いま夏はどこそしてぼくの隣にすわっているのは誰
灯台へつづく道ひかりとかげの午後をあるく
ひまわりと話し続けたこの丘で幼い頃の夏をみつけた
エンドレスサマー潮騒にこころをのせてきくサ ....
忘れられた歌
幼い日の
遠い記憶と
優しい嘘
軽い眩暈と
心臓の鉛
どこまで潜ってゆくの
どこまで走ってゆくの
世界は等しく朝を迎えるけれど ....
玄米のにぎりめし
噛めば噛むほど
味わいが湧き出
150円のちから
日本のちからを食っている
日本のちからになってやる
日本のちからが満ちてくる
玄米 ....
夏なのに雪を恋しがる
あなたの顔がちらつく
思いっきり好きだと言い残したのは
ずいぶん昔の話だ
ぷよぴよした二の腕はもう恋愛など縁遠い
夏だとゆうのに海がにあわない女だな ....
ゆるやかな稜線は日々の通奏低音と
重なって光や風の渡る今日を彩ってゆく
痛くなかったかい
首もげちゃったけど
どこまで転がってゆくんだろう
僕の通底器は結びつけることに疲れてしまって ....
知っているか
言葉達を?
決して君に語られる事なく
死んでいった無数の言葉達を?
知っているか?
死んでいった者達を
僕達が見なかった為に死んでいった
無数の命を?
知っている ....
少年は飛んで行った
アスファルトの空に向かって
自由が欲しかった この世は生ける監獄
少年が泣き叫んだ時
世界は耳をふさいだ 目を閉ざした
口をつぐんだ そして今
彼が手の届かないとこ ....
赤い雲が青空に溶けていく
さなぎの上に 初めて羽をひろげる鬼ヤンマ
透明な四枚の羽と 複眼に陽が射す
洗濯ものを 外に干す
水辺の近くに立つ 銀の洗濯棒が光を集める
風波をかぶる池の石 ....
今日、ふと気づいた事があります
空の色や雲の色 月の形に
文句をいう人はいないな、と
それは何故かと思考を巡らせてみれば
すぐに答えは見つかりました
長い間一緒にいすぎて
....
幼い心をこじ開けて
あなたは痛みを植えて行った
悶え苦しむ年月
綺麗な嘘で幾重にも
痛みを包んで行った
いま この心に抱いているのは
ぞっとするほど美しい
....
パンダの赤ちゃんが
亡くなったと
News速報で流れる
平和な日本
動物の赤ちゃんが死ぬのは
特に珍しいことでもないけれど
パンダは特別枠なので
みんながかわいそうと言う
わざ ....
60年代末のベトナムのジャングルで
月を見上げながらたばこをふかす高校でたての若い兵士
シンプルでストレートでノリのいい曲の背景に
時代の絶望をぶらさげてラジオから流れていたCCR
....
今日はずいぶん細くなったなぁ
月を見て自分の心細さと重ね合わせ
ちょっとした安心をおぼえた
僕は月夜にタバコをふかし
後ろへ放り投げて歩き出した
誰かの声が聞こえた気がした
後ろで何か ....
取り替えて! となりのトロロよく伸びる
掘り返す? となりの芝生に埋まる骨
おとなりのとなりのとなりも知らぬ人
番犬や となりを吠えてはや十年
バス停にトトロによく似たおばさん ....
あまだれが落ちるのを
じっと見ていた
そんな日があった
そんな子どもだった
樋の下でふくらんで
まっすぐ地面に落ちてくる
ああ
あまだれが1ぴき死んだ
あまだれが2ひき死んだ
....
角に追いやられた居場所を
ゆとりと無理やり読んで
朝まで遊び呆ける
大人気ない強情は
時には余力に気がついて
無駄と呼ばれる作業に勤しむ
それが一人遊びの業の楽しみ
と言えたら幸 ....
?
私がつかもうとしたのか
私の砂漠へ
日常のほんの小さなすき間から
思いがけず吹き込む風のむこうの
荒涼とした世界
あなたがつかもうとしたのか
....
文鎮が
ふうわり ふわりと宙に浮き
驚く書生の顔前を ナマコのように漂って
原稿用紙が舞い上がり
驚く書生の目の前で 舞子みたいに踊りだし
万年筆が身悶えし 書生の指を逃れ出て
ぽ ....
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陽の当たるところ
その建物は言いました
都会には幾つも建物があるけれど
そのなかでもぼくが一番さ
ぼくは一番大きな建物 ....
ラッキョウを舌で転がすアマゾネス
せせらぎを聴いて寝転ぶ梁の上
釣り忍ふたつみっつと増えていく
FRISKをガシガシ噛んで小暑かな
午後からの授業をフケて青田道
花南 ....
あんたの言葉は勇み足
あたいの想いは勇み足
そんなふたりの愛は、やっぱり勇み足
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小さい頃から
自分はいらない人間なんだと思ってきた。
いつもいつも、死にたいと思ってた。
そんな時はよく、空を眺めた。
広いな ....
焼却炉に捨てられた明日
すくいあげた夏の横顔に
毛繕いを済ました嘘が
気だるく黄昏る
あなたと壊疽した月曜に
遠い過去からの絵葉書が
陰気な紙ふぶきとなって
豊満な口もとを埋め尽くす ....
あした咲く朝顔は
雨の軒下でこうもり傘みたいに
とじています
あしたも雨なのかな
朝顔って、おかしな{ルビ花=ひと}だね
傘をもって
生まれてくるなんて
いちど咲いたら
もう、とじ ....
みな
人の後ろを歩いている
いい人の
悪い人の
普通の人の
空から見たら
変わらない人となって
見られたい
ようには見られず
ひと固まりの雲が浮かんでる
まるで人の群れ ....
如何に生きた、尋ねる声がする
平和でした
知識と技術と民主主義の時代でした
学び続けています
誰かを助けたりはしませんでした
世間のひとすみで労働をお金に換え
蝸牛のような家を借り
....
すきなものがふえると
人はやさしくなれる
だってうれしすぎるもの
こころがくたくたになったら
うれしかったこと小出しすればいいや
キツイナがちょっとゆるむ
たましいがぱちぱちな ....
目の中でゴロゴロしてる
グリーンのコンタクトをつけて
それだけでお姫様になれると思っていた
風に前髪がなびいている
ピンクの髪留めをつけて
それだけで少女になれると思 ....
渡る世間にエロ
ギュッ と 搾り出した
いのち そのものが
ここにある100
パーセントの
ジュース
貴重
高価
とてもじゃ ....
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