+ キラキラの夜 +
遠くのイ ....
おなじ水が
おなじ水のほうへ
ながれてゆくように
僕らは
さかなになりました
僕らはいつしか
濡れたからだで
水辺に立ち尽くしていました
はじめて会った
気がしませんで ....
買い物に出かけた初冬の街角で
あのひとの姿を見かけた
両の手のひらをパンツのポケットに入れ
開店前のパチンコ屋に並んでいた
私の姿に気付くこと無く
他愛も無い夢と引換えに大切なものを ....
わからない脚で
ほら歩くと 棒にコツリと
気を付けても 何かを知ろうとする脚は
…にごりの病む闇 体の中
遠くのところで生きようとすると
いるにはいるのに溶解に病む
月 街灯にふれると ....
君の子犬のような無邪気さと
あなたの大犬のような聡明さ
君の突拍子もないところと
あなたの包み込む優しさ
君の無遠慮さと
あなたのおしとやかさ
私にはどちらも選べない
いっそ ....
列車の窓が
長いネックレスのように煌き
横たわって走っている
街はもう影を落とさない夜更け
きみがほら、こころ震わす音楽を
あなたがほら、光り輝く宝箱を
見つけて、染めて、頬を ....
解っていく
静かに解っていく
己がどういう人間なのか水を汲み出す度に
解っていく
解っていく
静かに解っていく
桶を沈ませる度
自分に何が足りないか解って ....
林の向こうに星が落ちた
遊びつかれたカラスが
西の方へ飛んで行った
あたりはワイン色になって
夕闇に沈んだ
遠くで一匹犬が鳴いた
町に人影がなくなった
青白い三日月がひとつ
水銀灯の上 ....
わたしの枕元に
秋が沈む
繰り返される朝と夜の狭間で
少しずつ吸い込まれていく夢は
ふゆ色に染まり
朝、白い朝を始める
日々、零れ落ちる感情たちは
ばらばらに敷き詰められていて
....
だれに愛されるわけでもなく
だれを愛するわけでもない
あなたはあなたのままでいて
わたしはわたしのままでいる
独り歩くということの
ゆき場も見えぬ哀しみの
....
ほんとのはなし
ねえ、きみ、なんでどっかいっちゃうわけ。ほかの女とさ。ねえ、きみはわたしのこと愛してないわけ。おれさあ、一人しかめぐりあわなかったんだよ。愛してくれるひとにさ。きみだけだよ。 ....
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